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年末には、Evernote環境の整理を!

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photo credit: David Blackwell. via photopin cc

倉下忠憲前回は情報のインプット環境を整理しよう、というお話を紹介しました。

今回はEvernoteの整理についてです。情報の巨大倉庫とも呼べるEvernoteも、使い勝手を維持する上でメンテナンス作業は欠かせません。普段使っているOSのアップデートやHDDのデフラグが必要なのと同じことです。Evernoteを日常的に使っている人ほど、その必要性は高いと言えるでしょう。

Evernoteの主な整理対象として、今回は4つの項目をあげてみることにします。

  • ノートの整理
  • ノートブックの整理
  • タグの整理
  • アカウントの整理

それぞれ見ていきましょう。


ノートの整理

Evernoteにありがちなのが、「貯まりすぎたWebクリップノート」です。

もちろん貯まりすぎていても問題なく使えるEvernoteですが、「inbox」に設定してあるノートブックに、タグも付けられないまま放置されているのは、使い勝手的にあまり良いとは言えません。

このノートも数が30個程度ならば、「えいや!」と気合いを入れて処理することができるでしょうが、100個近くになってくると先送りの対象になりがちです。すると次第に「inbox」を見るのもイヤになってきます。

こういう時は、新しいノートブックを作って、そこに未処理のノートを全て移動させてしまいましょう。これで見かけ上は、「inbox」が綺麗になります。まるで帳簿操作のようですが、それでまったく問題ありません。

あとは、「一日に5個ずつノートを整理する」というタスクとリマインダーを設定して、少しずつその山を切り崩していくだでけです。まあ、切り崩さなくても検索で情報を引っ張り出せるのもEvernoteの魅力の一つなので、そのまま放置して置いてもよいかもしれません。

ノートブックの整理

使い方によってノートブックの在り方は多様ですが、不必要なノートブックが多数存在していると、自分でノートを探すときに面倒さが増します。

次の三つの質問を問いかけて、ノートブックリストを上から眺めていってください。

  • 「そのノートブックに最近ノートは増えているか?」
  • 「そのノートブックから最近ノートを探したか?」
  • 「そのノートブックを他のノートブックに統合したらどうなるか?」

上の二つがNoならば、削除してもおそらく問題ないでしょう。

三つ目の質問は、統合してもノートが見つけ出せるならば、そのノートブックの存在価値はあまりないかもしれない、ということです。

タグの整理

個人的に、タグは好き勝手に増やしていくのが一番使い勝手が良いと思っています。しかし、たまには整理することも必要でしょう。

タグのリストを眺めて、役割が重複しているものはないかを探してみます。よくあるのが「ブログ」と「Blog」という風に同じ言葉の違った表記です。これはタグによる検索の精度を下げてしまいかねないので、どちらかに統一しておくとよいでしょう。

「ブログ」で統一するのならば、まず「Blog」タグが付いたノートを表示させ、そのノートを全て選択して「ブログ」タグを付けましょう。その後「Blog」タグを削除します。先に「Blog」タグを削除してしまうと大変なことになるので注意してください。

また、ずらっと並んでいるタグの「親タグ」を作って、視認性を上げてみるのもよいでしょう。「文章術」「読書術」「発想法」というタグが並んでいるのならば、それらをまとめる「知的生産」タグを作り、その下にそれぞれのタグを配置する、ということです。

こうした親タグの作成を行っていると、ノートに付けてきたタグから自分の興味・関心領域が見えてきたりもします。簡易的なKJ法ですね。

アカウント

mystats最後がアカウントの整理。

プレミアムの人はフリー版に、フリー版の人はプレミアムに移行するかどうかの検討です。Evernoteはある時期にプレミアムだったけど、一年ぐらいはフリーで使い、またプレミアムに戻る、という使い方をしても問題ありません。わりとフレキシブルなサービスなのです。

アカウントの検討には、「MyStats」というiPhoneアプリが役に立ちます。このアプリはEvernoteと連携する機能があり、毎月使っているアップロード容量のログを残すことができます。

それを見て、「かなり余っているからフリーで良いか」とか「ギリギリだし、プレミアムの検討をしてみるか」という判断が可能です。もちろん、毎月のアップロード容量の更新日に自分で記録を付けておいてもよいでしょう。

ちなみに、フリーのアカウントを二つ作り、共有ノートブックを介して容量の上限を乗り越えるという方法もあります。何が何でもプレミアムにする必要はありません。

逆に、毎月の容量は余っていても、1ノートのファイル上限に引っかかっている方はプレミアムを検討してみてもよいでしょう。プレミアムであれば、1ノート100MBまでアップロード可能です。大きなPDFをアップロードするような使い方をしている場合は検討に値するかと思います。

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さいごに

こうした作業は、Evernoteのリストラクチャリングと言えるでしょう。パソコンを使っている時でも、フォルダの統廃合やファイルの配置換えなどを行っているはずです。Evernoteにもそれを適用してみよう、というお話でした。

さすがに毎日やるような作業ではないので、新しく情報が入ってきにくい時期に、まとめて行っておくと良いかと思います。

▼関連エントリー:

年末には、情報環境の整理を! 

▼今週の一冊:

ローソンの新浪社長が行ってきた10年の「改革」の歩みが紹介された一冊。タイトルが示すとおり、「いかに商品を売るか」ではなく、「いかに人を動かすか」に力点が置かれています。

硬直しがちな組織に変化を生み、新しい文化を創出し、自ら考えて動けるような人を増やしていく。そのためには何が必要なのか、どういう心構えと行動が必要なのか、その「お手本」が示されています。それぞれの企業が置かれている環境は異なっているので、同じ手法がそのまま通用することはないでしょうが、「何が鍵になるのか」「どのように軸を作るのか」という点は参考になるでしょう。

» 個を動かす 新浪剛史 ローソン作り直しの10年


▼編集後記:
倉下忠憲



あっ、という間に年末です。恐ろしいほど時の歩みが早いですね。とりあえず、年内に原稿を上げて、KDP(キンドルダイレクトパブリッシング)に着手し始めたいところ。ちなみに、こういう形の出版は「自費出版」とは別の言葉で読んだ方が良いような気がしている今日この頃です。


▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。