日本オラクルは2012年10月31日、Java EE 6環境への移行コンサルティング「Java EE 6マイグレーション・コンサルティングサービス」を提供開始した。主にJ2EEで構築した既存アプリケーションを対象に、基本的には“ソースコードの修正なし”で、Java EE 6環境への移行を支援する。日本のみで提供するサービスである。

 日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部 製品戦略部の伊藤敬氏は、「Java EE 6から7へと続くトレンドに乗ることは大きなメリットがある。ところが、日本ではStrutsやSeaserなど既存技術への依存度が高い」と、サービスの必要性を説明する。コンサルティングを通じ、顧客のアプリケーションを同社のAPサーバー「Oracle WebLogic Server 12c」または「GlassFish 3.x」上へ移行する。移行元のJava SE/EEのバージョンやAPサーバーの種類、OSの種類は問わない。

 最新のJavaエンタープライズ環境に移行するメリットは何か。日本オラクル コンサルティングサービス統括 クラウド&ITソリューションコンサルティング本部の大橋勝之氏は「マルチコア上で処理が効率化されるなど、実行性能が高速になる。また、最新のAPサーバーが備える運用管理機能も利用できるようになる」と話す。Java EEの路線に乗ることで、標準仕様に盛り込まれる機能も活用しやすくなる。例えばJava EE 8以降では、Java EEによるPaaSのサポートや、マルチテナンシーなど“クラウド対応”が計画されている。

 コンサルティング作業は大きく、4フェーズから成る。(1)移行計画作成では、ソースコードの静的解析などで影響範囲を調査。(2)移行検証により、アプリケーションの一部でプロトタイプ評価を実施。(3)最適化は、移行後の最適化を図る作業で、オプションで提供する。最後に、(4)展開作業により、水平展開に向けた報告書を作成する。