2012年06月27日

【シアーズ】、旅行もレイアウェイの時代!前金99ドルに月9ドルの手数料でどこへ行く?

120627シアーズバケーション
■景気後退以降のクリスマス商戦では大手チェーンストアを中心にレイアウェイ販促を行っている。2006年にレイアウェイを廃止したウォルマートは2011年、限定的にレイアウェイを再開した。2009年からレイアウェイを始めたトイザラスでは、昨年から対象商品を拡大した。彼らは2008年から復活させていたシアーズに触発されたのだ。競合よりもいち早くレイアウェイを復活させたシアーズが、今度は旅行パッケージのレイアウェイに乗り出すという。
 シアーズは20日、ホテルや航空券、カーレンタルの予約など、旅行に関する手配を行うシアーズバケーション・コム(searsvacation.com)サイトを立ち上げた。「100種類のバケーション旅行プランを399ドル〜」で訴求するシアーズバケーション・コムには、なんと旅行プランのレイアウェイ・プログラムがあるのだ。旅行の「お取り置き」サービスのキャンセル料や支払い期間などの詳細は明らかにされていないが、頭金99ドルと月々9ドルのサービス手数料が必要という。レイアウェイは通常、頭金とサービス手数料と支払い、60日〜90日かけて残金を支払った上で商品を受け取るサービスだ。クレジットカードをもてない人が、テレビやソファなど比較的高額な商品を購入するときに利用するのが一般的だ。が、旅行までお取り置きする人が果たしてどのくらいいるのか注目されている。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。当ブログを熱心に読んでいる旅行社(営業)やエージェントの方は、多くいるようです。そういった方々から、たまに連絡があります。後藤は旅行社からのコーディネーター依頼は全てお断りしています。旅行社を嫌っているわけではありません(←よく誤解されます)。私は旅行業を生業にしているわけではありません。後藤はコンサルタントであって、旅行社のエージェントではありません。コンサルタントは企業の業績アップをお手伝いするものです。視察研修もその一環です。旅行社からの依頼では、利害が相反することがあります。宿泊先や移動手段などの手配は旅行社に任せます。ただ、企業研修を最適化するために、無駄な手配や変更が必要なことがあれば、アドバイスしなければなりません。旅行社から仕事を請けていると、立場上それができなります。

⇒以前、現地のある流通ガイドさん(旅行社からフリーで仕事を請けるツアコン?)から「研修の仕事があるので見積もりをお願いします」と連絡がありました。彼は私を同業他社だと勘違いし、見積もり依頼でコーディネーターフィー等を聞き出そうとしていました。旅行社から仕事を請けるには、他者よりも低い価格を提示すればよいからです。企業は研修旅行をいくつかの旅行社に合い見積もりを打診します。旅行ガイドさんも仕事を得るには、価格をあわせなければならないのです。で、一部の方から「流通ガイドでは使えなかった」と報告がありました。安いから飛び回って忙しい。忙しいから必要な情報をインプットできない。で、コンサルタントの本質とは、異なることを行ってしまうのです。クライアントの業績アップを目的にした研修ではなく、アメリカ小売業をただ案内する旅行です。一部では、そういった需要があるのでしょうが...

⇒さて、学習を目的とした視察旅行と違い、バケーション旅行とはいえレイアウェイ・プログラムを持ち出すのはいかがなものでしょうか。そもそもレイアウェイは1930年代の大恐慌時に流行したサービスです。クレジットカードがない時代です。リーマンショック以降、失業してクレジットカードさえもてない人が多いとはいえ、そういった方々の中でバケーション旅行にいく人はいったいどのくらいいるのでしょうか?頭金99ドルを支払い、さらに月々の手数料9ドルを支払っていくレイアウェイ・バケーション旅行の市場規模が、見当つきません。子供にクリスマス・プレゼントを渡すために、10月くらいからレイアウェイを利用するのは理解できます。シアーズにとってはレイアウェイを行うことに痛みがありませんから、旅行レイアウェイを展開してもいいのでしょう。ただ、それ以前に、消費者がシアーズブランドで旅行に行くかが疑問です。
 シアーズは相変わらず、本業(店舗運営)よりもネット関連の事業に注力していますねぇ〜。
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