スマートフォングループの藤村です。2か月前まで、モバイルで、livedoorトップ・デコメサイトの運用を担当していました。

10月から新しい部署のスマートフォングループに所属し、すでに、スマートフォン版のlivedoorトップ&ニュース他の運用を開始しています。実際に運用してみると、モバイルとの共通性が多く、モバイルサイトの運用経験が生きる領域だと実感しました。

まだまだ運用の初期フェーズの段階ですが、今回は、実際にスマートフォンサイトを運用してみて気づいた点及び、今後のスマートフォン市場の展開予想について書いてみようと思います。

ファーストビューの重要性


スマートフォンのサイトを運用してみて、まず一番最初に改修を入れたのが、ファーストビューです。ファーストビューとはユーザーがモバイル端末でアクセスして、一番最初に表示される画面のことを言います。

モバイルサイト運用経験者の方には常識かと思いますが、サイトの将来的なPV/UUを決定する上で、一番重要な要素がファーストビューの見せ方になります。

特に、大量の情報を小領域で見せる必要があるポータルサイトの場合、ファーストビューの作りこみ次第で、未来のアクセス数のほぼ100パーセントが決まってきます。

モバイルの場合、ほとんどのクリック数がファーストビューとその近辺に集中するため、ファーストビューで表示されているリンクの文字量を変えたり、幅を縮めたりするだけで、サイト全体のクリック数をコントロールできます。

スマートフォンのlivedoorトップに関しても、構成を変更し、ファーストビューでなるべく主力のコンテンツを多く見せることにこだわり改修を入れた結果、短期間で全体のクリック数・PVをかなり伸ばすことができました。

iPhone のファーストビュー

iphone

Android (Xperia) のファーストビュー

android
※スマートフォンの場合、iPhoneとAndoroid端末でファーストビューの表示領域が異なるので、将来的には端末ごとに見せ方を変える必要があるかと思います。

リンク幅の拡大・縮小


大半のスマートフォンは、リンクを指でタッチすることで、リンク先に飛ぶタッチパネルが採用されています。上下左右キーでリンク間移動を操作するガラケーと一番異なるのはこの部分です。

リンクの幅の拡大・縮小は、サイト全体のクリック数を上げる上では、かなり重要な要素になります。幅を小さくしすぎても、タッチし辛くなり、大きくしすぎても、見辛くなる。この部分のバランスが非常に難しく、最終的にはミリ単位での調整が必要になります。

実際にlivedoorトップに表示しているニュースに関しては、初期状態から、かなり縮小しました。結果、一画面で表示できるニュースの数が増えたことで、クリック数は増加しました。ただ、これ以上縮めると、クリック数は減ってしましました。このへんは、微妙なバランス調整が必要かと思います。

1

2

ファーストビューのニュースの幅を40ピクセル→35ピクセルに変えて、同領域で見えるニュース数を増やしたことにより、この部分のクリック数は約2倍に上昇しました。

ニュースが並んだ部分の調整ということで、幅を縮めてクリック数は上がりましたが、画像を大量に使うサイトであれば、「画像を大きく表示させた方がクリックが上がる?」等、サイトによって微調整が必要になってくるかと思います。

以上が、2カ月くらいのスマートフォンサイト運用の感想です。

今後の課題はAndoroidユーザーの入り口


最後に今後のスマートフォン市場の動向予想を書いておこうと思います。

ライブドアでは、現在積極的にスマートフォンのWebサイト最適化を行っています。スマートフォン最適化サイトの総PVは、直近数か月で約3倍程度に増加し、日に日にPV上昇率は上がっています、来年はまさに「スマートフォン」元年になると予想されます。

今後、爆発的な需要の見込まれるAndroid。これまでスマートフォンに対して静観していたAUも本格参入してきて、来年は、今年以上の盛り上がりが予想されます。いわゆる、現状のガラケーと呼ばれるモバイル端末からの乗り換えが増えてくると予想できます。

現状のスマートフォンでは、公式サイトと呼ばれるコンテンツ市場的な場所が存在せず、これまで、ガラケーで主流だったコンテンツ (デコメ・着うた・電子書籍等) をダウンロードする場所はありません。iPhoneの場合、Apple自体がスマートフォン対応のポータルサイトを運営していないこともあり、これらのコンテンツがすごく探しづらいです。スマートフォン・アプリという選択肢もありますが、それほど整備されてるとは言い難い状況です。

ガラケーでいうところの勝手サイト (非公式サイト) という選択肢もあるでしょうが、現状で、スマートフォンに最適化されたコンテンツ系の勝手サイトはそうそうないです。

Andoroidに流れてきたガラケーのユーザーを引き込むことができるサイト
スマートフォンに関しては、この部分が一番のビジネスチャンスではないかと思われます。次のディレクターブログではライブドアによるコンテンツ系サイトの立ち上げ&運用について書ければよいかと思います。


ライブドアでは、スマートフォンのコンテンツ運用ができるディレクターを募集しています。