「結果が出る行動力」のことを「実行力」と定義しているのが、『ビジネスマンのための「実行力」養成講座 すごい偉業もこんな小さな一歩から』(小宮一慶著、ディスカヴァー携書)。では、実行力の本質とはどんなものなのでしょうか? その点について、著者はこうまとめています。

  1. 行動して、
  2. 結果を出して、
  3. それを継続する

(8ページより)

行動してみないとわからないことがたくさんあるからこそ、これが真の実行力だということです。日本はま大きな閉塞感に包まれていますが、「信念」を持ち、自ら一歩踏み出す「行動力」を持つことができたら、日本は大きく変わるはずだと断言しています。

自分自身を良くするために、自身の自己実現のために、一歩を踏み込む行動力を持っていけばいい。それが結果として、会社の業績を変え、いまのこの日本の空気さえ変えます。

(18ページより)

説得力のある考え方ですが、そんな本書のなかから、第1章「実行力のメカニズムを知る」内の「実行力をつけるために必要な基本的心構え」に焦点を当ててみたいと思います。

1.迷ったらやる(102ページより)

リスクが小さいことは、迷ったらやる。少しでも気になることは、やった方がいい。ちょっとした一歩を踏み出せばそれがリズムになり、習慣になると著者はいいます。そして、どんなに小さなことでも、行動すれば多少の高揚感を得られるもの。その積み重ねが人生を幸福にするというわけです。

行動力とは習慣なので、小さなことから初めて習慣づけるのがいいそうです。すると自然に「迷ったらやる」体質になれて、やらないことに違和感をおぼえるようになるといいます。そこまでたどり着ければ、あとは楽ですね。

2.有言実行する(105ページより)

実行しようと思っていることを人に宣言すると、言った手前、やらないわけにはいかなくなり、実現可能生が高まるそうです。口に出して周囲を巻き込み、自分を追い込んでいった方が実行しやすくなるからだとか。できないと格好悪いし信用も失いかねませんから、無意識のうちに懸命に取り組めるようになるということです。

3.時間をコントロールする(106ページより)

時間ほど有効な資源はないからこそ、やろうと決めたら実現可能なスケジュールを立て、結果に向かって集中し、アウトプットを引き出すべき。しかしそこで重要なのが、時間そのものの使い方を工夫するとともに、頭の調子をいかに良くしておくかに留意することだそうです。自分にとってもっとも頭の調子のいい時間帯を知り、そこに知的作業を集中させた方が効率は格段に違うといいます。

4.体調を整える(108ページより)

「よい健康状態を保つ」ことも「実行力をつけるために必要な基本的心構え」だそう。やる気というエネルギーを引き出すためには「信念」と「体調」が必要で、両者が重なったときに最良のアウトプットが出るのだそうです。

信念×体調=アウトプット

たとえば著者は朝型なので、会食しても二次会には行かないなど、健康状態維持のために気を使っているそうです。

たしかに、よくないときこそ、状況を突破する実行力が必要なのかもしれない。本書は、そんなことを改めて実感させてくれます。ちょっとしたヒントを得たい方は、ここからなにかをつかめるのではないかと思います。

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(印南敦史)