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 わたくしは今回の参議院選挙において、自由民主党の政務調査会調査役(防衛政策・安全保障担当)の田村重信様のサポートを頂いた関係上、沖縄の普天間基地の問題については、かなり勉強させて頂きました。実際に、沖縄を訪問させて頂いた際には、山頂から普天間基地をこの目で見て、基地の周りにも赴きました。


 1996年4月に、橋本政権とモンデール米大使との間で、「普天間基地の移設条件付返還」が合意され、それから13年間、日米両国の当局者及び沖縄県の政治家の方が、粘り強く交渉や選挙を重ねてきたわけです。辺野古埋め立て案に決定した後も、何度も選挙や議論を重ね、現地調査や環境アセスメントを繰り返し、ようやく工事開始となった時点で民主党が全てをひっくり返しました。


 鳩山前首相の無責任な発言「最低でも県外」は、日本の安全保障について考えたわけでもなく、沖縄県民の気持ちを考えたわけでもなく、単なる選挙対策でした。選挙対策としての発言ですから、09年総選挙に勝利すれば、もはや彼らにとってはどうでもいいのでしょう。その後の発言や政策が迷走した結果、鳩山内閣が終焉を迎えたのはご存知の通り。
 しかし、民主党としては首相の首を挿げ替えれば済む話なのかも知れませんが、沖縄県民、日本国民、
そしてアメリカとしては、それでは済まされません。


沖縄海兵隊、2014年までのグアム移転断念
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20091215-481540/news/20100723-OYT1T00592.htm
 沖縄に駐留する米海兵隊約8000人のグアム移転について、日米両政府が「2014年」で合意した移転完了期限について、米政府が達成を事実上断念したことが22日、明らかになった。
 米領グアム政府に22日(現地時間)に説明し、日本政府にもすでに伝達した。海兵隊のグアム移転は、沖縄の米軍普天間飛行場移設と並び、日米が06年5月に合意した「再編実施のための日米ロードマップ(行程表)」の柱の一つで、「普天間移設の実現とセット」(米国防総省)と位置づけられている計画遅延により、普天間が現在の沖縄県宜野湾市に固定化する恐れが一段と強まりそうだ。(中略)
 グアム移転の先送りは、普天間移設問題が一向に進展しない日本の現状が影響しているのでは、との見方もある。政府内では「米側で米軍再編全体を推進する機運が薄れつつある表れでは」(外務省筋)との懸念も出ている。(後略)』



 基本的に、普天間基地の移設と沖縄海兵隊のグアム移転は、セットとして考えられて来ました。
 記事では「インフラの問題」で海兵隊のグアム移転が延期されるとなっていますが、
それを文字通り受け止める人はあまりいないのではないのでしょうか。
 そもそも、
「普天間基地を、より安全な場所に移して欲しい。海兵隊も減らして欲しい」
 との要望を出したのは、日本側なのです。その後、十年以上もの期間をかけ、日本政府、アメリカ政府、そして地元の了解を何とか取り付けた案を実行しようとして、日本政府が卓袱台をひっくり返してしまったわけですから、全てが反故になっても、ある意味当然です。



普天間移設で日米外相会談「8月に結論出さない」
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20091215-481540/news/20100723-OYT1T01076.htm
 岡田外相は23日、訪問先のハノイでクリントン米国務長官と会談し、沖縄の米軍普天間飛行場移設問題について、代替施設の工法や位置の検討を「8月末までに完了する」とした5月の日米共同声明に基づき、両政府の専門家協議を精力的に進めていくことを確認した。(中略)
 ただ、外相は会談後、記者団に、「8月末」の期限に関し、「専門家による協議で、政府としての結論を出すわけではない。結論は日米の2プラス2(外務、防衛担当閣僚)で出す。長官も認識しているはずだ」と強調。2プラス2の開催時期に関しても「特に決めていないと述べるにとどめた。(後略)』



「借りる時の地蔵顔、返す時の閻魔顔」と言いますが、まさしく民主党は選挙前と後では、平気で態度を翻してきます。さらに、その責任を誰一人、取ろうとしません
 こんな連中が政権を握っている以上、アメリカ政府も真面目に相手をする気はないでしょう。単に、
「あ、そ。辺野古移転の話は無しなのね。じゃあ、海兵隊移転も無しで」
 とやってくるのが、アメリカです。



 選挙対策以外には何もできない政権を誕生させてしまった結果、普天間基地が現状のまま固定されてしまう可能性は飛躍的に高まりました。この目で普天間の現状を見ている身としては、心底から残念でなりません。


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