昨日、今日の増税論について | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

昨日、今日の増税論について

秘書です。
小野善康・内閣府経済社会総合研究所長の増税論について。昨日は毎日新聞、今日は読売新聞です。


論点 震災復興へ時限増税 政治家は有権者の説得を
5月10日 読売新聞

「震災で多くの社会資本や民間資本が破壊され、被災者は生活も職場も失った。一方、震災以前には物が売れず、過剰設備と人甘利で日本経済は停滞していた。その余った生産力を使えば、復興は十分に可能だ」

→そうでしょう。東北地方の公共事業の費用対効果、乗数効果はどうでしょうか。建設国債を発行して一刻も早く復興すべきでしょう。なんでそれを先送りするのか?「景気がよくなって、自然増収がでて、増税ができなくなってしまうから」?

「しかし、国債でも後で増税が必要であり・・・」

→景気回復にともなう自然増収や無駄の削減、不要不急の資産売却でまかなえる部分以外は、です。

「被災地では生活必需品にも住宅にも困っているから、手に入ったお金はどんどん使われる。」

→だから、国債発行して即時復興すべきなのに、なんで先送りするんですか?

「やるべきことは何か、国民も政治家も大半はわかっているのに遅々として進まない。このことが、歯がゆくてならない。」

→やるべきことは二次補正でしょう。それなのに進まないのは増税案を待っているからでしょう。

→進言すべきは菅首相でしょう。二次補正を今国会にだしなさい、というのが使命ではないのですか。そちらサイドでいえば、増税案を国会に出して、与野党で堂々と議論すればいい。それを野党に根回しして国会議論を避けようとするからおかしなことになるのでは?しかし、国会での論戦に耐えられる自信がないから、なんとか事前に野党の支持を得たい。そして秋まで二次補正待望論がおきるのを待つ。

→そして、秋まで先送りすれば、夏を越えるころから避難所生活は悲惨なことになる。マスコミがさわぐ。そうなれば「増税してでも避難所を救おう」ということになる。熟柿論というのか、人質論というのか。そんな非人道的な計算は、まさか誰も「増税大本営」では考えていませんね?


復興に向けて:東日本大震災 内閣府経済社会総合研究所所長・小野善康さん
毎日新聞 2011年5月9日
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110509ddm012020034000c.html
「増税について「震災で経済が悪化しているのに、ますます景気が悪くなる」との批判がありますが、間違いです。被災地では家や車、家財道具が失われ、大量の需要があります。税金を被災者への給付や復興事業に回せば、モノをどんどん買いますから、所得として納税者に戻ってきます。私の試算では、15兆円の財政支出で200万人の雇用が生まれる。景気はむしろ良くなるのです。」

→だったら、自然増収がありますよね?そこまで景気がよくなって自然増収がない理由は?日銀によるデフレ政策の影響で名目成長率が低く抑えられることを加味しているのか?

→復興需要で自然増収がない、増税がどうしても必要になるようなデフレターゲット政策が存在するとすれば、また阪神淡路大震災以後のように「いきすぎた円高」になりますね。前回は非正規雇用の拡大を生みました。さて、今度は、日本をどう変えようとしているのでしょう?「デフレ・円高・増税」派連合のみなさんは。そして、今度は誰をスケープゴートにしますか?また「新自由主義者」に責任をおしつけますか?でも、小泉さんはもう引退していますし、竹中さんも政権にいませんよ。気づいたら、政権はみんな「デフレ・円高・増税」派の仲間になっている。誰にも責任を押し付けられない。それとも、政権の中に「隠れ新自由主義分子」がいるとでっちあげる手法(スターリンのチトー主義者狩りのような手法!)でもとりますか?やはり今度も、海外の外的要因にしましょうか?