2013年01月19日

【カリフォルニア】、失業率が9.8%と横ばい!小売業界もロボットの増加で雇用増えず?

130119失業率推移
■カリフォルニア州雇用開発局(EDD)が18日に発表した統計によると、12月のカリフォルニア州の失業率は9.8%と前月と横ばいだった。前年同月の失業率は11.1%だった。失業率と同時に発表された非農業部門の雇用者数(季節調整済み)は12月、前月比で1.75万人のマイナスとなった。
 労働省が18日に発表した州別の失業率データによると、全米で最も失業率の高い州はネバダ州の10.2%(前月は10.8%)。ネバダ州に次いで失業率が高かったのはロードアイランド州の10.2%(10.4%)で、そしてカリフォルニア州、ニュージャージー州の9.6%(9.6%)、ノースキャロライナ州の9.2%(9.1%)の順となっている。失業率が最も低い州は農業が主な産業となっているノースダコタの3.2%、そしてネブラスカの3.7%、サウスダコタの4.4%だ。
 失業率が下降(改善)した州は全米50州のうち22州、横ばいとなった州は12州となり、上昇(悪化)した州は16州だった。
 尚、全米の失業率は12月、7.8%となっている。

トップ画像:失業率全米ワースト1のネバダ州、ワースト3位のカリフォルニア州と全米の失業率の推移グラフ。全米の失業率が12月、7.8%と前月から横ばい、カリフォルニア州も9.8%と横ばい、ネバダ州は前月の10.8%から10.2%に低下した。雇用情勢は回復基調にあるが、依然としてスピードが遅い。で、その理由は、ロボット(テクノロジー)の進化スピードが雇用スピードを奪っている?
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。雇用状況は改善していますが、回復スピードは遅いですね。ただ、経済活動全般が景気後退前より大きくなっていることや企業収益も戻っていることを考えれば、雇用の回復はその恩恵を受けていません。仕事場に人が必要なくなっているのではと思います。小売業界に限らず多くの企業は、人件費圧縮で進化しています。チェーンストアも長年にわたりセルフサービスを導入することでコスト削減に努めてきました。お客と接する販売スタッフも少なくなり、お店の人と接するのはレジだけという店も普通です。そのレジの一部は、セルフチェックアウトレジになり、さらに人件費が圧縮されています。RFID(無線ICタグ)の導入が拡大すれば、JCペニーが推し進めているようにレジさえ撤廃されるのかもしれません。そんなリアル店舗の売上の一部は、競合オンラインストアに持っていかれています。

⇒オンラインストアは、リアル店舗に比べてさらにコストがかかりません。オンラインストアは実質的に倉庫ですので、リアル店舗のように見栄えを良くする必要はありません。スタッフは注文のあった商品を倉庫にある商品棚からピックアップし、梱包して発送するだけですから、接客トレーニングが必要ありません。その物流倉庫運営も人件費等がさらにコンパクト化されている流れとなっています。ロボット物流システムのキバです。物流センター内をお掃除ロボット「ルンバ」を大きくしたようなロボットが走行して、スタッフが商品をピックアップに行くのでなくロボットがシッパー(商品発送係り)に在庫を持ってくるのです。これで商品をピックアップしていたスタッフの人件費を削減できます。在庫のある倉庫内では、照明や冷暖房の必要もありません。倉庫内のほとんどはロボットだけが働いていますから、労働環境を維持するコストもかからないのです。

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⇒ロボットが運んできた商品を箱につめて梱包するシッパーに人がいるだけです。様々な形状なモノでもピックアップできるロボットハンドが開発されれば、シッパー係りも圧縮可能です。ただ、商品が入った箱の隙間に、ロボットが緩衝材をつめるのは、さすがにまだ先の話でしょうけど(その頃にはトラック運転手もロボットかも)...これまで日本の流通業はアメリカを追っていました。日本ではチェーンストアシステムを導入し、多店舗展開を容易にしました。システム化やマニュアル化が進み、どの店も統一され、コストも抑えられています。一方で、決まりきった画一的な接客が進み、場合によっては慇懃無礼(言葉や態度などが丁寧すぎて、かえって無礼)で、面白みも少なくなっています。売り場に人間味のある泥臭さや温かさがなければ、多くがオンラインストアで購入するほうを選ぶかもしれません。ここに隙間市場ができるような...
 ところで先日、ウォルマートがアメリカ国内での商品調達を拡大することを発表しました。国内の雇用を助けることを狙っていますが、「メイド・イン・アメリカ」製品も作っているのがロボットだったりして。
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