10月28日に考える自由と民主主義
1886(明治19)年10月28日、ニューヨークの自由の女神像が、アメリカ合衆国の独立100周年を記念して、独立運動を支援したフランスの法学者エドゥアール・ド・ラブライエがモニュメントの寄贈を提案し、フランス人の募金によって贈呈され、除幕式が行われた。1874(明治7)年、ラブライエからフレデリク・バルトルディに設計が依頼され、エッフェル塔の設計で知られるギュスターブ・エッフェルも参加した。1884(明治17)年に、パリで仮組みが完成し、214個に分解して、フランス海軍軍用輸送船イゼール号でアメリカに運ばれた。自由の女神像は、アメリカ合衆国の自由と民主主義の象徴である。マルクスは、「偉大な民主共和国の思想がはじめて生まれた土地、そこから最初の人権宣言が発せられ、18世紀のヨーロッパ革命に最初の衝撃があたえられたほかならぬその土地」と、アメリカを呼んだ。大英帝国の植民地支配からの解放を求め、革命によって独立をかちとったアメリカ合衆国の建国の精神は、女神が右手でたいまつを空高く掲げ、足元には引きちぎられた鎖と足かせがあり、これを女神が踏みつけていることで象徴されている。女神像は、すべての弾圧、抑圧からの解放と、人類はみな、自由で平等であることを呼びかけており、女神の王冠にある7つの突起が意味する7つの大陸と7つの海に自由が広がるという意味は、崇高なものである。この自由の女神像が、10月28日、誕生から125周年を迎え、老朽化を受けて、1年間の大規模な改修工事に入るようだ。アメリカ合衆国が、この自由の女神像に恥じない行動をしてもらいたいと思うわけだが、所詮、それを帝国主義者に求めることは当面は無理な話であろう。