ゼロのちから――成功する非営利組織に学ぶビジネスの知恵11

ゼロのちから――成功する非営利組織に学ぶビジネスの知恵11

ゼロのちから――成功する非営利組織に学ぶビジネスの知恵11

  • 作者: ナンシールブリン,Nancy Lublin,関美和
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2011/03/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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非営利組織ならではの経営努力って、学生時代にX非効率みたいな話を刷り込まれているせいか、あんまり考えたことがなかったです。


って、現代社会における非営利組織の役割みたいなものに対して如何に無頓着であったか。今のうちに一時の恥をかいてしまおうと本書を手に取りました。


様々な予算を削減されて泣きそうになっている民間企業が、そもそもリソースがゼロのところからスタートする非営利機組織に学ぶべきところが無いはずがありませんよね。


世界を変えようとしている各種の非営利組織が、その驚愕のパフォーマンスを実現するために実践しているビジネスの知恵とは。お金がなくても、否、お金がないからこそ出来ることがあるというのを豊富な事例に基づき分かりやすく解説してくれてます。


目次にピンと来たら、ぜひ読んでみてください。

  • 1 社員のやる気を最大化する
  • 2 お金をかけずにブランドをつくる
  • 3 外部の人材を活用する
  • 4 賢くお願いする
  • 5 お客さまを味方につける
  • 6 役員にもっと働いてもらう
  • 7 能力を引き出す人事を行う
  • 8 ストーリーを知ってもらう
  • 9 財務を上手に管理する
  • 10 物々交換を活用する
  • 11 イノベーションを生み出す



メモ:

  • P.25 ジョンソン大統領がある日NASAを訪れて、用務員のそばを通った。大統領は重要人物との会合のためにそこにいたので、用務員とはほとんどすれ違い程度だった。その用務員は大統領にこういったという。「私は人類を月に送る手助けをしました」中略。用務員も会社の目的に参加する一員なのだ。影響力のあるブランドを発信している企業では、どんな地位であっても、すべての社員が同じ目線で考え、強い目的意識を共有している


  • P.54 「はじめての」「ただひとつの」「より速い」「より良い」「より安い」


  • P.130 価格と価値で競おうとする企業は無数にある。だが、人がどのように心を決めるかという人間的な側面を理解している組織は少ない。


  • P.162 非営利の役員に報酬が支払われることはほとんどない。逆に、彼らは役員(理事)になるために、寄付や資金集めやアドバイスなどを組織に「与える」ことを期待されている。


  • P.254 物々交換は、人間の柔軟性や想像力や信頼という能力を最大限に活用する場だ。


  • P.298 新しいアイデアやイノベーションを考え始める最適なタイミングは「昨日」だ。でなければ、今日から始めるべきだ。




  • P.150 お客様を味方につける

1.あなたのブランドはお客様にとって「いい」ものですか?それとも「重要な」ものですか?
2.あなたの製品やサービスを買った人は、何を受け取りますか?製品の説明ではなく、三つの言葉で答えてください。お客様があなたに求める価値はなんですか?
3.お客様はなぜ、同じ値段の他のブランドや他の品物ではなくあなたのブランドを選んだのでしょう?
4.おまけをつけることがありますか?それは人々が欲しいと思うものですか?それとも、ロゴ入りの安物ですか?
5.お客様の数を数えていますか?ご紹介の割引や、「1000人目のお客様」といった優待がありますか?
6.ものを売った後も、お客様との関係はありますか?それともクレジットカードが承認されたら終わりですか?
以下省略。



  • P.228 ストーリーを知ってもらう

1.あなたの会社はどのように創業されましたか?この製品やサービスを生むきっかけになった個人的な経験や苦労はなんですか?
2.あなたの会社は成功や失敗の軌跡を経てきましたか?どんな人物や犠牲や運命のいたずらをとりあげるといいでしょう?
3.お客様から感謝された事例を集めていますか?それらの手紙やメールはどこにありますか?それらは感動的ですか?
5.あなたはメディアを管理できていますか?あなた自身がメディアになっていますか?
6.自分の会社をグーグルで検索していますか?
7.あなたの製品やサービスが大好きなセレブは誰ですか?
8.あなたの会社の経営者は熱心に物語を語りますか?それとも高級スーツを着てデータのことしか話さないロボットですか?
9.あなた自身は会社の物語を語っていますか?
10.あなたの会社のCEOがオプラ・ウィンフリー・ショーに出演するチャンスがあれば、オプラと何を話すでしょう?(ヒント:オプラは前四半期の業績や、生産拠点を海外に移転したことにはあまり興味がありません)
11.あなたのライバル企業はどんな物語を語っていますか?



  • P.272 物々交換を活用する

1.余剰在庫がありますか?値引きしたり、倉庫に寝かせておくかわりに、何かのためにそれを必要としている人と何かを交換できますか?
2.使っていない余剰スペースがありますか?
3.ヒマな社員はいますか?彼らは利用できそうなどんなスキルを持っていますか?
4.つきあえる会社は近所にありますか?たとえ相手がパン屋さんであなたが会計事務所であっても。会社の悩みを気軽に話し合ってみれば、そこから何かが生まれるかもしれません。
6.物々交換サイトに登録していますか?
8.あなたの顧客が必要としているもの(品物、共感、悩みなど)で、他の誰かが提供しているものはありますか?そのだれかと関係を築くことはできますか?
9.自社製品やサービスを提供することによって帳消しに出来る負債はありますか?あなたの会計士は、あなたの会社のリゾートホテルへの宿泊やあなたのレストランでのパーティといった形の対価を受け取りますか?
10.物々交換はやむにやまれぬことだと思いますか?その偏見を捨てましょう。物々交換は賢いビジネスの手法です。
11.あるものはなんでも使いましょう。この本を人にあげたら何が手に入りますか?



  • P.299 イノベーションを生み出す

3.六年生の子供たちにあなたのアイデアを聞いてもらってはどうでしょう?子供たちは誰より正直です。新鮮な意見が出るかもしれません。
5.誰のためにイノベーションを起こそうとしていますか?顧客はだれで、彼らのかゆいところはどこですか?ニーズはなんですか?イノベーションのためのイノベーションは必ず失敗します。問題解決のためのイノベーションはより成功しやすいでしょう。
6.ライバルは何をしていますか?あなたがうらやましいと思うのはどんなところですか?
7.あなたが最後に自社の製品やサービスをつかったのはいつですか?あなたが顧客になってみましょう。顧客と同じように生活しましょう。同じように消費しましょう。おなじように考えましょう。
8.危機感を持ち、締め切りを決め、イノベーションを起こさざるをえない理由を作りましょう。