加害者の東電が被害者を脅迫-原発事故の被害で電気代払えなくなった農家に電力供給停止を通告 | すくらむ

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国家公務員一般労働組合(国公一般)の仲間のブログ★国公一般は正規でも非正規でも、ひとりでも入れるユニオンです。

 昨日、東京電力本社前で、農民連と食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)による「人々を路頭に迷わせた東電の居直りは許せない! 8.3東電・政府賠償請求行動」がおこなわれました。


 東京千代田区の東電本社前には、福島県の農民100人をはじめ350人以上の農民らが集まり、かけつけた肉牛2頭や稲わらを乗せたトラックとともに、東電へ怒りをぶつけました。(※この集会にかけつけた牛の写真が、フォトジャーナリストの森住卓さんのブログにアップされていますのでご覧ください


 この集会のなかで、群馬県のキノコ農家の青年(31歳)が訴えたのですが、あまりにひどい話で東電への怒りが沸騰してしまったので以下その要旨を紹介します。(※事実経過については、昨日の訴えに加え7月28日の経済産業省前での原発ゼロ要請行動での農民連の上山さんの報告などで補足しています。byノックオン。ツイッターアカウントはanti_poverty)


 父の代から群馬でキノコ栽培をおこなってきました。キノコの栽培には施設内を18度程度に保つ必要があるため冷暖房など電気が欠かせず、毎月平均30万円の電気代がかかります。


 福島原発事故の放射能問題でキノコがまったく売れなくなり、現在700万円以上の減収で、電気代が払えなくなってしまいました。


 東電は「風評被害だから損害請求は受け付けない」、「料金の支払いがない場合は電気の供給を止める」と通告してきました。その通告書には「供給停止によりいかなる損害が生じても当社は一切の責任を負いかねる」とも明記されていました。


 僕は、東電に対して「あなたたちが起こした原発事故のせいで、僕らの商品は売れなくなったのだから、電気の供給停止も猶予すべきだ」と訴えました。しかし、東電の職員は「出るとこ出たっていい。訴えるなら訴えてもらってかまわない」と居直ってきました。


 電気が欠かせないキノコ栽培は、東電に電気を止められれば終わりです。再建の道は奪われます。電気の供給停止の通告は僕の家族にとって脅迫そのものです。


 毎日眠れない日が続いています。福島原発事故の被害で電気代が払えない農家は僕のほかにもいると思います。東電は僕らをどうするつもりなのか。


 以上の訴えを受けて、集会を主催した農民連の白石会長は、「福島原発事故による被害で電気代を支払えなくなったキノコ農家の電力供給停止を通告するなど東電側が強圧的な態度をとっていることは許されない。加害者の東電が被害者をおどすなどあってはならない。東電に全面賠償を迫ろう」と集会参加者に呼びかけました。