尾崎豊さんの半生が初めてドラマ化されることが6日、分かった。テレビ東京系「尾崎豊20thメモリアルイヤーズ特別企画『風の少年~尾崎豊

 永遠の伝説』」(仮)で、3月下旬に放送予定。尾崎さん役は成宮寛貴(28)が演じる。

 尾崎さんは「卒業」や「15の夜」など、学校や社会の不条理に悩む若者の心を代弁した歌詞で“10代の教祖”と呼ばれた。92年に26歳で急逝したが、死後20年たっても楽曲は歌い継がれカリスマ性は変わらない。

 同局の田淵俊彦プロデューサーは約10年にわたり、ドラマ化に向けて奔走したが、納得のいく脚本、尾崎さんのイメージに合う役者にも出合えなかったという。しかし、尾崎さんの音楽プロデューサーだった須藤晃氏の著書「尾崎豊

 覚え書き」を原作にしたことで状況は一変。「やっと、尾崎さんの真実の姿に迫ったオリジナル脚本を作ることができました」と手応えをつかんだ。

 尾崎さん役についても「雰囲気だけでなく、考え方が真摯(しんし)な点が尾崎さんにそっくりと常々感じていた」と成宮に依頼した。成宮自身は「僕なんかでいいのか」とためらいがあったが、資料を読み、歌を聴くうちに「マネをするのではなく、彼のカリスマ性や時代性を反映する姿を演じられたら」と思い引き受けたという。その後、双方に構図を知らせていないにもかかわらず、非常に似た宣伝用写真が手元に届き、田淵氏は運命的なものを感じたという。

 20代の成宮は「尾崎さんの歌では『僕が僕であるために』が好きだけど、実はちゃんと聴いたのは今回が初めて」と言う一方で、「このドラマがなかったら、尾崎豊について知らないままだったと思う。尾崎豊を知らない人々に知ってもらえたらうれしいです」とも話していた。ドラマに先がけてBSジャパンではドキュメンタリー「放熱の彼方~尾崎豊

 知られざる伝説」(仮、2月12日午後8時)が放送される。未公開映像や手記も公開して、2作品で知られざる尾崎さんの素顔を浮き彫りにする。

 [2011年1月7日7時56分

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