さいきん流行りのコンビニスイーツ、ロールケーキ。
中でも、昔ながらのくるくる巻いてあるタイプではなく、内側に純白の生クリームがぎっしり詰まった、高級感のあるものが人気らしい。
確かにおいしいけど、あの純白の断面は見た目にちょっと寂しくないだろうか。あの部分をキャンパスにして、見た目に楽しいロールケーキが作れないか。
そこで、国旗の模様のロールケーキを作ろうと思い立った。
(萩原 雅紀)
ふつうにロールケーキを作る
思い立ったはいいけど、ロールケーキはおろか普通のケーキも作ったことがないので、レシピをいろいろ検索して作ってみた。
ふつうに生クリームを作る
スポンジを焼いている間に、中に入れるクリームを作る。
メレンゲとクリームのダブル泡立てでおよそ1時間、これで僕の腕も完全にバーンアウト。使い物にならなくなった。
国旗とは言え、色をつけたクリームを巻くので、あまり難しい模様は難しい。たとえばアメリカ国旗なんてまず無理だろうし、スリランカ国旗も難易度が高い。アルバニア国旗なんてかっこよすぎて再現できたらきっと一儲けできるだろう。
考えた結果、今回は簡単そう、かついかにも国旗っぽいということで、3色で再現できるフランス国旗を作ることにした。
生クリームに色をつける
フランス国旗は青、白、赤の3色。というわけで白い生クリームに赤と青の色をつける。
イチゴはクリームを入れたらかなり淡いピンク色になってしまったので、後でイチゴジャムを大量に足して赤くした。
食用青と言えば、当サイトでは何と言っても大塚さんの記事が衝撃だけど、自分で作るまで青いクリームはおいしそうじゃん!と思っていた。しかし、これは困った。見た目と色でまったく食べたくないのだ。しかも、なぜか確かに美術室っぽい匂いがする!
でもやっぱり見た目重視なので、写真を撮ったあとさらに色素を足して青を濃くした。
スポンジケーキが焼けた
そうこうしているうちに、スポンジケーキが焼けた。
いきなり3色並べて巻くのも難しそうなので(すべてが初めてだし)、いまある白い生クリームと赤いイチゴクリームを使って、まず日の丸を作ってみることにした。
その後、フランス国旗も作ったけど、あまりに難しくて写真を撮るのをすっかり忘れていた。その代わり調子に乗ってドイツ国旗も作った。
というわけで、ああしたらどうか、こうしたらいいと半日くらい悪戦苦闘して国旗ロールケーキが完成した。
国旗ロールケーキが完成
日の丸を作ったつもりが、ロールケーキが自重でつぶれ、中のイチゴクリームを平らにしてしまった。しかも水分が下に流れ、何やら不吉な模様になってしまった。
これは...日の丸じゃない、こんなだらしないの断じて日の丸じゃない!!
いまがんばらなきゃいけない時なのに、本当にすみません。いつかちゃんと作り直します。
上から黒、赤、金のドイツ国旗...のはずだけど、この中でもイチゴクリームが大暴れして判別できない。ミクロ化したら見えるかもしれない。
とりあえず、ドイツ人に見せたらものすごい勢いで怒られそうだ。「グーテンターク!?」とか言ってシューマッハの顎で小突かれる。
かっこわるい!でも何だかおしゃれ!
色が分かりやすいせいか、これはフランス国旗として認識できる(よね?)。やっぱり形がつぶれてしまい、ものすごくブサイクだけど、でも見事なトリコロールじゃないか!
ん?トリコロール?
ロールケーキ?
あ!トリコロールケーキ!
(これが言いたいがための企画でした)
ケーキ作りは体力勝負だった
トリコロールとロールケーキを合体させたい、という出オチな企画だけど、メレンゲ作りで延々泡立て、生クリーム作りで延々泡立て、ケーキ作りは体力的にものすごくきつかった。パティシエは毎日これをやっているのか、と思うと市販のケーキももっと味わって食べなきゃと思った。
見た目とは裏腹に、国旗ロールケーキはどれもおいしかった。特にチョコレートとカスタードとイチゴクリームのドイツ国旗はゴージャスな甘さで最高にうまかった。