Q&AサイトのOKWaveに、こんな相談が載っていました。質問者のnozomisatoさんは、就職活動中の男性。ある中小企業に面接に行きましたが「明らかに怪しい雰囲気」だったので、内定を辞退したのだそうです。

その会社は、ホームページを開設していませんでした。大手がブラック会社かどうかは、ネット掲示板の情報を参考にできますが、小さい会社だと目安がありません。そこで「ホームページなし=ブラック会社の確率が高い」という目安で就職先を探してよいものか、尋ねてみることにしました。

やる気さえあれば、お金をかけずにできるのに

この相談には、いきなり強烈な反論がありました。

「そういう就職活動してたり、そんなことばかりほざいてるお前みたいのを、ブラック人材っていうこと自覚できてるか?」(obama111obamaさん)

もしかすると、ホームページを持たない経営者かもしれません。質問者さんの考えを偏見と感じ、頭に来たのでしょう。ただし就活生の間では、このような疑問は以前からよく上がっているのは事実です。

求人誌で興味を持ってネット検索したときに、何の情報もヒットしないと不安になります。「原則的に(ホームページの)ない会社には応募しない方がいい。今時ない会社なんて信じられん」というネットの書き込みも見られます。

無料のブログサービスを使っていても、中身がきちんとしていれば信頼できるし、就職活動の参考になるという意見もあります。つまり、会社にやる気さえあれば、さほどお金をかけずにできるはずなのです。

就職先選びに欠かせない情報を積極的に公開していないということは、人を採用する気がないのか、それとも何かやましいことがあるのか…。しかしyosifuji20さんは、「そんな単純な公式」で会社を分類すると、本当によい就職先を見逃すとたしなめています。

「中小企業でも、(扱う商品が)消費財でないとか、特定の取引先だけで十分経営が成り立っているとかでホームページなど不要の会社が結構あります」

「ホームページがあるからホワイト」とは限らない

いわゆる「BtoB」の会社は、取引先の新規開拓などのねらいがなければ、進んで内情を明かしたいとは思わない可能性があります。求人情報をハローワークで公開しているので、ホームページの必要性を感じていない会社もあるでしょう。

それに、ホームページは一度作ったら定期的に更新しなければならず、お金はかからなくても手間はかかります。「クリックしたら亡くなった前社長のあいさつが出てきた」なんて会社では「ホームページがある」と言っても逆効果です。

また、「ホームページを作っているからブラック企業ではない」という見方も危険です。noname#159384さんは、ホームページを開設しているブラック会社もあると指摘しています。

「私が勤めているところもそうです。ホームページがあるからといって、内情を正しく載せているところなど皆無です」

結局、会社側にはできるだけ正確で丁寧な情報提供を望みつつ、ホームページの有無や情報内容だけに振り回されないようにした方がよさそうです。