「iPhone 4でiOS 6」、Safariの操作感は?
では、iPhone 4でiOS 6はどの程度"使える"のか。ここでは「Safari」の操作感や、そこで測定したベンチマークを指標として、iPhone 4SやiPhone 5と比較しつつ、これからも利用できるかどうか検証してみたい。なお、筆者のiPhone 4はMNPを行ったために「SIMなし」、第4世代iPod touchに近い状態であることをあらかじめ報告しておく。
最初に試したのは、標準装備のWebブラウザ「Safari」。基本的なアプリにしてもっとも利用頻度が高いアプリであり、上下にスクロールさせることが多いなど、描画速度や操作レスポンスの影響を受けやすいアプリだ。iOS 6ではOS X Mountain Lionと同じSafari 6ベースへと移行、パフォーマンスの向上も伝えられていた。
定番JavaScriptベンチマーク「Sun Spider」の結果は、表1のとおり。参考までに、iPhone 4/4SについてはiOS 5リリース直後の値を掲載している。これを見ると、全体のスコアが15~22%ほど改善されていることがわかる。単純な計算を繰り返すテスト項目(bitopsやmath)の改善幅の大きさからしても、JavaScriptエンジンの改良が奏功していることがうかがえる。
しかし、実際に重要なのは体感速度だ。各種指標が優れているに越したことはないが、体感速度が許容範囲内であれば、実用に耐えうると判断できる。
試しにマイナビニュースのトップページをリロードする速度を測定したところ(上り速度約25Mbpsの無線LAN)、iPhone 4は5.4秒、iPhone 4SとiPhone 5は同じ3.7秒。他のページについても同傾向で、確かにiPhone 4のほうが一息二息遅れて表示を終えた。ちなみに、OS X版Safari 6ではキャッシュ機構に変更があり、その成果がiOSにも持ち込まれているとすれば、CPUパワーおよびメモリへのアクセス速度がリロードの差に表れているのだろう。
ただ、いちど読み込みを終えてしまうと、体感速度にほとんど差は感じなかった。iPhone 4で画面を上下にフリックしても、反応が鈍いと感じるようなことはあまりなく、操作性に影響することもなかった。強いて言えば、iPhone 5のほうが画面が縦長で、そのぶん下部にバナーが表示されるサイトは読みやすく思えたが、Webアプリの操作感を除く実用上のはっきりとした差はその程度だ。……続きを読む
■表1:Sun Spider 0.9.1の結果
iPhone 4 | iPhone 4S | iPhone 5 | |||
iOS 5 | iOS 6 | iOS 5 | iOS 6 | iOS 6 | |
3d | 501.2 | 507.3 | 275.3 | 258.7 | 171.4 |
access | 426.3 | 261 | 276 | 156 | 73.9 |
bitops | 204.4 | 121.6 | 177.4 | 89.4 | 42.3 |
controlflow | 25.6 | 29.1 | 19.5 | 19 | 10 |
crypto | 222.3 | 233.5 | 161.6 | 157.3 | 87.1 |
date | 542.5 | 487.2 | 327.8 | 274.2 | 135.3 |
math | 412.1 | 294.3 | 222.6 | 129.7 | 80.1 |
regexp | 113.8 | 130.7 | 91.8 | 97.8 | 53.7 |
string | 1127.9 | 943.5 | 697.7 | 564.9 | 294.9 |
total | 3576.1 | 3008.2 | 2249.7 | 1747 | 948.7 |