歴史戦

慰安婦=性奴隷・教科書「いかなる修正にも応ぜず」 米歴史学者19人が声明

 【ロサンゼルス=中村将】米国の公立高校で使われている世界史の教科書に、旧日本軍による慰安婦強制連行など事実と異なる記述がある問題で、米国の歴史学者19人が「いかなる修正にも応じない」との声明を出したことが分かった。学者らは、慰安婦問題で日本政府の責任を追及する立場の吉見義明・中央大学教授の研究などを根拠に日本側を批判。「慰安婦=性奴隷」との不適切な認識の払拭は進んでいない。

 この教科書は米大手教育出版社「マグロウヒル」の「トラディションズ・アンド・エンカウンターズ(伝統と交流)」。声明はコネティカット大のアレクシス・ダデン教授らが取りまとめた。この教科書で慰安婦に関する部分を執筆した歴史学者も名を連ねている。

 声明は、米国で慰安婦像設置を主導する「カリフォルニア州韓国系米国人フォーラム」が公表した。「日本軍の性的搾取という野蛮なシステムによって苦痛を強いられた慰安婦に関し、日本と他国の歴史教科書の記述を抑圧しようとする最近の日本政府の試みに驚きを禁じえない」とし、安倍晋三首相を名指しで批判している。

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