ベネズエラの反政府デモ激化、少なくとも2人死亡、270人拘束

 【ロサンゼルス=中村将】経済危機と政情不安を背景にした南米ベネズエラの反政府デモが19日、勢いを増した。各地でデモ参加者と警察などの治安部隊が衝突し、少なくとも民間人2人が死亡、多数の負傷者が出た。独裁色を強めるマドゥロ大統領は首都カラカスを中心に投入している軍隊を10万人から50万人に増員して、デモを封じ込める方針で、対立は一層激化しそうだ。

 米メディアによると、大規模な反政府デモは少なくとも全国12カ所で行われ、首都カラカスだけで「数十万人が参加した」(AP通信)。各地で銃声が鳴り響き、催涙弾の煙が街中に広がった。ロイター通信によると、270人以上が身柄を拘束された。

 カラカス近郊では警戒にあたる軍隊の近くを通りかかった男性(17)が頭を銃撃されて死亡。コロンビアとの国境近くの都市でもデモ参加者の女性(23)が被弾し死亡した。ロイター通信によると、3週間前から始まったデモによる死者は7人目。

 19日は同国の独立宣言記念日で、野党は憲法秩序の回復や民主主義の尊重などを求めて、各地で集会やデモを呼びかけていた。

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