円暴落、財政破綻を本気で信じているのは日本のマスコミだけ

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【チャンネルAJER】最新動画が掲載されました。

日本経済復興と成長に向けて　その３　前編

http://www.youtube.com/watch?v=2hQDqrpCqqA

日本経済復興と成長に向けて　その３　後編

http://www.youtube.com/watch?v=yBfRahGDiFk

　ＰＨＰ研究所から出版された「韓国人がタブーにする韓国経済の真実」http://www.amazon.co.jp/dp/4569796613/ 　が増刷になりました！　

　読まれた方はご納得いただけると思いますが、「面白い！」ではなく、「面白い（笑）」な本に仕上がったと自信を持っております。
　本日は、対談相手の室谷先生と打ち上げです。その数時間後に、テレビ朝日に行くことになりますので、お酒はほとんど飲めないのですが。

　というわけで、本日深夜、テレビ朝日の「朝まで生テレビ」に出演します。

http://www.tv-asahi.co.jp/asanama/
『司会：田原総一朗　　進行：渡辺宜嗣・長野智子（テレビ朝日アナウンサー）
　パネリスト：渡辺周（民主党・衆議院議員）、松原仁（民主党・衆議院議員）、茂木敏充（自民党・衆議院議員）、山本一太（自民党・参議院議員）、斉藤鉄夫（公明党・衆議院議員）、下地幹郎（国民新党・衆議院議員）、猪瀬直樹（作家、東京都副知事）、上杉隆（ジャーナリスト）、小沢遼子（評論家）、古賀茂明（経産省大臣官房付）、長谷川幸洋（東京・中日新聞論説副主幹）、三橋貴明（作家、経済評論家』

　また、本日、２１：００から放映される「チャンネル桜　田母神塾」に出演しております。

http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1543

　最近、件のＴ様から頻繁に電話がかかってきて、経済関連の数字について色々と聞かれます。
「日本の輸出依存度は１０％強とのことですが、これは高度成長期と比べ、内需拡大したことで『下がった』のですか？」
　などなど、鋭い質問を頂戴いたします。（正解は、高度成長期から１０％前後で、日本の輸出依存度のピークは小泉政権後期から安倍政権期。無論、アメリカ不動産バブルの影響、です）
　わたくしの場合、全てを「数字ベース」で回答するので、面白いみたいです。本当に勉強熱心な方でございます。

　週刊ポストのＮｅｗｓポストセブンで、「おおっ！」と思うタイトルの記事を見つけて、読んでみたら・・・・・、自分がSAPIOに書いた寄稿でした　orz

『円暴落、財政破綻を本気で信じているのは日本のマスコミだけ
http://www.news-postseven.com/archives/20110622_23436.html
　震災直後の通貨、株、国債のトリプル安は杞憂に終わったが、いまだ復興に必要な巨額の財政負担による国債暴落、日本経済衰退論が唱えられている。しかし、冷静に判断している外国人投資家はむしろ株を買い続けていると経済評論家の三橋貴明氏は指摘する。
　＊　＊　＊
　震災前、日本は国内の供給能力（潜在GDP）と需要（現実のGDP）との乖離の拡大、すなわちデフレギャップの巨大化に悩まされていた。国内の需要に対し、供給能力が強すぎ、物価が下落し（＝デフレ）、有り余る供給が海外の需要に振り向けられ、経常収支の黒字が延々と続いていたわけだ。
　　経常収支の黒字とは、対外純資産の増加である。日銀の資金循環統計（速報値）によると、2010年末時点で日本の対外資産は574.8兆円、それに対し対外負債は330.5兆円、差額の対外純資産が244.3兆円となっている。これはダントツの「世界一」である。すなわち、日本は現時点において「世界最大のお金持ち国家」というわけである。
　また、経常収支の黒字とは国内の「過剰貯蓄」をも意味している。国内の貯蓄に対し、投資額が少なすぎるため、銀行などの金融機関が「運用先のないお金（過剰貯蓄）」で溢れている。結果的に、日本国債の金利はこれまた「世界最低」を続けており、大震災に見舞われようとも国債金利上昇は全く発生しなかった。
　過剰貯蓄ゆえに政府の資金調達に難儀が生じることは考えられず、供給能力が有り余っているがゆえに物価の上昇も見込めず、実質金利（＝名目金利－期待インフレ率）がインフレの国々と比べて高くなり、通貨高が続いているわけだ。外国の投資家は、大震災に直面したとしても、日本の供給能力が国内需要を満たせなくなるなどとは微塵も考えず、震災後にむしろ「円を買う」という投資行動を採り、日本円の為替レートは戦後最高値を更新した。
　また、株式についても、外国人投資家は震災後でさえ「日本買い」を進めていった。東京証券取引所が5月26日に発表した投資家別売買動向によると、外国人投資家は昨年の11月、すなわちアメリカの量的緩和策発表以降、何と29週も連続で日本株の買い越しを続けていたのだ。震災後の日本の株価暴落は、外国人の「日本売り」ではなく、国内投資家の投げ売りに起因していることが分かる。（後略）』

　結構、びっくりしたのが、上記のSAPIOの寄稿を書いた後に、小学館の編集さんと話したのですが、
「三橋さんの寄稿の原稿を見るまで、『日本が世界一の金持ち国家』であることを知りませんでした」
　と言われたことです。

　何と言いますか、上記のような基本的な情報を国民に「あまり」発信せず、政府の負債に「国の借金！」などという間違ったフレーズをつけて騒ぎ立てる財務省やマスコミは、本当に罪深いと思います。（注：マスコミは一応、一年に一度くらいは「日本の対外純資産世界一」の記事を流します。もちろん、その意味を正しく説明することはありません）

　何と言いますか、本ブログの方はともかく、一般の方々には「政府の負債」「国家の負債」「国家の純資産」「民間の純資産」などについて、グシャグシャに理解されている方が本当に多いです。

【日本国家のバランスシート　２０１０年末（速報値）　単位：兆円】

出典：日本銀行「資金循環統計」

　
　そういう時は、まずは「一番大きな数字」を見ることに致しましょう（これは企業の財務分析も同様です）。
　政府の負債１０００兆円を、
「日本は国の借金で破綻する～っ！」
　などと煽っていますが、正しい日本「国家」の負債（対外負債）は、上記記事にもあるように３３０．５兆円です。但し、日本「国家」は５７４．８兆円の対外資産を保有しているため、対外純資産は２４４．３兆円と「世界最大」です。

　ちなみに、対外純資産とは上記「日本国家のバランスシート」の借方に計上された資産総額から、貸方の負債総額を引いた純資産と「同一のもの」になります。数字が微妙に違うじゃないかと言われるかもしれませんが、上記グラフの純資産は四捨五入の関係で、数字が少し大きくなってしまっているのです。

「日本国内の全ての金融資産－全ての金融負債＝純資産＝対外純資産＝対外資産－対外負債」
　になるわけです。

　さらに、政府の負債（いわゆる「国の借金」）１０００兆円でギャアギャア言っていますが、そんなこといったら「金融機関の負債」は２７６８兆円、「非金融法人企業の負債」は１１７０兆円にも達しているわけです。政府の負債より多いんですよ、問題にならないのですか～？？？　てなもんです。

　対外純資産国（しかも世界一）である日本の場合、「負債」は民間と政府の間を行ったり来たりするだけです。インフレ経済のときは、民間の負債が増え、デフレ経済のときは、政府の負債が増えるだけの話なのです。
　この辺りの話は、７月（多分）に発売になる木下栄蔵先生との対談本（彩図社）で、分かりやすく解説しておりますので、ご期待下さい。

　さて、本日深夜は「朝まで生テレビ」出演です。それまで、やることが山ほどあるのですが。

とりあえず「朝生頑張れ」と応援して下さる方は、