こんにちは、ほそいあやです。
イケてるお店大好きなみんなのごはん読者の皆さんなら「ビーフキッチンスタンド」をご存知のかたも多いと思います。
ビフテキ290円というインパクトで世のせんべろ民を片っ端から魅了する恐ろしい店です。もうすっかり有名だけど、ここは一度行っておかねばなるまい。
ということでビーフキッチンスタンド(以下ビフキチ)で豪遊してきました。
新橋駅前ビルにやってきました。ビフキチは都内に5店舗、横浜に2店舗ありますが、このビルの雰囲気が好きなので今日は新橋店を選びました。地下一階にビフキチがあります。
「飲ん兵衛のオアシスにようこそ」といわんばかりの貼り紙。サラリーマンの聖地です。
ビーフキッチンスタンド新橋店です。いやー良いたたずまい。外国の街角を歩いていてぽっと現れるバルのようでわくわくします。新橋だし屋内だけど。
社長の松本さん。お父様が寿司職人だったこともあり、もとは和食の世界で長く腕をふるっていたそうです。今やビフキチ7店舗のほか、もつ鍋店やうなぎ店、寿司店などの和食店も取りまとめる青年実業家。
これから松本さんの話を聞きながら料理を楽しむのですが、ビフキチのおつまみたちにも、けして妥協をしない “和食の心” が見え隠れしていることに気づかされるのであります。
ドリンクメニューで気になったのはハイボールの種類の多さ。一番下の「ニセボール」とは、ノンアルコールのハイボール。そんなのはじめて聞いたよ。
ほそい「一体なんなんですかこれは」
松本さん「正体を明かすと、烏龍茶のソーダ割りです!」
まさかのシンプルレシピ。配合は企業秘密だけど、本当に烏龍茶と炭酸水のみだそうです。飲んでみると、あれ、これハイボールじゃないの? とちょっと脳が騙される感じ。かなり強炭酸なのがノンアルコールだと思わせないのだろうか。このジョッキの力もあるのだろう。ハイボールだよと出されたら普通に酔っぱらってきそうだ。
ノンアルビールのような甘さがなくすっきりしていて、強炭酸の飲みごたえがあるから満足感もある。これからノンアルはこれにしたいくらい。頭が冴えそうで仕事中にも積極的に飲みたい飲み物だ。
松本さん「もう飲めないのに『もっと飲め』とかいわれた時に便利ですよ。注文の時『ハイボール、(小声で)ニセで』って言ってください」
ちなみに日本唐揚協会の会長(松本氏のご友人)が好きでよく飲んでいるらしいです。
イエーガーマイスターがあるのも珍しい。イエーガーのサーバー、はじめて見た。
ショット、コーラ、オレンジ、ジンジャーが選べて、イエーガーは試験管に入れられて来ます。コーラ割りは飲みやすくお気に入りです。
フードの安さはやっぱりすごい
可愛いメニュー表は、値段も可愛い。そう、ビフキチの最大の魅力はおつまみのコスパなのですが……さすがに100〜380円てどーゆーこと? って思いますよね。一人盛りなので量は少なめだけど、飲ん兵衛にはおあつらえ向き。色々食べられるのって嬉しいもん。
松本さん「たまにステーキハウスのような食堂と勘違いされることがあって、ステーキが小さいなどのクレームを受けたりするんですが、あくまでも飲み屋なんで。うちは立ち飲みからスタートして、今でも立ち飲み屋感覚でやってます。だから全部お酒のアテサイズでこの値段なんです」
ステーキが看板メニューだとそういう勘違いをするお客さんもいるのだろうな。食事にしたい場合はステーキ2皿とライス(199円)を頼めば解決だ。
「枝豆の浅漬け」(150円)。ピクルスです。定番の枝豆にもひと工夫ある店ってたまにあるけど、漬け物ははじめてかも。お酒のアテにぴったり。手で漬け物を食べるというのも面白い。
「こぼれるフライドポテト」。130円って、某ファーストフード店のSサイズより安いし。
松本さん「うちはなんでもこぼしたがるんです」
絵的にもこだわるのがモットーとのこと。揚げたてあつあつでおいしい! 席についたらとりあえずコレ的な一品です。
290円とあなどるなかれ、ビフテキのおいしさに感動
待ってました、「名物ビフテキ(50g)」。50グラムって思ったより大きいな(実は50グラムではなくちょっとだけ多くしてるそうです。なにその隠しサービス)。
鉄板の上でジュワーーと音を立ててテーブルに置かれると、本当にこれが290円なの? と疑ってしまう。
松本さん「味はもちろんですが、ビジュアルと音、シズル感は大切にしてます。ジューっていってないやつは出したくないです」
見た目だけでなく音も意識しているとは。和食出身の料理人だからこそ味以外にもこだわりを見せるのも納得というものか。
外側こんがり、中はレア。肉汁が流れ出ない焼き方だ。
これ、お酒を1~2杯飲む量として十分です。ステーキ1皿をシェアしなくても、気軽に一人1皿(2皿でもいい)頼めるって嬉しい! ステーキなのにな!
幸せの縮図、肉と酒(ニセボールだけど)……食べてみると、一般的なステーキ店の肉に全然負けてない。むしろおいしい。ちゃんとしたステーキ肉の濃い〜味です。旨味もジューシーさもちゃんとあるよ!
松本さん「仕入れにもこだわった肉ですから」
食に妥協しない社長の自信が伝わってくる味。290円でここまでおいしいとは正直思ってなかったので衝撃でした。
松本さん「うちのオリジナルソースもかなり濃い〜つくりになってますよ」
テーブルにはお醤油や岩塩など、肉を美味しく食べるための調味料が揃っていました。おすすめはオリジナルソース。左がにんにくで、右が玉ねぎ。にんにくは、にんにく丸潰し感がすごい。これつまみにお酒飲める系です。玉ねぎは玉ねぎ特有の甘さが際立っています。ステーキは甘口たれ派はこちらがおすすめ。
牛ハツのレアローストの破壊力
「牛ハツのレアロースト」。これも290円とは思えぬクオリティでした。牛のハツってこうやってちゃんと食べると高級感すごいんですね。岩塩をかけて食べてみました。コリコリした歯ごたえとクセのない肉肉しさ。牛一頭からわずかしか取れない、ある意味希少部位であります。赤ワインがほしくなる。
「馬刺しのカルパッチョ」(380円)。馬刺しは好きだけどカルパッチョははじめて食べました。馬は生でも安全だし、これ流行ってほしい。
アヒージョは4種類あって、全部199円。牡蠣のアヒージョにしてみました。小ぶりな牡蠣が5つ入ってこの値段とはやるな……。アヒージョは流行のせいかどこでもちょっと良いお値段するので嬉しすぎる。
オイルは塩気がきいているのでバゲットをつけるのもよし。これはお酒をおかわりしたくなる。
こぼしスパークリング。こぼし、こぼれの付くメニューが多い。本当になんでもこぼすのか。シャンパンを目の前でこんなにこぼされるの幸せ。お誕生日でもないのに……
「人気の煮込み」(199円)はトマトベース。モツと根菜が柔らかく煮込まれていてほっとする味です。煮込みはこぼされていなくて安心しました。
「カニクリームコロッケ」(150円)。普段は好んで食べないものだけど何となく選んでみた。ちょっと気になるなーくらいのメニューも我慢せず頼めちゃうところがビフキチのいいところ。
あつあつのとろとろ〜〜、シャンパンに合う!
カニの風味がたまらないです。カニクリームコロッケをちびちび舐めつつお酒を飲むの結構いいじゃんという発見をしました。
「ピザっぽいパン」(199円)。ほんとにピザっぽいパンが来た。アヒージョのオイルを垂らすと余計おいしい。
「セロリアイス」(290円)。メニューにアイスはこれ一つだけど、バニラでもフルーツ系でもなくセロリを持ってくるってどうゆうことだ。
以前からメニューを見て気になってたのだが、果てして本当にセロリ味なのか? と疑いつつ食べてみると、結構セロリ度高い。聞けば、セロリの苦手な人でも食べられるライン、かつセロリ好きの人が物足りなさを感じないラインのセロリ感を意識したそうです。
私はセロリが好きなんですが、セロリその物(野菜スティックとか)ではない “セロリ味の料理” って少ないんですよね。こんな爽やかなデザートになれるなんてセロリを見直しました。これは高レベルの珍味アイスだと思います。
以上、ビーフキッチンスタンドでした。噂通りの満足度の高さだった……。正直、お店に行く前はあまりの安さにクオリティに関しては期待してなかったのですが、安くても手を抜かないというのは体験してみてわかったことでした。それにしてもおいしかったな。「次は何にしよう」と、可愛いメニュー表を眺めてるだけで楽しくなるお店でした!
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著者プロフィール
ほそいあや
「猫を愛でることと虫を食べることが趣味」
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