「教員の一番の仕事は授業」 埼玉県戸田市で教育フェス

「教員の一番の仕事は授業」 埼玉県戸田市で教育フェス
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埼玉県戸田市教委は1月8日、「戸田市教育フェスティバル」を開催し、「これからの時代に必要な力と学びの変革」と題した講演やトークセッションを実施した。同市立小・中学校では午前中に始業式を実施し、児童・生徒を下校させた後、ほぼ全教員がフェスティバルに参加。保護者を含め約900人が耳を傾ける中、働き方改革に向けた取り組みや、これからの学校教育のあり方について、文科省・経産省による意見交換が実施された。文科省初等中等教育局の合田哲雄財務課長は、Society5.0に向けた人材育成や学習指導要領改訂のポイントを説明。経産省商務情報政策局商務・サービスグループの浅野大介サービス政策課長は「未来の教室」とEdTech研究会や、教育産業に関する内容を中心に講演した。トークセッションでは、教員を対象に実施したアンケートの結果を発表。「学校・教員等の自助努力のみでは解決できない政策的な事項」を問う項目で、「教員の多忙化解消」が最多の44%、次いで「教員の定数不足」が36%だったのを踏まえ、浅野課長が「必要ないかもしれないと思いながら、続けていることが多いのでは」と発言。「経産省では、長年にわたり議会でのあらゆる質問に対応できるよう、答弁資料を完璧なものにするために職員が連日徹夜していた。働き方改革の一環としてこれをやめ、質問を予測して最低限の資料を用意するようにし、今では全員が終電までには帰れている」と語った。これを受け、合田課長は「教員の本質的な仕事か精査してほしい」と提案。「管理職は教委にいい顔をするために、内発的な動機もなく研究指定校を引き受け、その結果、膨大な報告書作りで教員を苦しめていないか。運動会が子供の家族や親戚を喜ばせるための行事になっていないか。休日を使ったPTAイベントの参加は本当に必要か」と投げ掛け、「やめることも必要だ。それで苦情などがあったら、『文科省がそう指示した』と学校が説明できるよう頑張っていきたい」と述べて、「教員の一番の仕事は授業。また教員にも、時代が変わっていることを意識してほしい」と訴えた。浅野課長は「教員以外の人をうまく学校教育に巻き込むことが今後は鍵になる」とし、「新しい時代に対応できるよう、今の産業や社会の構造を打ち破れる人材を送り出してほしい」と強調。合田課長は「新しいことを取り入れる動きは経産省では主流だが、文科省ではまだまだ難しい。自分は変わり者だ」と語った上で、「人と違うことをやるのは勇気がいるが、他と違ってもやり抜く力を子供たちの中に育んでもらいたい」と締めくくった。

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