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大手メディアには文脈が二つしかない

 主に新聞とテレビを念頭に置いて言うが、大手メディアには「事件報道」と「政治談義」の二つ以外に文脈と文体がない。日頃から感じていることなのだが、原稿を書いているうちにまた思い出したので、メモ代わりに書いておく。

 振興銀行の件でいうと、木村剛氏の刑事事件について報道が集中し、たとえば木村氏がどれくらい悪くて酷かったのか、という報じ方になる。預金カットを含む処理が決まると、テレビであれば、NHKの午後7時のニュースでも、「被害者」である大口預金者を捜してきて、この人が「どう感じているか」を伝えようとする。
 木村氏はまるで押尾学被告のように報じられるし、預金者は死亡した女性の友人のような感想を求められる。
 ちなみに、民放の情報バラエティなら、コメンテーターはプレゼンを聞くかVTRを見るかした後に、「まさか銀行が潰れるとは、ふつうの人は思いませんよね。ヒドイですね」等々何らかの「感想」を言えばそれでいい。事件の内容は与えられるもので、視聴者は感想を持てばよく、テレビはそのための伝達とムード作りをするサービス業だ。
 感情を込めて感想を表現するコメンテーターは、お茶の間の受けがいい(らしい)し、番組を作る側も反応が想定範囲で使いやすい(だろう)。「振興銀行の問題は、難しくて私には分からないので、コメントできません」と言う方が適切なコメンテーターがたくさんいるはずだが、そうはしない。何か「感想」を言って場をつなぐ(注1)。番組の文脈を一人で壊すわけにはいかない。

 同じく振興銀行の件では、同行の認可に関わった竹中平蔵氏の責任とか、小泉・竹中路線の是非、といった政治的な文脈での報道もある。
 また、ある番組で、9月15日に久しぶりに行われた日本の為替介入について「その前までは、民主党代表選で政治が不在の状況だったのです」と一番最初にコメントした解説者がいたのには、ちょっと驚いた。いくら何でも、それが一番重要なポイントではあるまい。
 何がテーマでも、それを政治的な文脈に置き換えるときには、多くのディテールが失われる。菅か小沢かというのは、少なくとも為替レートを語る上では最重要の視点ではない。
 また、結論として、政府が何をしなければならないかを持ってくる議論が多い。お上に不満を訴え、これこれを願う、という筋立ては、納まりが良いのだろう。
 しかし、政府の雇用対策も重要だが、どのみち対策は遅いだろうし効果が小さいだろう。それを待っているわけにも行かない現実がある。その場合に、失業者はどうしたらいいのか、ということの方を知りたい読者・視聴者も多いのではないか。政府はあてにならないし、あてにすると却って悪いことをしかねないのだとすれば、ダメな政府を前提として個人や会社が何をするかの議論がもっとあっていい。
 新聞社では政治に関係の深い人が偉くなる場合が多いせいか、あるいは、誰でも考えやすい文脈だからか、政治(家)の意図で原因を推測して、政府が何をすべきだ、という結論の文脈で記事が書かれることが多い。
 政治になど解決を期待していない問題や、今の政治家には無理な問題の場合にこれをやられると、見ていて(読んでいても)ひどくくたびれる。解決策の実現性もないから、問題への関心はかえって薄れてしまう(注2)。

 経済の問題を上記の二つの文脈だけで処理しようとすると、真に面白い部分が欠落したり、報道が奇妙に変更したりしやすくなる。
 振興銀行の問題なら、最も興味深く、且つ将来に向けて考える価値のあるテーマは、振興銀行のビジネス・モデルが、なぜ上手く行かなかったのかという点だろう。
 この場合、いい・悪いではなく、物事がどんな仕組みになっていたのかが大事だ。
 例えば、振興銀行は預金保険の信用力を利用して1000万円までの預金を約6000億円も集めることが出来た。これは、預金保険制度の性質(はっきり言って弱点)を巧妙に利用した、ビジネスとしては悪くない発想法だった。
 定期預金オンリーの預金受け入れには、大きなコスト削減効果もあった。しかし、決済口座を持たないことで取引先企業の状況把握が通常の銀行より劣るといった弱点もあった。
 そして、当初の看板であった中小企業向けのミドルリスクマネーの供給が融資残高の上でも捗らなかったのは、結局、中小企業向けの金融市場で振興銀行が競争力(審査の情報でも、融資先の開拓でも)を持っていなかったからだろう。
 こうした事が分かれば、もともとのビジネス・プランに問題があったことが分かる。
 また、中小企業融資が思ったように伸びない状況で振興銀行が打った手は、ノンバンク債権の買い取りへの傾斜だが、これが適切な手だったのかどうかということも興味深い(05年5月の取締役会で方針転換が決まった)。
 SFCGのような手強い相手と取引して儲けようというのは全く甘かったと見ることも出来るし、投資ファンドのような不良債権の買い取りだから、景気によっては儲かったかも知れず、崖っぷちの賭としては幾らか可能性のある妥当な戦略だったと見る人もいるだろう。ビジネスマンとしては、自分ならどうするかを考える価値もありそうだ。
 あるいは、リーマンショックとの関係はどうだったのか。振興銀行は、設立の趣意書の中で、中小企業融資のためには「不良債権を持たない新しい銀行」が適していると述べているのだが、潰れたのは、不良債権を持つ既存の銀行ではなくて、振興銀行の方だった。最善を尽くしたが、不況が原因で潰れたという整理は違うだろう。一方、好景気が数年続けば、何とかなった可能性はある。ダメなビジネスが必ず潰れるとも限らない。
 識者・経験者もいたはずの取締役会がなぜ機能しなかったのかということも、木村氏のワンマン経営で木村氏が悪かったというところで思考停止せずに、役員のインセンティブまで踏み込むと、「作家である現社長や現職の国会議員を含む責任免除契約を結んだ社外取締役が、人事権、報酬決定権、1億円以上の融資実行にかかる決定権限をもつという『いびつ』な組織」(「週刊 金融財政事情」9月20日号、p14、「新銀行設立には大義があった」と題する設立メンバーの寄稿記事より)といった事実が分かる。なるほど、責任免除契約などという、いい加減なものがあったのか。これでは、適切なガバナンスなど働きようがない。
 或いは、視点を変えて、木村氏は創業時になぜあのようなメンバーと組んだのか(後に直ぐに仲間割れした)、とか、なぜあそこまで焦ったのか、とか、彼個人の財産保全についていつから何をしているか、といったことも興味深い。これらが分かると、別のことももっとよく分かるようになるはずだ。
 振興銀行のケースには、まだまだ興味深いテーマがあるが、「木村氏が悪い」と決めつけるにしても、あるいは「検察の無理筋捜査だ」と考えようとするにしても、立場を先決めすると、事実を見落としがちになるし、物事の仕組みが分からない。
 敢えていえば、善悪を棚上げして、一つのケースを巡るもろもろの仕組みの解明を楽しむような視点が、経済報道には必要だ。「善悪」や「誰かの影響」、さらには「政府はどうすべきだ」という安易な結論を、いわば括弧に入れて、全体を多角的に眺め回すことが重要だろう。

 経済以外にも大手メディアの二つの文脈だけでは語ることができない問題がたくさんあるだろう。


(注1)他人の事ばかりも言えない。私も事実関係のよく分からない事件について、「事実はこれから分かることでしょうが」とか「報道の通りだとすれば」とか前置きしてではあっても、その時点の報道を前提に「感想」を言うことがある。
 番組は概ね警察・検察が与えた情報に沿って作られるから、警察・検察が間違えた場合(それはあり得る)、私のコメントが、間違いの側に加担した印象操作への協力になる可能性は十分ある。
 たとえば厚労省の村木局長のようなケースで、報道の初期にテレビ番組でコメントを求められたとすると、事実について断定せずに、官僚批判の一般論でも言えば無難だが、印象という点については、「村木氏が悪い」という印象作りにすっかり協力する結果になっただろう。

(注2)ここでも反省しておこう。私も、凡そ実現しないだろうと思いながらも、政策がこうあるべきだという文脈で原稿を書くことがよくある。何といっても、それが楽だからだ。経済の話では、「政府」を暗黙の主語にするのが一番ありふれた文脈であり、内容的にも、たいていの話題について参照できる賛成論・反対論が多々ある。
 失業でも為替レートでも、時には当事者の立場に立って考え(当事者の立場で「ただ感じる」のではなく「考える」が大事だが)、時には敢えて皮肉屋の傍観者の立場に立ち、時には理屈だけで考えて、といった具合に、「政府がどうだから何がが起こっていて・・・、政府はこうするべきだ!」という文脈を離れて語る方が、物事がよく分かることがあるはずだ。ただ、既存の文脈・文体に慣れきった読者が「不真面目だ」と怒るリスクはある。
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コメント
 
 
 
誤植? (miwako)
2010-09-19 14:09:28
あのう、ちょっとよろしいでしょうか?
「『新銀行設立には大儀があった』」

「大儀」は、
「大義」ではありませんか?
 
 
 
ご指摘ありがとうございます。 (山崎元)
2010-09-19 14:36:30
miwakoさま

ご指摘ありがとうございます!訂正します。
 
 
 
報道が画一的になる理由 (田舎のおばちゃん)
2010-09-19 16:45:07
新聞もテレビも、発行部数や視聴率を上げるのが至上命題ですから、大多数の人間に受け入れられやすい内容を報道するのは必然だと思います。
自分の考え(正しくは感情)と相容れない内容の報道をするメディアを購入・視聴しようとする人は少数派ですから。

経営陣や政治を叩く報道をするのも必然です。
大多数の人間は(私も含めて)、社会システムの不備に対して、その根本的な原因を見出す能力はなく、なにか問題が起きた場合、その責任を負う「人物」を目に見える形で求めて責めるのです。

最も反発される可能性の少ないスケープゴートは、経営陣と内閣でしょう。特に刑法に触れることをしていた場合は、完全に「良いエサ」でしょう。

私の書いている内容も、まさしく「一般論」ですが。
 
 
 
王女メデイァなんちゃって (tomtomclub)
2010-09-19 19:54:00
 テレビは基本的にひまな年寄りの娯楽なので、勧善懲悪か政治放談になるのは必然ですかね。頭の中が時代劇の世界でできてるからなあ。でもNHKの視点・論点はいい番組ですよ。あと「きょうの世界」も特派員の分析がときどき面白いです。
 でも新聞が政治漫談ではいかんですよね。政治の話は自我の拡大(スケールの大きな話には自分をえらいひとと錯覚させるセラピー効果がある)につながり、事情通の新聞記者にはとても魅力的なのでしょうが、クールな分析がないとみんなが池上さんの本を買うはめになるではないですか。論説委員の署名記事はだいたい散文的な政治ネタでオチがついてますよね。政治部の人が一番偉くなるのかな。

 社外取締役の責任免除契約!新商法を活用した新手のテクに驚きました!うーん、むかしは名前だけ貸してくれとお願いして、自分はトンズラ、お人よしの名だけの取締役が債権者に追い込みかけられる、ちゅうやり方がありましたが。責任免除のことは会社謄本に記載しなくてもいいんですかね。定款記載でOkなんですかね。調べてみんと。
 
 なんにせよ、なんでも政治のせいにしてはいかんですよね。
 しかし暇にあかせてまめにコメントしてると、深夜放送のはがき職人みたいですね。山崎さんはさしずめラジオのパーソナリティか?


 
 
 

 
 
 
「誰」より「仕組み」! (山崎元)
2010-09-20 00:01:44
田舎のおばちゃん様

こんばんは。

>なにか問題が起きた場合、その責任を負う「人物」を目に見える形で求めて責めるのです。

そう。その通りです。

本当は、直接関わる相手でなければ、誰がどうだったかよりも、どんな仕組みで何が起こったかの方が興味深いし役に立つ話なのですが、「事件報道バイアス」があると、そういう報道になりませんね。
 
 
 
諸々を順不同で (小倉摯門)
2010-09-20 14:53:08
山崎元さん
長文、ご容赦下さい。

【主に新聞とテレビを念頭に置いて】大手メディアを論じると苛立ちが募るし腹が立つので避けますが、本当は避けてはいけない国家の大問題ですね。偏向報道?は別にしても、報道の広さ深さ長さが、FTやEconomistやWSJなどと比べると「月とスッポン」。取り敢えず原口さんが「遣る!」といっていたクロスメディア禁止が、切磋琢磨を強いることなど突破口の一つだと期待したのですが、あんなことになっちゃって‥(笑)、残るは「政策の継続性」ですか。細く弱く儚いなあ(笑)。

諸々を順不同で:
【大手メディアには「事件報道」と「政治談義」の二つ以外に文脈と文体がない。】
真に! この二つの文脈を採る理由は「それが簡便だから」だという仮説を持っています、頭脳は要らないと。例えば警察や検察など他の誰かが言ったことを垂れ流せば紙面は埋まる、頭脳は要らない。「任される政治へ」と書き始めるが、最後には「政治よ!しっかりしろ!」調で「任す政治」で終わって仕舞う。多少の頭脳働きがあれば足りる。元々の頭脳は悪くはない(筈)のに、頭脳働きが悪くなったのは周囲の環境のせいでしょうね、官僚達と同じ図式。
逆に言えば、経済を論じるには複雑な理屈が必要だし多様な現場を知らないと頓珍漢になるし書き難いこと甚だしいと。一夜漬けで仕入れようと思っても、肝心の経済学は現実離れしていて現場を知らないものばかり(勿論、例外はある)の百家争鳴の状態、右往左往している。昔の名学説も時代の流れの中で風化が否めない。これだ!と採用したら、「第三の道」だったり「第六次産業」などだったりする。此れらは精緻に言えば間違いではないが、王道ではないし大局的に正しい道ではない。其れらの道を入っては間違えると目標地点には行き着かないし、最善でも時間が掛かる。今の逼塞状態では最も重要な「遠い遠い先に観える小さな明かり」が燈らない又は観えない。折角、其れなりの出来になっている経済成長戦略があっても、経済界との関係がぎくしゃくしていては推進力が覚束ないし「明かり」が燈らない。…論点がどんどん逸れて行く、元へ!(笑)

【彼(木村剛さん)個人の財産保全についていつから何をしているか、といったことも興味深い。】
そうですね。検察も興味を持っているでしょうから、一般の興味以上の事柄になるでしょうね。彼が、居住地?を日本から海外特にTaxHeven地域に移すとガッカリ(矢っ張り?)ですね。今の流行りはSingapore。報道されるかどうかは解りませんが、移しているなら異動の事実を誰かが知るには時間は掛からないでしょう。

結語【全体を多角的に眺め回すことが重要だろう。】
同感です! 私の表現では、「ZoomOutして観る」「広く深く長い(時間軸)視野で観る」「複眼で観て複雑回路で考える」ということですね。それと、視座を、個別最適ではなく、部分最適ではなく、全体最適に置くことも重要だと。此れらは、一朝一夕には身に付かない。

【(注1)他人の事ばかりも言えない。】
ご苦労の程、お察しします。この苦労が、私がBlogを持たない理由の一つ、AmongMany(笑)。無責任に聞こえることを承知で(笑)、そうではなくて「山崎さんにはご活躍を期待しています!」
 
 
 
Unknown (よし)
2010-09-20 15:15:49
社外取締役の責任免除契約は、大和銀行ニューヨーク支店の巨額損失事件を契機にできたもので、株主からの追求を一定限度に留める趣旨だと理解しています。(登記簿でもよく見ます)
ただ、振興銀行の場合は社外取締役の権限がかなり大きそうですね
 
 
 
「誰」より「仕組み」! (小倉摯門)
2010-09-20 15:28:08
山崎元さん
連投かつ横から、御免なさい。

この【「誰」より「仕組み」! 】は十年以上前に読んだ下記の本で知りました。私は密かな大名著だと思っていて、未だに時々手に取って観ます。出版元が一寸偏っているせいもある?(笑)
視点を、眼先の問題や眼先の責任追及ではなく、真因の追及と再発防止に向けると、【「誰」より「仕組み」! 】になると思っている。
逆も真?、【「誰」より「仕組み」! 】から発想しないと、真因に行き着かず再発防止が疎かになる、現実がそうなっている(勿論、例外はある)。



皆様へ
余計なお世話ですが、今見たらアマゾンで未だ手に入るようですよ(笑)。

-----記-----
著者:ブライアン・L・ジョイナー(Brian L. Joiner)
書名:第4世代の品質管理
発行所:㈱日本科技連出版社
 
 
 
Unknown (学生さん)
2010-09-20 16:38:38
>「振興銀行の問題は、難しくて私には分からないので、コメントできません」と言う方が適切なコメンテーターがたくさんいるはずだが、そうはしない。

そうですね。芸能コメンテーターのだとか人が、経済とかにコメントしているのを見ると、痛々しくなります。
世間一般はこう考えているんですよ、という文脈だとわかるんですが。

そんな事を続けていたら、10年後は誰もテレビなんか見なくなると思うんですけどねぇ。。
ネットで自分の理解度にあった情報源をいくらでも見つけられるんですから。。


新規融資を適切に行えるような仕組みを作らないといけないんでしょうね。それこそ経済成長率に直結するんでしょうし。
 
 
 
あああの事件から、、、 (tomtomclub)
2010-09-20 16:44:49
 よしさん
 あの事件からなのですね。日本の銀行のドメスティックさと銀行役員たちの保身ぶりが印象に残る事件でしたが、なるほどねー。此処のコメント欄は勉強になります。
 
 
 
video kill the radiostar (tomtomclub)
2010-09-20 18:47:20
 少し違う視点なんですが、メディアが物事を単純化ないし恣意的に編集しがちなのは、メディアの主たる媒体が映像化していることとリンクしている面があるのではないでしょうか。つまり活字媒体も含めて、映像化のもつ悪しき単純化に染まっているのではないか。
 私がメディアのバイアスについて注意するようになったのは、エイゼンシュタインのモンタージュ論にふれてからです。言語による物語を視覚化するときには対象の集中・シンボル化が付いて回ります。言語のもつ多様な解釈を捨てて、対象を単純化、擬人化するように演出・編集する、映画という映像メディアを手にしたときから、物語の白痴化・単純化ははじまったのではないでしょうか。具体的に言うと本来豊潤な物語(ジャングル・ブックとかピノキオとか)でもディズニー映画になると醜く単純化されますが、映像が単純化したほうが一般に認知されて、原作のもつ多様性は黙殺される。
 また、物語の映像化は同時に特定のイデオロギーへの安易な転用・プロパガンダにもつながりがちです。
 映画が生まれてもう100年以上、脳みそは自然と言語より映像よりになっているでしょう。


 これは蛇足ですが、小倉さんの言われるように、外国のメディアに比べ、日本の新聞の文章は面白くないですよね、シニカルさとユーモアがない。私の不自由な英語力では(たぶん大橋巨泉レベルより下)読むのが大変ですが、それでもネットで見るとときどき爆笑しますもん。見出しも上手いですよね。向こうの記者のほうが給料安いだろうに。
 
 
 
 
 
結局はそういう新聞を買いTVを見る国民です (かくせいⅢ)
2010-09-20 21:58:02
このエントリーで店主の書かれた振興銀行に関する視点は、私は最も期待する所です。

マスコミの軽薄、浅薄、風見鶏は、ご指摘の通りですが、根本は日本人の思考性癖から生まれていると思います。もし、ニュース・ワイドショーで詰まらないコメントをした時に、視聴者からクレームがくればTV局も対応している訳で、差別的な言葉を言ったとか、兎に角「情」にもとる事を言ったコメンテーターは、酷い時は降ろされています。

しかし、振興銀行関連で言えば、木村氏が逮捕された限りは、悪く言うことは「免罪符」を得ているので安全で、逆に木村氏を擁護することは、身の危険を冒すことになります。

しかし、重要なことは、店主の言われるとおり、善悪の前の事実の確認と、振興銀行で言えば倒産に至る原因の究明であります。しかし、不思議なのですが、日本人は真の原因の究明に全く関心がなく、原因究明の前に、犯人をまず特定してしまいます。それから、犯人の余罪をあげつらい、悪い奴であると自分を納得させます。

だから、あれだけの被害を蒙った大東亜戦争についても、何が原因だったのかは、定説になるようなこともなく、軍部と軍人達(東条英機ら)に責任を蔽い被せて、近隣諸国に謝罪している私は善人そのものという問題処理を続けている間に65年も経過して、真面目に考える若い人などいなくなっているような気がします。

現在の格差問題も、小泉・竹中の責任にして、あの中谷厳氏でさえトンズラするのですから、野卑な人達が多すぎます。

今回の民主党の代表選を観察していても同じです。日本経済が焼け野原になっても、また誰かを悪者にして、問題処理は完了させ、次なる井戸端会議の話題を見つけて、情緒だけの話を繰り返すのでしょう。どうもそれが、日本だなと思える歳になったのかも知れません。
 
 
 
同様のケース (hiro)
2010-09-21 01:37:02
いつもブログ拝見しております。

誰々(たいていは立場の強い誰か)が何にもしてない、とか判断をあやまっているという結論に結びつける論法は、一般世間でもよくみかけます。会社では、上層部が何々だからうちの会社は…。支店では、本社の政策がよくないから…。といえばだいたいみんなそうだそうだ、となります。
何かしら不満があること自体を表明することを否定はしませんが、そういうときはだいたいそう批判するには情報が足りないか、結論ありきのロジックに思考停止しているケースが多いように思ます。
そして往々にして、批判される側も相手に同じような不満をブー垂れている(笑)

本当に問題を解決したいなら(同じことを繰り返したくないなら)、おっしゃるとおりひとつひとつの事柄のメカニズムを解明してレッスンを得たり解決策を提案するべきだと思いますが、、。
そんなケーススタディはたのしいとおもいますけどね。なかなかやろうとしない。


日本人は、海外と比較するとそういう社会を科学すること関心が薄いのかもしれません。そういう国民の関心の影響をうけるのがメディアとすれば、2つの文脈しかないのは自然に感じると同時に不幸に思いますが、もしそういった影響から独立性が保たれ、あるいは何らかの提案を独立的に述べることを期待されていたり、自任しているのなら、メディアは深刻な機能不全に陥っていると思います。
もっと事柄(あえて問題でなく事柄とかきます。)を深堀して、視聴者に議論のきっかけとなるコンテンツを提供することを期待したいです。

(メディアについてあまり詳しくない中で書かせていただいています。一般的な解釈と異なる部分があれば指摘ください。)
 
 
 
社外取締役制度はマクロ的監視にのみ有効だ (小倉摯門)
2010-09-21 11:37:31
メディアの文脈論とは無縁ですが、山崎元さんが此処に振興銀行の社外取締役に言及されているので、日頃感じ考えている社外取締役制度について書く。

会社法が規定している社外取締役制度(以下、「此の制度」)の主機能は、他社他業界での高い見識と豊富な経験を取り込んで、取締役会による会社経営の舵取りが間違った方向へ行かないように「経営を監視する機能」とされている。方々、個別企業に依り例えば会社経営の効率性のための助言機能などが適宜付加されている。
要は、会社経営の大きな枠組みなどのマクロを監視し助言する機能である。即ち、会社の事業現場が関係するミクロには直接的な経験も知見もないことが想定されており、個別案件の判断機能や決裁機能を付加することは、私は「適切ではない」に留まらず「為されるべきではない」と考えている。月に1-2回の取締役会に出席するだけで事業現場のレポートラインから外れて現場との日常的な意見交換の機会が断たれている以上、社外取締役ご本人の資質能力の如何を問わず、的確妥当な判断が下せる訳がないと。此の制度がマクロの経営監視を期待しミクロの機能を想定していないのは、制度として正しいと。その業務上の制約に応じて、負うべき責任にも制約を加え給与も他の取締役より低く抑えることも正しいと。

扨て、其処で振興銀行のケースでは、山崎元さんご紹介の「週刊 金融財政事情」に依れば、【社外取締役が、人事権、報酬決定権、1億円以上の融資実行にかかる決定権限を】持ったらしい。同【『いびつ』な組織】は然ることながら、私の認識から言えば、その現場事案の権限付与は「明らかに間違いだった」。某社外取締役の言として「或る巨額の案件で、情報秘匿が行われ判断がミスリードされた」という主張をしている由。自己防衛目的なのかどうか解らないが、現場に居場所のない決裁権限者は容易に陥る事態である。制度の穴には、何日かは誰かが嵌る、意図的に誘導されれば其れは容易に発生するものだ。

更に、机上の勝手な推測を進めれば・・、
1.この「間違いだ」という認識は、あの木村剛さんには「あった」と考えるべきだろう。
2.然らば、何故その間違いを強行採用したのか? 木村剛さんには、巨額案件の判断を銀行社内だけで専一的に任せられる人物がいなかった又は少なかったのではなかろうか。木村剛さんが強権を振るったという理由の一端も、AmongOthers、此処にあったのではないか。当局検査忌避事件が実行されたのも此処に理由の一端があるのではないか。
3.私は木村剛さんはメディアでしか知らないし援護する立場にも一切ないが、この脈絡で考えると「不運な経営者だった」という結論になる、失敗や間違いの責任を縮減するものでは決してないが。
4.他方で、振興銀行の名誉のために言い添えれば、事件当初私が予想した「公金着服や横領、不正な融資誘導などの不祥事件」が一切伝えられていない、私が知らないだけなのか報道されないからなのか解らないが。
これを事実として「ない」とすれば、或る意味で立派な組織であったといえる、取締役や執行役の上層部は経営判断は違えたが、行内の規律維持には的確に動いていた、一般行員達も真面目にその規律ルールを順守したと。屡々横並びで論じられる新銀行東京とは、此処で一線を画している。


最後に蛇足:社外取締役制度はアメリカの会社制度を輸入したもの。アメリカの諸制度は、アメリカ人の特質(狩猟民族性、強欲?)を前提にしている。其れらは元々アメリカ流の「屋上屋を重ねる」嫌いがある。その制度をそのまま日本人の特質に植え付けると、一層「屋上屋」が際立つと予て感じている。
 
 
 
Unknown (平成生まれ)
2010-09-21 12:55:53
>「振興銀行の問題は、難しくて私には分からない
ので、コメントできません」と言う方が適切なコメンテーターがたくさんいるはずだが、そうはしない。
何か「感想」を言って場をつなぐ

仕事においても、日常においても、
あるいは専門分野であろうとなかろうと、
分からないことは「分かりません」と、
少なくとも「現時点では分かりません」と、
言える勇気を持ちたいものです。
(もっとも、私には分からないことだらけですが)

内田樹氏の著書(『街角のメディア論』等々)を
読んで、その意を強くしました。
http://blog.tatsuru.com/

 
 
 
【ガジェット通信】寄稿のお願い (永吉)
2010-09-21 15:42:18
はじめまして、ガジェット通信編集部の永吉と申します。

私どもは、『ガジェット通信』というウェブ媒体を運営しております。
http://getnews.jp/

こちらのブログ記事を、興味深く読ませていただきました。
この記事を、『ガジェット通信』に寄稿という形で掲載させていただきたいのですが
いかがでしょうか。

掲載の際には、表記統一などのために、若干の修正をさせていただく場合がございます。
また、元記事へのリンクも貼らせていただきます。

ご検討いただき、下記アドレスへお返事をいただけましたら幸いです。

post2009<アットマーク>getnews.jp

以上です、コメント欄から失礼いたしました。
どうぞよろしくお願いいたします。
-----------
ガジェット通信編集部
永吉
 
 
 
新聞もやるときはやる!? (ぎんえもん)
2010-09-21 21:36:01
今回の主任検事の特ダネ(朝日?)は見事でしたね。

普段の的外れな記事にうんざりしてましたが、久々の大金星という感じです。
マスメディア批判も強いですが、民主党選の動向も適格だったことだし、そろそろ見直しの声があってもいいのじゃないでしょうか。
なかなか正義と悪の見極めも難しいですし、経済関係も複雑になってます。
複雑なことをわかりやすく報道することは大変だなと思います。
会社は誰のものかということが一時期話題になりましたが、テレビ局(特に民放)はステークホルダーが多過ぎます。
スポンサーには当然顔を向けなくちゃいけないし、視聴者(視聴率)も大問題、監督官庁である総務省にも首根っこを押さえられてる上に予算など社内の力関係もあります。
そういう状況でいかに問題の核心をつく番組をつくれるか。
一つは双方向性を取り入れるしかないでしょう。
有識者より2ちゃんねらーの方が問題の本質がわかっている時代ですからね。


 
 
 
上に強くて、下に弱かった、木村剛さん (山崎元)
2010-09-21 21:46:27
小倉摯門さま

こんばんは。

せいぜい年に数回会う程度の付き合いでしたが、木村剛さんは、自分の仕事を任せられるような「右腕」ないし「番頭さん」を持っていなかったように思います。

転職回数の多い私が言うのも何ですが、木村さんの会社の社員は頻繁にメンバーが入れ替わっていました。何年にもわたってずっと木村さんの回りにいたのは、秘書の女性だけだったように思います。

木村さんは、人間関係的には年齢が上の人との関係を良好に結ぶのが得意でして。小泉さん、福井さん、竹中さんといった人達以外にも、「木村君のためなら一肌脱ごう」という二周りくらい上の年長有力者が多数近くに集まっていました。あれは、彼の才能を伴った能力の一つだったと思います。

しかし、若い部下の定着はあまりよろしくなかったようですし、彼を補佐するチームは脆弱だったと思います。経営者としては、極めて危ない姿です。自分が細かいことまで決めて、独裁が強まり、部下は萎縮してますます育たないといった悪循環に嵌りかねません。もちろん、一人で何でも出来るわけではないので、事業が大きくなると失敗が起こりやすくなります。

当初、彼のような趣味の人であれば、自分の周囲をピカピカに優秀な人材で固めたいのか、と思っていましたが、そういう努力はしなかったのか、あるいは、努力はしたけれども人が離れたのか。

年上にもの凄く強かった分、同年代から下の年齢の人との人間関係が下手に見えました。
 
 
 
人間分析にリーダーシップを重ね合わせると (小倉摯門)
2010-09-22 08:46:48
山崎元さん2010-09-21 21:46:27  
ご反応、有り難うございました。

成程、非常に興味深いご指摘ですね。此れ(複雑さ)だから人間は面白いし人間分析は難しい。

其の脈絡で話がぽ~んと飛びますが、この人間分析にリーダーシップを重ね合わせると一層難しくて一層興味深くなる、特に今巷間で騒然としている「小沢流リーダーシップか、菅流か(順不同です(笑)」を重ね合わせると。
(以下、「流」とは個人の性癖を含みますが、主には寧ろ判断評価や行動の様式を指す。)
小沢流は、相違点は膨大で一見そうは観えないが、どちらかと言えば「木村剛流に通じている」のかも知れませんね。
対する菅流は木村剛流と通じる処はないように観える。
前者は、盲目的にまたは打算から付き従う者はいるが、孤高のトップ。その手法は自制はするが強引に成り易くなるし、受ける評価は好悪がはっきりする。
後者は、孤高には耐えられないがチームを組むとその真中に据られるトップ、然し周囲には特には傑出した点や秀でた点が見付からないので疑問と不安が拭えない。
上層と下層が際立って分離している欧米社会と異なり、日本社会は「上層と下層が相応に平準化されている(例:嘗ての一億総中流)」(※注)ので、日本ではどちらかと言えば後者のチーム制が適しているのかなあと思い始めています。「今だから」かも知れませんが(笑)。
将来の我らがリーダーには、もう少し【疑問と不安】を拭って欲しいが(笑)。


   (※注)最近は上下差が出ているとはいえ未だ平準化の範囲にあるし、その平準自体は日本人の農耕民族性を考えれば非常に馴染み易いし善いことだと思っています。然し、現在の日本が抱える問題の深刻さは、平準しているその「絶対的レベル」が全体として下がって仕舞って同時に伝統的な日本(人)の善さ(端的には「謙虚さHumble」)が薄れて仕舞っていることだという仮説を持っています。全体の給与レベルや生活レベルが下がっているのは其の結果だと。自由気儘が抑制が効かず過剰である、学ばなくなった(机に向かうものだけではない)、発する言葉は膨大だが心がない深みがない嘘が入り込んでいる。
この日本の問題の真因は複雑で多様であり、勿論「恒産なければ恒心なし」だけではないが、取り敢えず、中間層の再構築が最も解り易い。(因みにオバマ大統領は就任早々から此れに手を付けている、その後の情報がないのが気掛かりだが)。
其れには、数世代の長期を必要とする恒心の前に恒産の復活が手っ取り早い、その為の経済成長戦略、その為の産業構造の転換、その為の世代交代を伴った「善き政界再編」・・・政治の話になって仕舞ったので、此処で筆を置きます(笑)。
 
 
 
人間関係論的に (学生さん)
2010-09-22 19:41:21
>せいぜい年に数回会う程度の付き合いでしたが、木村剛さんは、自分の仕事を任せられるような「右腕」ないし「番頭さん」を持っていなかったように思います。

店主さん以外の方にも伺いたいのですが、
人間関係論的な物に興味があるのですが、
「右腕」や「番頭さん」が居る人と、
居ない人の違い、って何だと思われますか?

部下を育てる一般論として、
「信じて任せるけれど、
大きくは失敗しないように肝心部分は
きっちり見ておく」
みたいな事は、良く耳にするし、
そうだな、と思うのですが、
誰しも、そんな事は理解しているはずで、
例えば、それが出来る人と出来ない人
(or出来ているつもりで出来ていない人)
の違いはなんなんだろう、って思うんですが。
 
 
 
本当に学生さん?程度の事さえ (小倉摯門)
2010-09-22 20:51:18
学生さんさん2010-09-22 19:41:21

(山崎元さんからの質問に先立って、勝手に代わって質問をすると)
こういう大上段に振り被った「的を得た質問」に、時間ロスなく的確に応えるには・・:
巷間に多数出回っている「HowToもの」に書いてあることがご所望ですか?
そうではなく(多分此れでしょうね)、もっと実践的で中身のあるヤツがご所望なら、学生さんさんのBackGround情報を若干でも混ぜてくれると有り難い。
ビジネス経験とは言わないまでも、例えばご興味の在り処?
今は本当に学生さん?程度の事さえ解らない。
 
 
 
藤沢武夫さんとか (学生さん)
2010-09-22 23:11:21
>例えばご興味の在り処?

著書だとかも読んだ事がありませんし、
良くわかりませんが、
藤沢武夫さんみたいな人が居る方もいらっしゃれば、
そうでない方もいらっしゃって、
※藤沢武夫さんは、かなり対等な関係の右腕だと思いますが。
その違いはどこから来るんだろうか、という意味合いですね。

ドラッカーみたいに、
読んでみると、確かに一度は読んだ方が良いのかな、
みたいな物でマイナーな物が
その分野にあるのでしたら、
知りたいと思いますし、
※「孤独なボウリング」みたいなイメージです。
なんとなくの印象でも、傾向論でも、
あるのであれば伺いたいなと。

自分が、右腕になるにはどうすれば良いか、
右腕を作るにはどうすれば良いか、
を考える上で、参考にしたいなと。
 
 
 
番組の改編が必要な話 (タロ)
2010-09-22 23:29:59
山崎さんの仰ることは良く分かるのですが、実際にそれを行う段になると番組の改変が必要になると思います。

NHK夜7時のニュースを例に挙げていましたが、あの番組は山崎さんの仰ることを「狙って削ぎ落した」面があります。
「30分で本日の多方面かつ重要もしくは話題となるニュースを分かりやすく提供する」にほぼ徹していて、インタビューや解説も取って付けた程度にしかありません。
もともと同ニュース番組内の特集コーナーが出発点だった「クローズアップ現代」は、そうした不足全て引き受ける形で独立させたものでした(そうしたからこそ、あの形が成立したと言える)。
それでも視聴率ではニュース7に劣るわけですから、ニーズ自体は小さくなってしまう。

結局、より視聴率を気にする民放としては、さらに「文脈」を単純にするしかないということなのでしょう。
これは海外でも似たようなものです。

それでも、新聞の中ほどを見れば分かるように、「振り込み詐欺に遭わないために」とか個人としてどうすべきかと視点を絞った解説がないわけではありません(日経新聞でも日曜辺りの特集記事は読み応えがあるものもあります)。
クロ現の国谷氏も度々そうした観点から解説員や識者に質問する場面がありますから、程度の問題だということもできます。

ただ、そうした解説なり分析を本格的に行おうとすると、「それなりの尺」が必要になることも実際問題としてありますね。
クロ現の30分ですら若干消化不良の観があります。

最近の円高問題一つとっても、「円高の何が問題なのか?」「自然(相場)に任せて何が悪いのか?」「1ドルいくらになれば円高が問題でなくなるのか?」「介入の長期的効果はあるのか?」「個人としては、どのようにすれば円高のリスクを避けることが出来るのか?」等々、30秒で思いつく視点だけでもいくつもあり、これら一つ一つでも日経新聞の「経済教室一回分」の尺が必要にになるでしょう。

かくせいⅢさんが触れたように、先の大戦の責任問題のような「その人達にとって触れにくい話題」というのもありますね。
それでも、読売は10回くらい?に分けて検証特集を組んだだけ評価には値すると思いますが、それ以上の盛り上がりになることはありませんでした。
米国ではネイティブアメリカンや枢軸国に対する虐殺に対して目を瞑りますし、欧州などもナチスそのものを話題に出すことをタブー視しています(ナチスだけが悪いという結論に持っていけないのは誰でも分かっているからで、話題に出る時はナチスは大抵は絶対的な悪としてですね)。

これらを見るにつけ、物事の本質に迫りたいという人間は少数派なのでしょう。
カエサルも「見たいモノしか見ようとしない人間ほど恐ろしいものはない」というようなことを言っていますが、あの時点での知識階層である元老院議員のほとんどが「視野狭窄」だといっているようなもので、彼の片腕のラビエヌスですら理解できなかったのですから、物事を正面から見つめるというのは非常に難しいものなのだと思います。

それこそ、私なりの表現になりますが「国会中継のゴールデンタイム放映実現」というような民度にならないとそのような需要も増えないのかも知れませんね。
 
 
 
テレビじゃなくって (学生さん)
2010-09-23 00:16:25
若干、話違ってしまうんですが、
僕は民放のニュース番組って見てないんです。
日経CNBCと、「きょうの世界」をたまに見るくらいです。

理由は、時間の無駄だと思うからです。
政治なら朝生の方が見ていて面白いし、
民放の経済ニュースとCNBCだと、
比較するのが失礼なレベルだと思いますし。

個別に興味があれば、本を読んだり、
いくつかblogを見させてもらう。
それで十分じゃないかな、と思うんです。
興味ある海外ニュースなら、テレビでなく英語ソースを読むべきだと思いますし。

どういうように報道されていて、
そういう報道しか見ていない人は、
どう思ってるのかな、
みたいな意味合いでは見る価値あるのかもしれませんけど。
※政党の支持され具合とか

今は、どの情報はどこが詳しいか、
みたいなのが分かりにくいですが、
十年・二十年すれば、
経済だとblogA・blogBがわかりやすい、
みたいになって、
映像とか編集とか取材とか、
テレビにしか出来ない事はあると思うんですが、
「詳細な部分」って、
テレビじゃなくって、他で担う形になるのかな、
って思うんですが。
 
 
 
ご質問にお答えします (山崎元)
2010-09-23 15:33:05
学生さん 様

ご来店ありがとうございます。
「学生」の質問に答えるのは私の仕事の一つなので、難問ではあっても、ご質問を放置するわけにも行きません。

1)「右腕」を持てる経営者

傾向を一言で言えば、「こじれたコンプレックスが無くて愛嬌のある人物」ではないでしょうか。

社長がこじれたコンプレックスを持っていると、どうしても部下への接し方に意地悪な圧力が生まれます。これは人を遠ざけます。社長が自他共に認める有能な人だったりするとなおさらでしょう。

コンプレックスの内容は人によって様々です。容姿・身体的特徴、生まれ、モテなかった過去、それに受験が厳しかった世代だと学歴などが原因になります。

少々難しいのは、社長として常に危機感とともに目標を下げることなく掲げ続けてハードワークに耐えるような人は、一種の「埋めがたい欠落感」を持っていることが多く、これが並はずれた頑張りの継続の原動力になっている場合が多いことです。

コンプレックスがあるのは仕方がありません。問題は、これが自分の行動にどう現れているかを自覚することでしょう。

私は、残念ながらというか、幸いというか、大きな会社の経営をしたことがありませんので、どうしたらいいかをアドバイスすることは出来ません。社長業に詳しい先輩(で思い込みの激しくない人)に訊いてみて下さい。

私は、個人的には「①威張らず、②ひがまず、③誰にでも対等且つ丁寧に」という方針を対人関係の基本的努力目標としていますが(フリーなら、きっとこれで良いのだろうと思います)、仮に私が社長であった場合に、いい番頭さんを持つことが出来るのかどうかは分かりません。

2)テレビの将来

動画と音と両方があるメディアの情報伝達力は圧倒的です。表現としてのテレビ自体がなくなることは無いように思います。

現在の問題は、テレビ局・テレビビジネスのビジネス・モデルが多数の視聴者をまとめて相手にするのでなければ成立しない形になっていることでしょう。視聴率を取りにいくためには、数的なボリュームゾーンを狙わなければなりませんが、そうなると、平均から少し離れて知的な人にとっては、(たぶん)サッパリ面白くない番組が出来てしまいます。普段情報番組をあまり見ないので、よく分かりませんが、多くの番組がそうなっているのではないでしょうか。

ただ、動画+音声の伝達のチャネルが増えて、映像制作がローコストになると、もっと多様な「番組」が出来るようになるのではないでしょうか。ブログの筆者が、文章だけでなく、簡単な番組を作ることが出来るようになるかも知れません。

学生さんが情報を採るのに、インターネットを「能動的に使う」のは正解だと思いますが、同時に多様化した段階でのテレビの価値については、私は割合希望を持っています。
 
 
 
雑駁な議論ですが・・ (小倉摯門)
2010-09-23 19:39:42
矢っ張り、山崎元さんに先を越されて仕舞いましたねえ、「仕事」と「そうではない」使命感の差ですね。其れにしても、山崎元さんの使命感には目を見張るものがありますね、敬意を表します。


学生さん  
山崎元さん程には整頓された答えではありませんが、以下私なりの反応します。

1.「藤沢武夫」さんを挙げられたので、その脈絡で実例から話を起こすと・・・:
ホンダの本田さん/藤沢さん、ソニーの井深さん/盛田さん、パナソニックの松下さん/井植(歳)さん、トヨタの豊田(喜一郎)さん/神谷(正太郎)など、日本の昔の有名なNo1とNo2(こうなると「番頭さん」ではなくなる)の関係を観ると、一般的には、No1は経営最高実権者かつ技術系の事業推進力、No2は経営提案権者かつ販売知恵者と括ることが出来るように思います。其処には、No1から観ると「初めに尊敬ありき」ではなくて、より現実的に「この分野はあいつには適わんわい」という諦め(割り切り)があって「深い肝の部分でお互いの尊敬」に繋がり、「善きNo1が出来、善きNo2が出来て、事業発展に成功した」と理解できると思っています。この「諦め、割り切り」をする胆力が、山崎元さんご指摘の「コンプレックスと上手く付き合わせる力」になったのでしょう。
外部から表現すれば、このような綺麗事になりますが、当時のご両人にしてみれば「こいつめ!」と腹が煮え繰り返る事態が連続するドロドロしたものであったことも間違いがない。また、この「尊敬」は、双方が燃えるような事業欲と自分への巨大な誇りを夫々に備えていたからこそ生まれるもの、ドロドロが生じる理由もそれを乗り越える理由も共に其処に有ったのだと。現在に一般的な「淡白な人間関係」には存在し難い関係かもしれない。

2.21世紀の現在の日本では、R&DやMarketing/Salesなども科学的(例えば、暗黙知から形式知へ)になってBusinessForce人材の全体的レベルが上がったので、No1はNo3以下の人材を使って多方面多岐の分野を管掌できるようになった。No1が仕切るには困難な例外的分野が、MBAを代表例とする高度で科学的なBusinessAdministration(管理)ではないか(私の仮説です)。これは単に管理の手法や知恵の出し手だけではなく、経営スピードを要求される現代では、No1は暴走を含めて事業推進に突進する力を必須とする(アクセル役)と、特にGovernanceやComplianceが強調される時代(此れが正しいか否かは全く別の問題)には、このアクセルに対してBusinessルートの知恵を出し制御してブレーキ役も厭わないNo2の存在が重要になる。アクセルとブレーキが相互に作用し合って、最短距離を進み経営スピードと「RiskManagementと事業継続性」の両方を兼ね備えるのが「現代経営でのNo1とNo2」だと雑駁に思っています。この世界でも特にNo1の胆力は厳しく求められるでしょうが、「一寸理想的」に過ぎるというのが現実かも知れませんね。嘗てホXXモンは管理責任者を売った如く。

3.科学化が世界で最も進んだアメリカでは、経営専門家が出現して大企業のCEO職を渡り歩いている。彼らの殆ど全てがMBA資格を持っており、アクセル役とブレーキ役を担っている。明確なNo2は不在、極めて優秀で多くの
No3以下を使いこなして、自らだけが?数百億円の年俸を受け取っている(または過去にはいた)。

以上、雑駁な駄文ですが切りがないので此れでお仕舞い。参考になれば幸いです。
此れからの洋々たる人生、「頑張るを楽しん!」で下さい。


蛇足:時代感覚として、上記の1段階は「感と経験と度胸(嘗てKKKと称した)」、第3段階は「高度に発展した科学」の時代、第2段階は「その中間段階」と捉えると、面白いかもしれない。私はこのZoomOutした観方を一寸大切にしている。

 
 
 
番頭さんを「持とうとしなかった」可能性は... (田舎のおばちゃん)
2010-09-24 12:56:22
素人の、しかも年を食った者の質問なので、お答えいただけないかも知れませんが。

木村氏に番頭さんがいなかったのはなぜか、というのが話題のようですが。
「持てなかった」のではなく「あえて持とうとしなかった」可能性はないのでしょうか。

持とうとしない理由は、思いついただけでも3つほどあるのですが。

1.木村氏が、自分の考えに反対意見を述べる人を許容できない性格だった。
  番頭さんは、社長室で罵り合いをするのも仕事のうちですから。これは木村氏を直接ご存知の山崎様が判断できそうですね。

2.行内の事情に精通する人物が他にいると、まずい事情があった。
  これはこの上何も言うことは要らないでしょう。

3.そもそも、番頭さんをもつ立場になかった。
  木村氏が行内で「本当の実権」を握っていなかった場合。金主を中心に、設立当初から周囲にいろいろな方がおられたようですから。
  以前どなたかのコメントにあったと思いますが(文面は異なりますが主旨として)、自分の精通分野でない限り、その道のプロに託す部分が出るが、えてしてそのプロは詐欺師だったりする、と。
  この場合、木村氏が、その相手が詐欺師と認識していたかどうかで、また問題が分かれますが。

1以外の場合は、資金の流れを中心に、全容の解明は不可能なんでしょうね。

山崎様は木村氏のご友人であればこそ、分かっていても回答できないかも知れませんが。
 
 
 
番頭さんを持とうとしなかった理由 (山崎元)
2010-09-24 16:32:05
田舎のおばちゃん様

関係者からの伝聞とそれに基づく私の推測ですが、経営過程の後半では、ご指摘の2に近い事情があったように思います。

ネットワーク企業との取り引きは、番頭さんならずとも疑問を持つ内容であるように思います。

尚、ばんと番頭さんではありませんが、木村さんと親しく、振興銀行取締役でもあり、木村さん個人&個人会社の顧問弁護士でもあったA弁護士は今年に入ってから自殺されています。銀行の不祥事は自殺が出やすくて嫌ですね。
 
 
 
ドラマを感じない (作業員)
2010-09-24 18:02:25
番頭かどうか知らんが、登場人物の中で、メモに値する人、は、この人、ぐらい。
関本信洋
木村銀行いや木村そのもの、といわれた銀行で、この人は何をやらかそうとしてたのでしょうか? 報道の文脈からは、せこい木村がこの人に、罪をなすくった、とも取れますが、藪の中、ですか、実話は。
 
 
 
最近の話題 (田舎のおばちゃん)
2010-09-24 22:57:42
山崎様

コメントありがとうございます。いただけるとは思いませんでした。

顧問弁護士さんが亡くなられた(合掌)件は私も存じています。木村氏以外に、行内の詳細を知る唯一の人物でいらっしゃったとか。

私は基本的にテレビを見ないので、番組内容は新聞のテレビ欄でしか知りませんが、報道の矛先が変わったようですね。村木局長担当の検事の逮捕事件に。

村木氏の判決日程は前々から決まっていたものですが、このタイミングでの「検事逮捕」は完全にフェイントでした。久々に心底驚きましたよ。

折しも、振興銀関連で地検の特捜が出てくるとか来ないとかと言っている時に、大阪とはいえ「地検の検事、証拠ねつ造で逮捕」ですから。

いやあ、偶然ってこわいですねえ。
 
 
 
「他人のアタマを使う」という落とし穴 (タロ)
2010-09-25 06:29:55
山崎さんの仰る通り、平均より知的水準の高い人にとっては、当然、大多数を相手にしたメディアというのは「知的刺激」に欠けるでしょうね。

ただ、大衆番組も世間で上質とされる番組も、一次ソースが違っているということはありませんし、結局何が違うのかといえば「アタマを使ってくれるかどうか」なんですよね。
しかし、そうした情報を欲する人達も同様にアタマを使っているかというと、分かれると思います。

経済関係の番組の解説者が言ったことを、そのまま自分の意見とする人の実に多いこと多いこと。
投資セミナーなんかで「どの株が儲かりますか?」と質問してしまうのはこういう人達だと思います。
もしかしたら、彼らは「アタマの良い番組」を見なかった方が口座によりお金が残ったかも知れないと思えるくらいです。

そう考えると、どのようなメディアであっても、やはり受け手の問題が大きいなと感じます。

また、自分で考える癖を付けないと、メディアの嘘や意図を見抜けないという問題も発生します。
歴史を知っていれば、どこぞの理事長を「マエストロ」と奉った現象を見て胡散臭さと危うさを感じるはずです。
テロ直後にあれだけ感情的だった米国メディアを見たり、インド人留学生殺害に関して敢えて触れようとしない雰囲気のある豪州メディアを見ると、「英語」だからといって特別な何かがあるわけではないというのがわかります。

嘘も100遍言えば真実になるそうですが、靖国問題なんかは特にそうですね。
多くの人は「A級戦犯」のAが何を表すのかご存じないし、海外メディアに至ってはあの神社に合祀者全ての「位牌」があると信じて疑わなかったりしている。
逆に、伝えないことで操作もできる。
一般の中国人は「日本が最大の援助国だ」という事実を伝えると、大抵ビックリします。
毎年のように被害者が増え続ける(これもすごいことだが)南京事件については知っているのに。

他人がアタマを使ってくれるというのは、貴重な見方を得られる一方で、自分のアタマを使わなくなるリスクがあります。

そう考えると、メディアの問題というのは実に難しいものなのだと思いますね。
 
 
 
ありがとうございました!! (学生さん)
2010-09-25 21:02:01
お礼が遅くなって申し訳ありません。
大変勉強になりました。
ありがとうございます。

コンプレックスは成功の種でもあるし、
失敗の種でもある、という事なのでしょうね。
コーチングの本で、
「自分の指導方法にどういう傾向があるかを理解しよう」
みたいなのを読んだ事がありましたが、
自分自身のコンプレックスについても
同様に理解しないといけないんでしょうね。
愛嬌、凄くわかる気がします。
強面な面だけで接すると、
「本当はどう思っているか」だとか
「悪い情報」が上がってきにくい印象があります。


今の流れで行くとテレビや新聞の地盤沈下が
続いていくでしょうから、
後々、変な仕組みで無理やり既得権益を
守ろうとされそうで嫌なんですよね。
社会に貢献した分の給料は
一千万でも二千万でも受け取れば良いんだと思いますが、
貢献してないのに受け取るのは受け取る側にとっても不幸だと思います。


情報の受け取り手は小学生も居るし、
政治に興味が無い人も居るし、
※それは個人の自由だと思います。
 責任は自分で負うべきですが。
「誰にとっても理解できる」ものを
提供しようと思うと、
今のような形になるのはしょうがない
とは思うんですが、
「流れを上手に取り込む」事は可能だと思うんです。
モーサテなんかはwebとの連携を一応(?)やってると思いますが、
例えば、放送時間に制限があるけど、多くの人が見る
性質が有るテレビでは基本的な事柄を説明して、
興味がある人は制限の無いwebで追加番組を見れば良い、
みたいにすると、webに行く広告料も取れるわけですし、その番組で別に料金も取れるかもしれません。

あと、アゴラみたいなのをテレビがやっても面白いと思いますし。
webは1.「情報へのアクセス方法がわからない」
※検索語句が思い浮かばないと検索できない
2.情報が信用できるのかわからない
3.情報が細切れで体系的な理解が出来ない
という性質があるので、
テレビ局と上手く補完できるんじゃないかなー、と思うんです。
グーグルテレビも出来るみたいですし。


選挙でも経済政策でも、
やっぱり一人一人の理解度だと思うんですよね。
なので、社会の仕組みとして、
例えばそのような形になれば、
それに寄与出来るんじゃないかと。


お忙しい所、大変ありがとうございました!!
 
 
 
失敗することは、成長の素 (かくせいⅢ)
2010-09-28 21:04:16
番頭さんを持てる経営者と持てない経営者の差は、経営者の性格と意識による所が大きいように思いますね。

松下幸之助氏の割りに知られていないエピソードに、松下電器で工場長までして、三洋電機に移籍し副社長を勤めた後藤清一氏がおられるが、後藤氏が移籍のとき(だったと記憶しているが)余り腹が立つので、それまでのむかつくことを次々と松下氏に吐露したそうだ。全部言ったので、「それでは失礼します」と去ろうとした時に、松下氏が後藤氏を「ちょっと待ってくれ」と呼び止め、言ったのが「もう悪い話ないか?」だったそうだ。松下氏が悪い話を喜んだ時の逸話だが、いつもそうだった訳ではない。

苦言を喜んで聞ける容量が、番頭を持てるかどうかの一つの要因だと思う。苦言を喜んで聞くというのは、苦言を呈する人を昇進させることである。世辞を言う連中ばかりを昇進させると、周りは世辞しか言わなくなる。苦言を呈する人をどの程度混ぜるかは、難しいところだろう。

もう一つは、苦言を言う度量のある人(番頭)が、私心をあまり持たない人であり、かつ広い情報を取ってトップに上げる公平な心を持ち、かつその人の言い方や態度が、トップの気に入ることであろう。番頭さんとトップとの折り合いは、大事なところだろう。

得てして試験の成績の優秀なトップが、苦言を聞けないことが多いように思う。私の存じ上げている陸大卒の人は、苦言が聞けなかった。東大卒の人にそういう人が結構いた。(陸大は、1学年で30人ぐらいしか入学させない超難関の学校。東大の100倍以上難しい。しかも、部隊配属で部隊長推挙がないと受験も出来ないから、人格も評価されて選抜されている)

私は、そういう意味でも形式知の重きを置き過ぎる最近の傾向は危ないと思う。アメリカでも、MBAがバランス悪いことをITバブル、リーマンショックで露呈させた。そういう意味で、アップルの快進撃は、興味深い。ジョブスのスタンフォード大卒業式でのスピーチ等秀逸だ。(ご存知の方も多いでしょうが、URLを張り付けておきます)知が人を作り出すのではないことを明確に教えてくれる。MBAの経営者がジョブス氏を追い出したが、結局何も生み出せなかった。結局のところ、盛田昭夫氏と出井伸之氏との差は、ここにあるのだろう。賢そうなことは喋れても、人を魅了するものを生み出すことはからっきし出来ないのだ。

http://video.google.com/videoplay?docid=9132783120748987670#


木村氏には、関心があったので、頻度高くゴーログを見に行っていたが、他の人のブログを引用し、自分のコメントを付けて構成する形だった。主として自分の意見を書き綴るブログでなかったのは、政治や経済、社会に関する自分の明確な意見を余り晒したくなかったのだろうか。結局、大きな失敗をしたことがなかったことが、致命的だったのかも知れない。
 
 
 
Unknown (ダイエットマニュアル 口コミ)
2010-09-28 21:50:37
正義の定義
 
 
 
社長と右腕 (うっしー)
2010-09-28 23:58:28
山崎さん こんばんわ いつも楽しく拝見させてもらってます。

>社長がこじれたコンプレックスを持っていると、どう>しても部下への接し方に意地悪な圧力が生まれます。

武富士が倒産しましたが、創業者社長のように強烈な個性を持つ人は往々にして人の意見など聞かないし、右腕なんて必要としないでしょう。自分と異なる人の意見を聞く民主的な人物では、裸一貫から大企業を育てることはできないし、けれどもそういう人こそ意見を注進する部下が必要なのは何か皮肉ですね。

武富士、新興銀行、ライブドア、グッドウィル、それからー商工ファンド、ニプロ、
あとダイエーもそうかも。。。

しかし、上の書き込み、「正義の定義」と一言だけとは。。。はやりの正義論の本でも読んだら!?
 
 
 
Unknown (学生さん)
2010-10-02 21:32:31

アドバイス、ありがとうございます。
ジョブズスピーチの評判は聞いていましたが、
内容は知りませんでした。凄くためになりました。
「神の交渉術」を読んで、プレゼンだとかは上手いんだろうけど、一緒に働きたくはないかな、という印象でしたが、間違っていたのかもしれません。


「苦言を受け入れられるか」とは、
言い換えれば「能力と共に、人格が重要だ」
という事なのでしょうね。上役も部下も。
自分の目の届かない部分を任せる部下を選ぶ際には凄く重要なポイントなんだろうと思いますし、部下は誰かの上役な場合もあると思いますし。

僕は専門でないので良くわかりませんが、
プリンシパル=エージェント理論
※『弁護士や会計士などの専門家に対して専門的な業務を委任する場合は、たとえプリンシパルがエージェントを監視できたとしても、エージェントの行動の適否をプリンシパルが判断するのは非常に困難』
などでも、「信頼できるかどうかor信頼出来る環境をどのように構築するか」
が重要なのだと思うのですが、

「業務能力」はまだ評価をする事が可能だと思いますが、
「人格」というのは、凄く難しい問題ですね。

どうしても「人格」というのは、
「利害関係の無い状態での振る舞い」
を通してしか知りえない気がしていて、
上役が部下の「人格(私心の程度など)」
を知るのは凄く難しい印象があります。
※城山さんの「官僚たちの夏」なイメージです

「昇進させる」という「評価」も難しい問題なんでしょうね。
上役は「自分が何を評価するか」を積極的に意思表示して、
自分の評価に一貫性を持たせる事が重要だと思いますが、
「上役にしかわからない評価軸」だとか
「人格」のように「公にしてしまうと評価出来ない評価軸」なんかもあると思いますので。

店主さんのブログではありますが、
その辺りも興味がありますので、
何かございましたら、伺いたく考えております。
 
 
 
コンプレックス (ぎんえもん)
2010-10-02 22:20:17
経営者と右腕の話とはまったく関係ないですが、大山名人が若手と対局するとき、コテンパンにやっつけてコンプレックスを植え付けるという話を思い出しました。
コンプレックスというのは人の判断力を低下させるのかもしれません。
仕事をしてて思うのは、個人も法人も信用が大事だということです。
上司と部下の関係も信用が大事なんじゃないでしょうか。
(将棋でも麻雀でも信用があると相手が投げてくれないというのがありますね。)
リーダシップ論を考えるときに普通は伝記などでいいお手本を学ぼうとしますが、逆に悪い見本を探すと勉強になると思います。
今だと、断然管総理ですね。
立場上の振る舞いかもしれませんが、那覇地検が勝手にやったこと、自分は関与してないしビデオも見てないというのはすごいリーダーだなと思います。
こういう人に仕えるのは大変ですよ。
 
 
 
間違い訂正 (ぎんえもん)
2010-10-03 11:40:21
【誤】(将棋でも麻雀でも信用があると相手が投げてくれないというのがありますね。)
 ↓
【正】(将棋でも麻雀でも信用がないと相手が投げてくれないというのがありますね。)

’投げてくれない’というのは、’あきらめてくれない’という意味です。(念のため)

個人も法人もそうですが国も信用が重要です。
法に基づいて措置を取ると言ったら、そうしないと捕虜にしたのと変わらなくなりますから。
検察もFD改ざんで信用無くしてるのに、外交理由で起訴しないなんて事してたらますます信用が無くなります。
 
 
 
Unknown (学生さん)
2010-10-03 22:03:55

ありがとうございます。

僕は、コンプレックスは、
「判断を鈍らせもするし、判断を歪める」
ってイメージです。

例えば、武田信玄と上杉謙信って、
信長と家康みたいになれてれば、
天下統一出来た可能性もあると思いますが、
因縁というコンプレックスが原因で、
争いばっかりしていた。

(武田が上杉と結ぶべきだったかはわかりませんが)
合理的に考えれば正しい選択なのに、
(今は関係無い)過去の経緯や
直接関係ない事柄が原因で、
その選択を選ばない、というのも
一つのコンプレックスの形なのかな、
とも思います。

ドイツ国債のスプレッドなんかを見てると、
国も信用が凄く重要なんだな、と思います。

ただ、「なぜ(その人を)採用したか」と同様に
「(会社や人間を)なぜ信用できるか」
「なぜ信用する事にしたか」
を会社の場合、明確に第三者(上役)へ説明出来ないと
良くないんじゃないかな、というのが
ありまして、
※指導を仰ごうにも、
 自分の判断過程を説明出来ないと、
 指導のしてもらいようが無いと思いますので。
そのような枠組みは凄く難しい問題なのかな
という印象がありまして、
色々難しいんだろなぁと思っています。
 
 
 
なぜ信用できるか (ぎんえもん)
2010-10-03 22:44:36
なぜ信用できるかというのは結構難しいことです。
金融で言えば、この人に貸した金は返ってくるのかということですから。
それが分かれば木村さんも失敗しなかった訳です。
一つは前に話題に出ていたモニタリングというやつですよね。
よく観察しておかしな振る舞いがないか。
あるいは、今までの実績はどうなんだろうか。
ところが人間というのは、変わりうる訳です。
木下藤吉郎だった時はとっても気配りして回りの人間を大切にしていたのに、晩年になると非情なふるまいをする訳です。
あるいは、角栄の子分だった竹下さんは、親分を見捨てて経世会を旗上げしたわけです。
だから独裁者は、親しくなった子分は粛清してしまうのですよ。
それでもとりあえず長くつきあっている人(会社)の方が信用できるというのはあります。
よく分かっていますから。
取引実績がないところと付き合うときは十分注意が必要ですね。
木村さんもそういうことでつまずいた訳です。
 
 
 
【検察審査会の‥議決の意味】 (小倉摯門)
2010-10-06 11:36:14
山崎元さん

又しても、本題からは全く離れた話で恐縮ですが・・・:
diamond.jpの【検察審査会の小沢一郎氏“強制起訴”議決の意味】を拝読して、非常に冷静で的確なご見解に概ね同感です。

1.メディア問題
せめて大手メディア内部の一部Journalistだけでも好いからこの域に達して欲しいものです。其れこそ個人(誰)の問題だけではなく、メディア組織(システム)に巣食う病巣を取り除かなければ再発防止は適わないのでしょうね。

メディア問題に関しては、民主主義体制下ではその為の推進力を持たず簡便な解決策は無いのかもしれない。無責任な外野からの感想ですが、アメリカは解決できずに全てを放任して混乱の中で藻掻いている様に観えます、イギリスは上質紙と大衆紙を区別し情報の棲み分けを図っている様に観えます。…と考えると、急がば回れ、BackToTheBasic宜しく、主権者たる国民の中に在る「知的在庫の質と総量」を飛躍的に向上させ増やすことが肝心なのかもしれません。此の脈絡からも、教育の重要性が浮上します。日本での教育問題は、教える者達の教育も不可欠なので数十年掛かりの大事業ですが、日本は未だにか細い謳い文句は聞こえてくるが、言葉だけでカネも当てられず行動にも移していない。
まあ、考えて観れば、「知的在庫の質と総量」が一定レベル以上に確保されることが、民主主義の根幹を成す大前提なんでしょう。逆に言えば、在る国の民主主義の成熟度は、国民が持っている「知的在庫の質と総量」に対応すると。然し、全てのコトは「程度」の問題であり、理想を追い過ぎて「程度」を超えたことを期待するのは「無い物ねだり」になる。
W.Churchillさんのように複雑な機智を交えて「民主主義は史上最悪の政治制度だ、過去の全ての政治体制を除けばだが」といった解り難い台詞を吐き嘯くのも賢明なことなのでしょう。


2.小沢問題
某氏の見解では、小沢さんの政治とカネ問題は「法的な狭義のそれ」と「倫理的な広義のそれ」があってその二つが区別されないので、事態が混乱していると。私も此れに同感です。
「狭義のそれ」を検察は予て法律論で追及しているが、法律は所詮人間が造った人工物であり万能では有り得ない。特に、政治資金規正法という法律は政治家が厭々造った従って抜け穴だらけの法律であって、ひょろひょろ玉しか撃てない武器では事態が打開できないのは目に観えていると思います。検察など法律のプロ達は、当然ながら此の段階で行き詰まって仕舞う。
検察審査会の素人達(その職責、本当にご苦労さまな事でした!)は、その法律の狭い枠を飛び越えて「広義のそれ」に追及の手を捻じ込め!と念じているのではないかと。然し、其れは理想的ではあるが、法治国家としては「無い物ねだり」の気(け)、無きにしも非ずと。政治家に関する「広義のそれ」は、法律ではなく選挙に依るべきなのでしょう。先日の民主党代表選挙は、其の選挙の機能を果たしたと。
しかし、まあ「素人達による検察審査会」という挑戦は意味のあることだと思いますね。全ての「新しいもの」には、基本的に建設的な批判が行われるべきであって現実には其れは少数であり、解決策を示さない破壊的で安易な非難が多過ぎると。

中途半端ですが、切りがないので・・。
草々

 
 
 
Unknown (Unknown)
2010-10-06 17:01:17
>>経済の問題を上記の二つの文脈だけで処理しようとすると、真に面白い部分が欠落したり、報道が奇妙に変更したりしやすくなる。

「偏向」では?

メディアの「公器」としてのスタンスが、それに相応しい「物語」の文脈に沿ってニュースを「騙って」しまう圧力になっているという古くからある問題のような気がします。
 
 
 
報道 (田舎の自営業)
2010-10-08 09:35:49
いつも、楽しく拝見しています。
日生、企業年金を削減との報道がありました。
三流大学卒業のため、分からないことが多いのですが、
山崎さんのブログで、経済のことを、勉強していきたいと思います。
 
 
 
「メガヒットカラオケ」拝見しました (ポラロイド)
2010-10-08 22:18:41
山崎さんのご出演の部分を見ました。バックダンサーの人々と、ダークスーツ姿の山崎さんの取り合わせが絶妙で、とても楽しい気分になりました。緊張なさっていたとのことですが、それでも、あんなにお上手なのですね。
 
 
 
メディアへの逆風 (ぎんえもん)
2010-10-11 21:34:32
私もダイヤモンド・オンラインの【検察審査会の小沢一郎氏“強制起訴”議決の意味】を拝読させて頂きました。
概ね正しいご意見だと思いますが、驚いたことにダイヤモンド・オンラインのアンケートが
質問1 検察審査会の小沢氏“強制起訴”議決は正しい?
’間違っている’61.1%
と6割以上の読者が山崎さんと意見が異なってしまうのですね。
まるでインターネット証券で毎月分配型投資信託がベスト10にずらりと並ぶのを見ているようです。
今の時代ほど、政治家不信と官僚不信とメディア不信が高まっている時代もめずらしいです。
極端な意見に流されないよう注意しなきゃいけませんね。
私は、説明責任の部分では異論があります。
説明責任というのは、一番必要なのは税金(公的資金)を使ったときです。
そういう意味では、今回一番説明責任があるのは、強制起訴をした第5検察審査会です。
その次は、捜査に多大な時間と費用を費やした上に起訴しなかった東京地検です。
マスコミは、こういう組織に対する説明の求め方が甘いと思いますね。

 
 
 
手順前後 (大田区)
2010-10-15 21:59:42
検察審査会は「小沢氏を白とも黒とも言わない、裁判で明らかにしてくれ」との方針を示しているのであり、この点については山崎さん指摘の通りだと思う。
この方針は今までと全く違う法律の運用を示しているのであり、一言でいえば「起訴のハードルが格段に下がった」と言える。プラスもマイナスもあるだろうが、こういう考え方に社会が変わっていくのもやむを得ないかもしれない。しかし、現在の「推定有罪」という社会の受け止め方が変わる前に起訴のハードルが下がるような「手順前後」はダメだと思う。案の定、マスメディアの「小沢退場勧告」の報道は激しいままだ。これを是とする気にはなれない。
 
 
 
通りすがり、改め (CM差し止め男)
2010-10-17 18:11:36
 約一年ぶりに書かせて頂きます。

 よさぼうず氏と会われたようなので、山崎さんも私の書き込みの意図をご理解いただけたと思います。

 ここ5年位に関しては、光ファイバーが嫌いなマスコミと、民間主導が嫌いな官僚の利害が一致していて、自分達の都合のいいように国家を誘導してきたように見受けられます。

 この状況が続く限りは日本は沈没し続ける事になるのでしょう。

 がんばれ、よさぼうずと仲間たち。。。^^

 
 
 
 
Unknown (url)
2010-10-19 15:34:28
大手メディアに感じた事といえば、先日のノーベル化学賞の日本人受賞ニュースでしょうか。
報道側も観ている側も、その功績について「なんだかよくわかっていない」ということが感じられて面白かったですね。
 
 
 
小沢さんのニコ動への出演 (ぎんえもん)
2010-11-04 19:56:55
小沢さんのニコニコ動画への出演を観ました。
テレビも新聞もやばいですね。
小沢さんはニコニコ動画へ出演することで、マスコミへの反撃を開始したという感じです。
今のインターネットの影響力を考えるとたいした話じゃないとも言えますが、話している内容の水準の高さを考慮すると
’低レベルな政治談議しか出来ないマスメディア対まともな議論の出来るネットメディア’
の違いが浮き彫りになってます。
そのうちマイナーメディアが地上波、新聞。
マスメディアがネットメディアという時代も近いかもしれません。
 
 
 
テレビはリモコンで消せる。 (MF)
2010-12-02 03:02:42
なかなか相手のやり方に改善を求めると言うのは難しいですよね、ましてや巨大メディアとなると。。。

なので、報じ方や文脈が共感できる番組だけを視聴し、あとはリモコンで消して、残った時間でネットや書籍などで情報を補完すれば、いちいちイライラしないで済みますよー。

そうすると私の場合は、テレビもしかしていらない?ていう感じになってしまうんですけどね。。

 
 
 
場違いかもですが (通りすがりの一読者)
2010-12-22 11:58:42
先ほどダイヤモンドオンラインで山崎さんの記事を読んで気になっていたことがあったので
場違いで大変申し訳ないのですがお伝えいたします。

【政治不在は日本の「強み」の表れかも知れない】
こちらの記事内にて「日本で大規模なデモは起こっていない」という内容がありますが
つい先日、12/18に渋谷で4000人級の反民主党デモがありましたよ。
その前にも大阪・横浜でありました。大阪では4500人規模だったそうです。

今までは政治不在でも国民でカバーできていたものが、そろそろ限界を迎えているのだと思います。
ちなみに都合が悪いのか、大手マスコミは総スルーです(笑)
ギリギリで産経ネット(名前うろ覚えですが・・・)とやまと新聞?が扱ってるくらいです。

知っていてあえて書かなかった、ということであればこの書き込みは無視してくださって構いませんが
もし知らなかったのであればお伝えしたほうがよいと思い、こちらに書かせていただきました。
ネットで「12/18 デモ 渋谷」で検索すれば、何かしらの情報は見られると思います。

横から長文失礼しました。
 
 
 
新しい (直樹)
2011-09-06 12:29:40
今日は嬉しいね、夢はすぐ実現することが感じですよ。それから、ぜひがばろう!私を明るい未来が待っている。

http://www.boots-ugg-boots.com/ugg2011-c-1.html/

http://www.boots-ugg-boots.com/ugg-c-10.html/

http://www.boots-ugg-boots.com/ugg-c-12

http://www.boots-ugg-boots.com/ugg-c-13.html/
 
 
 
とても面白い (dompet kulit pria)
2020-03-25 12:33:59
情報と詳細は完璧だった。 あなたの視点は深いと思います。よく考え抜かれていて、これらの考えを上手に下に置く方法を知っている人を見るのは本当に素晴らしいです。
https://abs524.com/dompet-kulit-pria
 
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