スウェーデンの王立科学アカデミーは6日、本年度のノーベル化学賞は、北海道大学の鈴木章名誉教授(80)とアメリカ・パデュー大学の根岸英一教授(75)に授与すると発表した。リチャード・ヘック米デラウェア大名誉教授(79)も、今年の同賞を受賞する。今回で日本のノーベル賞受賞者は18人、化学賞では2008年の下村脩(82)さんらに続く7人目の受賞。

 スウェーデンの王立科学アカデミーは、3氏が有機合成におけるパラジウム触媒によるクロスカップリングを開発した業績を受賞理由としている。

 韓国のメディアも、鈴木教授や根岸教授らは、金属触媒を用いて複雑な有機化合物を合成することができる技術を開発し、新薬開発などに寄与した功労が認められたと報じ、今回の受賞へ賛辞を贈っている。

 また、2年前にも日本人がノーベル賞を受賞したばかりだが、またしても受賞という快挙を成し、日本列島は歓呼に包まれた。テレビのニュースではアナウンサーが興奮気味にこのニュースを伝え、街中では号外が配られたと伝えている。

 一方、ノーベル賞の受賞者は10年ぶりに最も少ない額の賞金を受けることになったことが判明した。英国のフィナンシャルタイムズは6日、今年のノーベル賞受賞者の賞金は1000万クローナ(約1億2000万円)で、これを実際の価値に換算すれば、1999年以来の最低の水準になると伝えたという。

 主に株式や不動産など海外資産に投資してきたノーベル財団は、世界的な景気低迷とヨーロッパ財政危機の余波で基金運用に打撃を受け、2008年の金融危機の時には資産価値が22.3%も減少した。

 以後、ある程度の損失を挽回したが、昨年末でのノーベル財団の総資産価値は31億1000万クローナであり、2000年ごろのインターネット・バブル時期の最高値に比較すれば、3分の1ほどに縮小している。これにともない、受賞者らの賞金も8年間凍結していたとしている。

 資産の管理が不十分であるという指摘について、ノーベル財団のミカエル・ソールマン事務局長は「現在の財団の資産はインフレ要因を勘案すると、財団の設立当時の2倍に増えるほど良好な状態」と主張しているという。

 授賞式は12月10日にスウェーデン・ストックホルムで行われ、賞金1000万クローナは3氏で分け合う。(編集担当:李信恵・山口幸治)



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