女優夏川結衣(43)が岩松了作・演出の舞台「アイドル、かくの如し」(12月8~29日、東京・下北沢の本多劇場)で初舞台を踏むことが1日、分かった。劇作家で俳優の宮藤官九郎(41)と夫婦役を演じる。

 夏川は人気劇作家岩松の最新作で舞台に挑む。ドラマで見た半端な女優に一目ぼれした男が結婚して夫婦となり、2人で芸能事務所を設立。売り出したアイドルが人気者となるが、国会議員の秘書が訪れたことから、事態は思わぬ方向にいく。主演の事務所社長の夫古賀役には宮藤が決まっていたが、岩松は妻となる元女優の祥子役は夏川しかいないと、自ら夏川に電話して熱烈な出演オファーを繰り返したという。

 夏川は92年に女優としてデビュー後、ドラマ、映画で活躍したが、舞台には縁がなかった。夏川は「舞台について何も分からないし、舞台は怖いっていうイメージしかない。岩松さんの作品だけは、大変だからやってはいけないとずっと思っていたんです。それが岩松さんと一緒に食事したら、今更やらないとは言えなくて」と苦笑い。岩松の「初舞台ですが、その分自分の手で何色も染められるし、イメージもしやすいので楽しみ」との期待の言葉に「頑張るしかありません」。

 夏川と宮藤は初めての共演。宮藤は「岩松さんの作品なので円満な夫婦であるはずがないと思っています。夏川さんとの共演は初めてなので、ギスギスした関係を演じるのかなと思うと、心配ではあります」と不安そうに話したが、岩松は「僕の作品にしては割といい関係の夫婦にしたい。平成の夫婦善哉ですね」。

 共演は津田寛治、岩松、上間美緒ら。来年1月には大阪、福岡、名古屋で地方公演も行う。