たまごまごごはん

たまごまごのたまごなひとことメモ

今が楽しい、これからも楽しい、そんな私たちの足跡「けいおん!!」第23話

けいおん!!」23話見たよー。
いやー、最高でしたね。

律の鍛えられたふくらはぎな!
左は唯。鍛えられてないふくらはぎ。これもいい。
いやあ、さすがドラマー、このきっちり整った筋肉においらメロメロです。
ふくらはぎのヒラメ筋だけじゃなくて、大腿四頭筋の発達による太ももの凹凸が非常に好みです。
整った筋肉の女の子好きな自分としては律のこの脚はい実にいい脚です。おそらくいいバスドラ鳴らしてくれるんでしょうな!
律のことだから、一人でこっそり体力づくりでマラソンとかしてて、誰にも言ってないとかそういう!
律の太ももにレモン挟んで絞ってもらいたいですね。
 
さてそれはともかく。
卒業前日風景だった23話。平常運行?いえ、むしろ成長を感じる回でした。

 

ではネタバレ有りなので収納。

ペロペロ(^ω^)
 
あなたはあずにゃんの何処をペロペロしたいの?ったー
誰だこんなの作ったの!!
ぽち。
あずにゃんfigmaをペロペロ」
………うん(現実を思い知った顔)
 
 

●ノープランな贅沢●

すごくいい記事に出会ったので先に紹介します。
『けいおん!!』第23話を見てHTTの「ノープラン」ぶりに嫉妬する。 - 天木黄吾の日記

HTTのメンバー、とりわけ唯にとっては記録の内容(過去)はさほど大事ではなく、記録する行為(現在)が面白くて楽しいからやってるだけなんでしょうね。

うわー、もう、本当にそのとおりだな!と大納得です。
自分もちょっとここ、突っ込んでみようと思います。
 
今回は卒業式の前日でした。
つまり最後の放課後。
まあ、厳密には「放課後」じゃないんですけどね。授業ないですし。
休みなんだけど、単にみんなで集まっているだけです。
 
実はこの時点で、唯と他のキャラの感覚が微妙に違っています。
律・ムギ・澪は「これが最後の放課後」というのを最初から意識してこの日に集まっているわけです。
しかし唯は「これが最後の放課後」というのを全く意識していないんですよね。
 
分かりやすいのはこのシーンでしょう。

律はものっすごい分かりやすいですよね。
確かに彼女、なーんにもプラン立てていないんですが、わざわざ全員を卒業の前の日に集合かけてるんですよね部長。
つかあえてプランを立てていないと思うんですが。最初から「ノープラン!」と言い切ってますし。
それでいてスティック持ってさ!
やる気満々じゃないの部長なにやってるの! 大好き!
後半こんなセリフありますしね。

唯「では部長のりっちゃん、あなたにとって放課後とは?」
律「そうだな……人生の無駄遣いかな

いいセリフじゃないかー。いや、笑うとこなんだけど。
人生の無駄遣いの価値を分かっている人のセリフですね。
最初の出だしで、何もしないで一日お茶して過ごす予定の(いや、予定すらない)唯は言います「なんか贅沢な気分ですなー」
これを踏まえてのセリフ。最高の贅沢を私たちはしてきたんだよ、と。
 
澪は特に自分の意見を言いません。
言わないことで逆に、肯定しているんですよね、この時間を。
今まで、特に一期を見直してみると、時間の無駄遣いを一番嫌っていたのは澪でした。
かつ、「こうでなければいけない」という価値観に左右されていたのも澪でした。
それがうまく軽音部を誘導していた大黒柱であったのも事実ですが、逆に澪の本当の気持ち、思いっきり遊びたい、思いっきり楽しいことしたい、という気持ちを押さえ込んでいたのもまた事実。
それが一期の学園祭、二期の修学旅行とはじけ飛んで、今は「この空間にいることが心地良い」という自分を受け入れるようになりました。キリキリした心のとげっぽさがなくなってものすごく丸くなった印象があります。
それでいて、やりたいことを「これやりたい」と言えるようになりましたしね。
だからこそ、ここで特に何も言わず、みんなと微笑む澪は「こうやって最後の放課後を過ごしたい」という意思表明をしています。
そしてこのセリフ。「今は授業中だぞ、放課後まで待とう」
澪も、演奏する気満々でした。
 
そしてムギ。
ちょっと泣きそうになったんですが。
律が「どっかあそびにいくかー?」と聞いたときに。
「ここにいようよ」
ああ……「ここにいようよ」。最高のセリフじゃないですか。みんなで一定の席ポジション、三年間変わらなかった席のポジションに座って、最後の放課後を過ごそう。実にムギらしい。

ちょっと分かりづらいんですが、これ梓が来て「じゃあ演奏をしよう」と目的が決まったあとの様子です。
時間がもう余り無いというのに、ムギはここでお茶をいれるんですよね。
この日、彼女たちは数えきれないくらいお茶を飲みました。
なぜか? ムギが意図的にお茶を入れ続けたからです。
なぜムギはそんなにお茶を入れたのか?
これが高校生としては最後の、放課後のティータイムだからです。
ムギは、分かってるんですよね。分かった上で、最後の最後まで完全に楽しもうという気持ち満載。

だからなのか。
普段は超高級ケーキなのに、今回は普通のプッキーというのがしみじみ来ますね。

二期4話修学旅行より。
そうだった、プッキーはいい意味の「普通」であるがゆえに、彼女にとっては「特別」なんだ。
 
3人はこれから来るであろう別れも、これから来る未来の面白いことも、両方理解した上で「今のこの瞬間を逃さないでおこう!」と考えている感じがします。
だからあえてノープラン。ノープランなのを楽しんでいる、と言ったほうがいいでしょうか。
 

●今を刻む唯、今を残す唯●

もーとにかく、「今」を楽しみ続けて前を考えない唯には、先程の記事同様嫉妬すらします。
うらやましいよ! 唯の「行き当たりばったり」がもたらす幸運の力!
「ポジティブ」とは違うんですよね。「今が楽しい」。
「何も考えていない」でもあってるんですが、それだとちょっと悪い意味合いが強い感じもするので、いい言葉ないかな……。
なんにせよ無心に今を楽しむ素晴らしさの肯定。これが唯というキャラの魅力だと思います。だから学園祭の舞台の上で、全員にほめられるんですよね。私たちを楽しませてくれているんだよ、と。
 
面白いのが今回の唯、掃除の時以外ずーっとマフラーしてるんですよね。

部室に突入のシーン。まあここは「寒かったからそのまま入ってきた」だと思います。
一通り掃除が終わってからの唯を見てみると。

わざわざ巻き直してます。
他の子はいつもどおりなので不思議だったんですが、これある意味唯は他の子とちょっと考え方が違うよという特別扱いだったのかもしれません。
梓も含めて「未来」を意識してこの時間を贅沢に過ごしているんですが、唯だけは本当に、本当の意味で「今」という石の上をぴょんぴょん飛んで渡っているんですよね。
だからこそ、唯が「ど、どうしよう」と困惑するシーンは自然でありつつ、視聴者の心も押さえてくれました。

ムギが「最後の放課後だもん」といったあとすごいパニックになるんですよね。
その後のムギのフォローに心震えました。

ここ。
「唯ちゃん落ち着いて」「唯ちゃん……」
ここですっと体を押さえることで唯の不安を取り除いたムギはすごいですよ。これが唯にとって一番効果的なのわかって、かつ唯の懸念している「これが最後」というのも理解した上での行動なんですよね。
ここのムギの演技も非常にいい。声の質が今までと全く違うんです。
一期で敬語を使っていたムギ。二期からはテンションもあがり、充実眉毛と共に「今」を楽しみまくっていたムギ。そして今は唯の体を受け止めるまでになっています。
「女の子同士っていいですわよねー」と言っていたムギちゃん、君もう、その輪の中にいるよ。
 
唯の「今」を刻む感覚はこのカットでは突然の未来への不安で震えますが、すぐに立ち直れるのが見事ですよね。
引きずらないんですよ。ならどうすればいいのかをまた瞬時に考える。これもみんなの支えあってですが。
同時に「今楽しかったこと」を残そうとするのが唯、というのは面白いところ。
それがカセットなんですが、その前にこれ。

律と授業中に回し合っていたメモを取り貯めていた唯。
まあ唯がだらしないだけ、というのもあるんですが、それだけじゃない気がするんですよね。唯にとっては「律とどうでもいい落書きの交換をしていた」という瞬間が楽しくて仕方なかったわけですよ。
中には重要なメモもあるのかもしれないですが(今日の練習の予定とか)、まー9割はこうでしょうね。

理想のパフェ。作、唯画伯。
ほんとどうでもいい。
じゃあこれをやっていた時間は無駄ですかといえば、はい、無駄です。
しかし「無駄」の意味付けによりますよね。役に立ったかどうかといえば「無駄」なんですよ。
でも「楽しかった」という意味では全く無駄じゃないんですよね。
だからこそ、「今楽しい」を大切にしたがっていたムギはそれを見てこう言いました。

「それ、みんな私ほしい!」

うううううう。
分かる!
だってさ、だってさ、これ欲しくない? 唯と律が落書きしあったどうでもいいイラスト、例えば視聴者プレゼントとかで欲しくない? ぼくはほしいよ!
だって、この「けいおん!」「けいおん!」という作品を見てきた、大好きだったかけらが少しでも欲しいんだもの!
それがたとえどんなものであっても、とっておきたいんだもの!
あ。
なるほど。無駄じゃないね。
ムギは「今」を掴んで生きてきた少女です。今を存分に楽しもう、今を思い切り味わおう。一期の頃はまだ保守的というか、後からおずおずと手を上げるタイプの子だったのが、今は真っ先に自分から挙手する子になりました。ある意味唯の姿勢を見習ってきたのかもしれません。
 

●ムギの姿勢●

さて、ムギの眉毛と共に語られてきた二期ですが、今回もムギの眉毛はバリバリ現役でした。

唯とプッキー早食べ勝負。
こんな画面の中でもくっきり目立つムギの眉毛さすがです。
いいですね、彼女は常に全力。常にやる気満々。それがムギさ。
彼女にしてみたら、何もかもが「楽しいこと」ばかり。常に「面白いこと」ばかり。
無論それは彼女がお嬢様であまり経験が無かったというのもあるんですが、自ら積極的に何もかもをフルに楽しもうとしていた、という姿勢が大きな要因です。

たとえばこれ。二期五話に出てきたゴールデンチョコパンです。
何がどうゴールデンかわからないけど、普段は3年生が優先的に買ってしまう、それどころか3年生の間ですら幻になっている競争率の高いパンです。
まあそもそも3年生4人は普段お弁当なので、パン買いに行かないからなおのこと見たことがないわけですが。
なによりこのムギの眉毛!
パンですよ。パン。幻とはいえ、どう考えてもムギの持ってくるお菓子の方がレア度高いわけですよ。

全員がうれしそうに食べる中「幸せー!」というムギ!
味はさ、普段ムギ食べてるものの方がおいしいわけじゃないですか。
違うんだよ、みんなとこうやってゴールデンチョコパンを食べる時間が最高に幸せなんだよ。
ちなみに、ムギは心の底から本気で「おいしい」と感じていると思います。理屈じゃなくて、心の中身の問題として。
 
ここもいいですね。

ムギが窓を拭くシーン。全員の顔が窓から見える風景に反射してとても素敵なことになっています。
ここで使われているアイテムも、以前の話と絡んでいるのが面白い。

二期二話「整頓!」より。
そういえばムギこの時大量に買ってましたもんね、便利グッズ。ここで使われるとは。
ここから澪のセリフが連鎖して、行き当たりばったりで部室の掃除を始めるというあたりの、本当に行き当たりばったりとしかいえないのにキラキラ輝く彼女たちの様子が眩しくて仕方ない。
二話の時はあんなにみんな掃除嫌がってたのにね。やっぱりこれは特別なんだよね。
 
ムギが「今」を最大限まで楽しもうとしているのはこのカットでもよく出ていましたね。

どうでもいい会話も録音しちゃおう!というムギの発想。
ああもう。
君は本当に、本当に、願っていたことを全部やってくれるな!
ムギが取る行動はいわば、視聴者の願いでもあります。
これは記録しておきたい、今ここで楽しんでおきたい、これは取っておきたい。
転機はおそらく、律と澪のささいな仲違いから、二年生の学園祭(一期の最終回)でしょうか。
そこから、一滴も漏らさずに捉えておこうとするムギの姿勢が、こちらの思いをうまく受け止めてくれます。
二期を完全に、余す所なく楽しめたのは、無論全員のおかげではあるけど、特にムギの占める役割は大きいと思うのです。
 

●私たちの記録●

 
 
放課後のチャイムがなった時の4人の顔。これ見て涙した人も多いんじゃないでしょうか。
何も語らないシーンなだけに、逆にね。またそれぞれが何を考えているか、表情だけで分かるのがいいですよね。
最後の放課後のチャイム。それを分かった上で楽しもうとしている3人。澪の顔は口が見えないのでちょっと気になります。
そしてあんまり分かっていない唯。このあとパニックになるわけですが、ムギのおかげですぐ落ち着いて、頭を切り替えて「録音しよう!」という発想になるのが、彼女たち流。

しかもこれ。
もーたまらんですよ。今のリアル高校生だったら、このタイプのモノラルラジカセ見たことすらないんじゃないでしょうか。相当な年代物ですよ。
どう考えたって綺麗な録音はできないんだけども、だけど、思いつきでとにかく出来ることはする、というこの彼女たちの「放課後」っぷりにしびれます。
その時に使われたカセットがこちら。

あれ? どこかでみたことがあるような……。

一期一話より。
そうつなげてきたか……。
ちなみに一期のアイキャッチは全部これです。二期は白カセット。
なるほど、ぼくらが見てきたのは彼女たちのなにげない記録。カセットテープに録音された、本当にそのままの記録なんだなあ。
だけど、飾らず編集せず、「そのまま」を放送にあわせてリアルタイムで見られるというのはこの上ない幸せ。
もちろんこの「けいおん!」シリーズは、自分たちの子供たちの世代が見ても楽しめる類の丁寧に作られた、普遍的な高校生の姿だと思いますが、今見られるというのはたまらない最高の楽しみですよ。
彼女は録音のボタンを押しました。成功も失敗も、全部、全部、全部
だから録音する曲も「全部」じゃなきゃだめなんだ!
 
とは言っても、繰り返しになりますが、高音質の録音ではありません。
録音のために準備してきたわけでもありません。
本当に思いつき。思いつかなかったらこのカセットすらありえなかったわけで。

だけどいいんだよ。
思いついたんだ。楽しいこと思いついたんだ。
楽しもう、楽しもうよ!
無駄かもしれないよ、でも無駄だろうとなんだろうと、今楽しいことには間違いないよ!
それを引き継いだのが梓でした。
録音をすると決めた後の顔は本当に最高でしたね。

彼女は「今を楽しもう」という3年生組の考え方とちょっと違います。「置いて行かれる」という視点に限りなく近い。淋しいに決まってるじゃん、言えないんだよそんなこと、まだ!
だけど、だからこそ、3年生は「思いつき」だったかもしれないけど、梓にとってこのカセットをつくろうという流れは感激ですよ。この顔、唯じゃなくても抱き締めたくなりますよ。
もちろん「記録」が全てとは言いません。一緒に過ごした時間は「記録があるかなしか」で変わるものではないからです。それは分かっていますけれども……でもうれしいよね、記録って。
梓にとって、そして3年生にとって、この音質的にはたいしたことのないカセットテープは、かけがえのない宝物になること間違い無しです。
それって大人になってから、分かるんですよね。
大人になった彼女たちが、例えばこのカセットを聞いて、ムギのくしゃみの音が入ったときに顔をあわせて笑うんだろうなと思ったら、……なんかちょっとうれしいじゃないですか。
 
カセットテープと正反対に、消えたのがこちら。ちょっと見てください。

ビフォア。

アフター。
さようならハンサムさん。
ちょっと「うっ」となるシーンなんですが、よくよく見てみるとこれ、「もうさようならだから真っ白」ではないんじゃないかなと感じるようになりました。
というのも、彼女たちにまったく悲壮感がないんですよね。
そもそも、記録に残したカセットテープも超行き当たりばったりなわけで、執着がほとんどないんですよ。
つまり、この瞬間においては「カセットに残しておくのが大事」なんじゃなくて「カセットに取るという今の行為が大事」なんです。
梓だけは視点が違うので、曲順にこだわったりして本格的につくろうとしますが、3年生チームはそこすらもこだわらない。ほんと「みんなで撮るのが目的」なんですよ。
 
だとしたら。
この真っ白いホワイトボードは「掃除をした」「きれいにした」という彼女たちの「今日過ごした時間」の記録、なんだと思います。逆転の考え方ですが、きれいなホワイトボードを悲しそうな顔で見る子、いないと思いますもの。
あえて意味を持たせるとしたら、リセット、でしょうか。
区切りはあるよ、卒業はするよ。
だけど、別に終わったわけじゃないから、次の「今」を楽しむよ!という意気込み。
梓は、このホワイトボードを見て泣いてもいい。
でもきっと3年生は泣かない。むしろこれが「楽しい」の証だと思うんだ。
真っ白な、私たちの記録。
 

●「さわちゃんはそこで見てて」●

印象的だったシーンを一つ。


録音がうまく行かない唯達にさわ子が「手伝おうか」と言いますが、それに対し唯は言います。

ううん、さわちゃんはそこで見てて

これが、ある意味彼女たちの「卒業」です。
さわ子にギリギリまで「荷物もって」とかわがまま言っていたのにね。
ここで自分たちで録音しようと決め、それは手伝いを受けずに自力で成し遂げたい。
それが、唯達の、さわ子からの卒業でした。
「卒業=終わり」じゃない、というのはもう何度も書いてきましたが、「けいおん!」シリーズはそこがしっかりおさえられているのが本当にいいな、と思うんです。
むしろ卒業は「これからさらに面白いことがあるよ!」というスタートライン。
唯達は今後もバンドは続けていくでしょう。けれどもむしろ、それだけじゃないんだよ。
なんせ中学校を卒業したときは「バンド」なんて想像すらしなかった唯が、今こんなに楽しい物を手に入れているんだよ!
もしかしたら、唯はいろんな資格とったりするかもしれません。きっとそれも「楽しい」でしょう。
バンドも続けて、新しいジャンルに挑戦したり、「ライブハウス!」の回みたいに新しいバンド仲間に出会うかもしれません。
世界はどんどん広がります。
ただ、高校生という枠から飛び出していってごらん!というのが卒業なんですよね。終わりじゃなくてほんと、始まり。
さわ子はそれを知っている大人側。先生になっている今も楽しいし、かつてデスデビルやっていたのも楽しい。全部楽しい。
彼女たちを見守るさわ子の目は、とても優しいです。
「楽しい!」は続くよ。鳴り止まないよ。
むしろここからだよ。見てるこっちもね。
 

●もう一つの青春●

今回絶対欠かせないのは、もう一つの、軽音部と関係の無い青春でした。

そう、和ちゃん。
彼女はあくまでも軽音部を、唯を見守る側の人間でした。
影で支え、励まし、ときにポカを救う。ぶっちゃけチート状態なくらい軽音部にとって有利な存在だった和ちゃん。
でも別にズルはしてないです。彼女のすごいところはズルなしでみんなに気配り出来るところ。
 
そんな彼女にも間違いなく、泣けるほど幸せな青春があったんです。
このシーンは生徒会の任を終え、生徒会長の席に一人座っている和ちゃんのシーン。

まあ、早速軽音部にぶち壊されるのもいつもどおり。
澪も和ちゃんと仲良くなったとは言え、すごいナチュラルに入ってくるので笑いました。まあ、和ちゃんがこういうのを嫌がらないと分かっているから、ですよね。

軽音部が録音をするきっかけになった、和ちゃんの写真。
お見合い写真みたいですよほんと。これは、これは……。

照れた。
新鮮だーーー!!!
というか「照れる和ちゃん」は初かもしれません。初……かな?(とりあえず確認して記憶にない
写真見られて恥ずかしいというのもありますが、普段見せなかった和ちゃんの中の「楽しい」が公になることの恥じらい、あるいは嬉しさなのかな、とも思いました。
 
和ちゃんの実際の仕事の様子はほとんど描かれませんでした。
それは決して光の当たるものではありません。しかしみんなにとって欠かせないものです。じゃあ和ちゃんは生徒会の仕事が苦痛だったのかというと、決してそんなことはない。
和ちゃんにとって、みんなを支え、生徒会を自治することは、青春だったんです。


つねに今をみて楽しんでいる唯。
それを見守り支えてきた親友の和。
唯は特に何も考えず、その場の思いつきでメガネを借りるために和を見ただけのシーンなんですが、この二人の目が合う瞬間、おそらく次回ではそれほど描かれないと思うので、今回本当に貴重な物を見たなあという感覚でした。
和にとって、唯はやっぱり特別な存在。振り回されることも多いけど、目の離せない大切な親友。唯にとっては和ちゃんは「常に側にいてくれる」大切な存在。「U&I」の歌詞に当てはまる一人だと思います。
そんな親友を、そして学校を支える側としての和ちゃん。

彼女は、生徒会長として高校生活を送って本当に幸せだったんだ。
生徒会室に差し込む光が、キラキラと眩しいです。
ほんと、青春、詰まりまくりだね。
 

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余談コーナー。
 
余談その1。

珍しくアイロンをかける唯!
これ唯が一つ成長したという描写であると同時に、憂がいい意味で姉離れをしているという描写でもあると思います。
依存する憂と唯ではなく、お互いを心から想い合いながら一人の人間として立っていく。
 
余談その2。
 
今回はそれほど梓側の心境に光はあたっていないのですが(唯と3人の思いに焦点を定めるため)、やっぱり不安定さが見え隠れする梓。
次回は泣いていい、泣いていいよあずにゃん! でももうちょっと我慢だ!

張り切ってインスト版とかもいれたカセットづくりを提案した梓はちょっと親近感わきました。ですよね、自分が梓側の立場だとしたら、もうちょっといい機器で、もうちょっといい曲順を組んで、もうちょっといい環境で……と考えますもの。ちょっと待って準備するから!家から録音機器持ってくるから!と。でもそうしないことが本当に「今」を楽しんでいるんだなあとジワジワ来ます。
大人になってからもそうだけど、「勢い」って大事よね。
 
余談その3。

三年越しに登場!部活申請書!
温存しすぎ。
ちなみに。
 
一期五話より。一年生の時ですね。
三年間入れっぱなしだったのか、律よ……。目指せ武道館の文字が懐かしい。
ここで面白いのは、座る席が三年間変わっていない、というところでしょうか。唯は律の机の中に紙があったので引っ張り出してきたわけですが、それがこの申請用紙。
特にルールなどなかったけれども、4人は同じ席に座っていたんだなあと思うと、なんかちょっといいですね。
 
余談その4。

梓と純のフラットライン頂戴しました!
にしても律と唯の漫才は変わらないですね。卒業したらさらに磨きがかかる方に100ガバス
面白いのはその後。

唯と律のわがままを聞いて梓がパンを買いに行くシーンで、澪とムギが三食サンドを頼むシーン。
純ちゃんが「憧れの澪先輩に!」とここで立候補するんですが、「澪先輩!!……とムギ先輩の分は」と、澪の分だけじゃなくてムギの分もちゃんと気遣って買いに行くんですよ。確かに同じものなのに澪のだけじゃ、不公平感強いですしね。にしてもほんとええ子じゃのう!純ちゃんは!
 
余談その5。

このカセットそのままCDにしてだして欲しい!と思ったのは自分だけじゃないはず。
ぐだぐだな調子で、「がちゃ」っという音や、ムギのくしゃみまで全部入っているとうれしい。最初のトーク部分も入っているとうれしい。
なんといっても「いちごパフェがとまらない」と「ハニースウィートティータイム」がラインナップに入ってますからね!
多分裏面には「U&I」や「ごはんはおかず」が入ってるんでしょうねえ。
ぜひCD化希望!
ですが、まあもしでなかったら「彼女たちの思い出だもんね」と諦めることにします。ダヨネ。
 

 

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「けいおん!」&「けいおん!!」関連感想まとめ

 

  

 

 

 

このストラップ、憂も含めて6種類出てるみたいですね。集めたいなあ。