株式会社三橋貴明事務所  講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから」

三橋貴明のツイッター  はこちら

三橋貴明後援会ホームページの「三橋通信 」で、三橋の日々の活動内容をご紹介しています。(最新アップデート3月9日

人気ブログランキングに参加しています。
新世紀のビッグブラザーへ blog
人気ブログランキングへ
--------------

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【マスコミが報じないTPP問題をとことん検証する】
東谷暁先生と中野剛志先生と三橋貴明の3名によるトークセッション 開催決定!

日時:4月9日(土) 場所:東京渋谷
詳しくは、こちらを。
http://mitsuhashi-takaaki.jp/wordpress/?p=5107

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


三橋貴明の新刊、続々登場!
三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba   三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba   三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba


日経ビジネスオンライン連載第六回

日本こじ開け戦略」とここまで一致 FTA/EPAで十分なはず、アメリカの思惑はどこに?」  掲載されました!


 IMFといえば、緊縮財政の本家本元ですが、これには理由があります。IMFは「国際通貨基金」であり、外貨決済の問題を処理するのがお仕事です。


 例えば、韓国のケースで言えば、同国が問題になったのは「外貨建ての民間銀行の対外負債」でした。要は、韓国の銀行が外国(日本など)から借りた外貨建て負債の返済不可能に陥り、ウォン暴落、IMFとなったわけです。 
 そういう意味では、アイスランドも全く同じです。アイルランドも同じといえば同じですが、政府がユーロを調達して国内銀行を支援し、債務者が「国内銀行⇒アイルランド政府⇒アイルランド国民」と移ってしまい、現時点で問題になっているのは「アイルランド国家」の債務問題になります。まあ、そういう意味ではアイスランドや韓国も、最終的には「国家の債務問題」になるわけですが。


 いずれにせよ、IMFは上記のような破綻国家に介入し、主権を侵してでも「外貨を返済させる」のがお仕事です。そのためには、国内財政をキリキリと切り詰め、金利を高めに誘導し、増税やら公共投資削減やらの緊縮財政で、国民から搾り取った自国通貨を「通貨高」の状況で外貨に換えるのが手っ取り早いわけです。(そのため、金利を高くする) そういう意味で、IMFが「外貨建て負債」のデフォルト(もしくはデフォルト寸前)に陥った国に乗り込み、構造調整計画の下で財政を絞り込んでいく理由はよく分かります。


 ところが、このIMFが、政府負債が100%自国通貨建ての日本の財政に口を出し、「中期的には消費税を上げるしかない」などとのたまっていたわけです。なぜでしょう。


 率直に言うと、普通のIMF官僚は、日本の財政など全く心配していませんし、興味もないでしょう。何しろ、自国通貨建て負債ですから、IMFの管轄外なのです。


 ところが、このIMF(や世界銀行)に日本の財務官僚が出向しており、彼らが日本の財政に「IMFとして」口を出してくるのです。産経新聞の古森氏によると、ワシントンにはその名も「ファイナンス会」という、世銀やIMFへ出向している財務官僚の集まりがあるそうでございます。


 普通の(日本の財務官僚ではない)IMF官僚が日本をどう見ているかといえば、こんな感じです。


ファイル:東日本大震災 IMF「日本は財政出動を」
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110326ddm008040120000c.html
 国際通貨基金(IMF)のプラダン対日代表団長とカン日本担当課長は24日、記者団の取材に応じ、東日本大震災後の急激な円高・ドル安に対抗するため、先進7カ国(G7)が為替市場に協調介入したことについて「適切な行動だった」と評価した。また、震災復興のため「大胆な財政出動で、経済を下支えする」ことを日本政府に求めた。
 IMFはこれまで、財政再建を急ぐよう日本政府に繰り返し求めてきたが、プラダン氏らは「成長率が下がれば財政はさらに悪化する」として、震災からの復興を最優先課題にすべきだと訴えた。』


「IMFはこれまで、財政再建を急ぐよう日本政府に繰り返し求めてきたが」
 ↑
 これ、IMFではなく、IMFに出向している財務官僚でしょう。何でそもそも、IMFが自国通貨建ての日本政府の負債に興味を持つのですか。


 ブラダン氏が言う「成長率が下がれば財政はさらに悪化する」ですが、これはもう、本ブログで100回以上(多分)取り上げて来たテーマです。実際に、財政を問題視して財政健全化に走った結果、デフレが悪化し、成長率が低迷し、税収が減り、財政が悪化するということは嫌になるほどデータを基に証明してきました。


 韓国、アイスランド、アイルランド、ギリシャなどは、外貨建ての対外負債の問題で破綻しました。この種の国が緊縮財政を強行し、金利を吊り上げ、外貨を稼ぎ出そうとするIMF式構造調整計画も、やはり成長率を低迷させます。しかし、外貨建て対外負債が問題になっている国は、他に対処のしようがあまりないのです。(後は、通貨安で経常収支が黒字化することを期待するくらい)


 しかし、日本の財政は上記の国々とは全く違う上に、そもそも問題ではありません。何が哀しくて、自国通貨建て負債が積み上がっている国が、「外貨建て対外負債」が問題になった国々と同じソリューション(解決策)を採らねばならないのですか?


 さて、ついに「財政破綻原理主義」の皆様の愛する「権威」であるIMF様までもが、日本は財政出動し、復興し、成長せよと提言してきましたよ。わたくしは権威には全く興味がない(あるのはデータのみ)ですが、
「IMFが言うには~」
 とか、やたら権威に「すがって」財政破綻論を唱え続けていた自称知識人の皆様、果たしてどうされるのでしょうか?


 分岐点ですよ、分岐点。


自民党:谷垣総裁、増税論を軌道修正
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110327k0000m010043000c.html
 自民党の谷垣禎一総裁は26日、テレビ東京の番組に出演し、東日本大震災の被災地の復興財源について「最初に出すのが増税というのは早い」と述べた。谷垣氏は13日、菅直人首相との会談で「復興支援税制」創設を提案したが、党内外から批判されたため軌道修正した。ただ、「公共事業、建設国債、特例公債(赤字国債)を全部考えても足りないので、何らかの国民負担をお願いする局面が出てくる」と増税の必要性は否定しなかった。』


 別に、谷垣総裁を庇いたいわけではないですが、
「何らかの国民負担をお願いする局面が出てくる」
 は正論だと思いますよ。

 何しろ、子ども手当てを復興に振り向ければ、お子さんを持つ家庭の負担になりますし、日銀が国債を買い取ってインフレ率が上昇すれば、「インフレ税」という形で国民全体が復興資金を負担することになります。さらに、インフレが加速するようであれば、そのときはわたくしにしても増税に賛成するつもりです。
 問題は、局面局面で正しいソリューションも違い、さらに「正しい国民負担」も違うという話です。


 ところが、上記のような「局面の話」をマスコミは完全に無視し、「谷垣総裁 増税の必要性を否定せず!」などのセンセーショナルな見出しを掲げて記事を書こうとするため、問題の本質がすり替わってしまうのです。


 結局のところ、日本が復興や成長を成し遂げるためには、国民一人一人が上記のようなことを理解し、適切な政策、あるいは政治家を支持していくしかないのだと思うわけです。 


新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ


【三橋の新刊、続々登場!】
三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba   三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba 三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba 三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba


◇本ブログへのリンクは↓以下のバナーをご利用ください。

新世紀のビッグブラザーへ blog

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba
◇ポルパパのブログ
投資と車と日々の起業家日記
管理人:ポルパパさん

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba
◇おじさんの談話室
経済通のおじさんと、女子高生真理ちゃんが織り成す、経済を解りやすく掘り下げた基礎講座!


日本経済復活の会
三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

積極財政による日本経済復活を目指して活動をしているボランティアグループです。


Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」
連載中
「三橋貴明の<ウラ読み>経済レポート」 
本メルマガではセミナー、勉強会のご案内など、メルマガならではの情報発信をしていきます!

 
新世紀のビッグブラザーへ ホームページはこちらです。
 新世紀のビッグブラザーへblog一覧はこちらです。



「IMFガーッ!ショウヒゼイゾウゼーーっ!」などと言っていた連中はどうするのだろうか?と思われた方は、↓このリンクをクリックを!