星岳雄氏とリフレ

昨日のエントリでカバレロ=星=カシャップの「ゾンビ論文」(何か誤解を呼ぶ省略形だな)を取り上げた際に、関連サイトとして池田信夫氏のブログエントリにも触れた。その時、小生がそのエントリにコメントしていたことに気づいた。
前述の論文からすると星氏は構造改革派のように思われるが、このコメントを読んでいただくと、むしろリフレ派に近いことがお分かりいただけるかと思うので、改めて紹介しておく。


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ご参考 (通りすがりの暇人)

2007-01-16 22:44:19

15日のエントリで取り上げられた柳川先生は、3年ほど前に、大竹文雄先生と「平成不況の論点」(東洋経済新報社*1という対論集をまとめています。その本では、金融政策と構造改革の優先順位について対照的な意見を持つ3組の論者が対論しており、第2章では、本エントリで池田先生がその研究に言及された星岳雄先生が野口悠紀雄先生と対論しています。そこでは、野口先生が池田先生に近い意見を述べているのに対し、星先生がむしろいわゆるリフレ派に近いことを述べています。
星先生は、また、2000年の「ゼロ金利と日本経済」(日本経済新聞社*2の第7章でも、ISLM分析を用いて、日本経済が流動性の罠に陥ったという趣旨のことを書いています(その中で取り上げている不良債権処理についても、その罠から抜け出す一つの方法という観点で分析されています)。
さらに、
http://hayashiland.com/shincho.htm
によると、星先生は98年に
「インフレ的政策をとると・・・負債の実質価値が下がることから、銀行や不動産業者の救済になる、という声があるかもしれませんが、公的資金で尻拭いするよりも、ゆるやかな値上がりで全額返済させた方がより公平です。」
と述べたそうです。
ちなみに同じ98年にはフリードマンですらこんなことを言っています。
http://www.hoover.org/publications/digest/3531496.html


>リフレ派はどこへ行った?
田中先生が反応されています。
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20070114
また、かつて木村剛氏が同様のことをブログに書いた時、野口旭氏は以下のような反論をしています。
http://hotwired.goo.ne.jp/altbiz/noguchi/040922/textonly.html *3
以上、ご参考まで。

*1:

平成不況の論点 検証・失われた十年

平成不況の論点 検証・失われた十年

*2:

ゼロ金利と日本経済 (シリーズ・現代経済研究)

ゼロ金利と日本経済 (シリーズ・現代経済研究)

*3:現在はリンク切れ。