米航空宇宙局は9月25日、遠い宇宙をハッブル宇宙望遠鏡(HST)を使って鮮明にとらえた写真「eXtreme Deep Field」(XDF)を公開した。ごく狭い領域に5500の銀河が写っており、最も遠いものは132億光年の彼方にあるという。
HSTで超深宇宙の姿を探る「Hubble Ultra Deep Field」プロジェクトで得られた10年間の写真を合成して作成。満月よりはるかに小さな領域を合計2万秒かけて撮影した2000枚の写真から得られた。われわれの天の川銀河と同様の渦巻き銀河や、赤方偏移で赤い点として写った遠い銀河などが確認できる。
撮影されたのは南天の「ろ座」の一角。地上からは目立ったものは観測できない領域だが、HSTのカメラは多数の銀河をとらえた。平凡な領域にもこうした多数の銀河が観測できる事実は、宇宙には特別な場所はなく、一様に広がっていることを示している。
宇宙が生まれたのは137億年前とされており、XDFに写った最も遠い銀河は、宇宙誕生からわずか5億年後の姿を示している。研究者はXDFについて「遠い過去へのタイムトンネルだ」とコメントしている。
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