ふと気づくと、auのiPhone4Sのメール受信画面が変わっています。今回のメール機能のバージョンアップ、長年のauユーザーにとって朗報ですね

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 いまケータイ業界は、スマホ春モデルのリリースラッシュ。新機能特盛りのAndroid端末が各キャリアから続々とリリースされているが、やっぱりなんといっても一番人気はiPhone4Sだ。

 今春は各キャリアが積極的にMNP(モバイルナンバーポータビリティ)キャンペーンを行なっているが、やはりiPhone4Sを有するソフトバンクとauの一騎打ちという図式になっている。

 3月7日に電気通信事業者協会(TCA)が発表した各キャリアの2012年2月MNP純増契約者数を見ると、iPhone効果もあってか、au(KDDI)が5ヶ月連続で首位をキープ。今後のiPhoneに関する各社動向にも注目だ。

 auかソフトバンクか――iPhone4Sにおける究極の選択だが、実際どちらを選ぶのが賢いのか? 一般的なiPhoneキャリアイメージでいうと「機能ならソフトバンク」、「つながりやすさや品質ならau」といったところ。ところがこの従来のイメージを払拭すべく、auが強力なバージョンアップを仕掛けてきた。

 それが、3月13日から始まったiPhone4Sにおける【ezweb.ne.jp】メールのリアルタイム受信だ。これにより、サーバーにメールが届き次第、即iPhone4Sでメール受信が可能となる。

 ソフトバンクでは、このメールのリアルタイムの着信通知が標準となっていたが、auの場合、機能面で一歩リードしたリアルタイム受信となっている。メール受信からレスまでの手順を比較すると、以下のようになる。

●ソフトバンク【i.softbank.jp】
【(1)メール着信通知→(2)「了解」をタップ→(3)メールアプリをタップ→(4)メールを本体に受信→(5)メール確認→(6)レス】

●au【ezweb.ne.jp】
【(1)メール着信通知・受信→(2)「読む」をフリック→(3)即メール確認→(4)即レス】

 ソフトバンクの場合、着信メールがあることをお知らせした後、実際に本体に受信しなければならないシステムになっているため、メールを読んでレスするのに、上記の6手順が必要となり、ややストレスが強め。

 一方のauは、本体にメールをダイレクトに受信するため、即確認、即レスが可能。しかもロック中でも【FROM】、【件名】と【本文の一部】が表示され、メール受信のお知らせも画面上部のバナーにクッキリ表示されるので、iPhone4Sに設定したYahoo!メールやGmailと同じ感覚で【ezweb.ne.jp】メールを使えるのが魅力だ。

 また、auならではの機能として『最大3メガまでの添付受信』にも対応済み。auのiPhone4Sが登場した直後から言われ続けてきた「メール機能の課題」が向上しているどころか、むしろメールの使い勝手においてはauがガゼン有利な状況になったといえるだろう。

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■メールアプリにおける仕様比較
【ドメイン】 @i.softbank.jp(ソフトバンク) @ezweb.ne.jp(au)
【リアルタイム受信】 △[通知のみ](ソフトバンク) ○[受信完了](au)
【着信表示】 △[You got a mailのみ](ソフトバンク) ○[差出人、件名、本文一部](au)
【メールボックス容量】 200MB/5000件(ソフトバンク) 200MB/5000件(au)
【メールサイズ】 1MB(ソフトバンク) 3MB(au)

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 これらのメール機能のバージョンアップを一番喜んでいるのは、長年のauユーザーかもしれない。MNPで最大のネックは、それまでのメアドが使えなくなってしまうこと。過去に合コンやキャバで【ezweb.ne.jp】のメアドを配りまくっていた人も、これで安心してauのiPhone4Sに機種変更できるだろう。

(文/直井裕太)

※auのiPhone4S「メールリアルタイム受信」について⇒ http://www.au.kddi.com/news/information/au_info_20120313a.html

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