論理的思考力と論理的な議論




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第3章 詭弁!誤謬!レトリック!―サブメニュー

【推論形式の誤謬】

【前提の誤謬】

【レトリック】(暗示にかける表現)


詭弁(きべん)・誤謬(ごびゅう)・レトリックの意味 

最終更新日:2016.1.3

はいこんにちは、今日使う言葉の定義です。

詭弁(きべん)とは→誤った推論形式や前提を“意識的”に使用して主張を正しく見せかける論法のことです。別名「虚偽論」

・誤謬(ごびゅう)とは→詭弁を“無意識的”に使うことです。間違えただけなので罪はない。

・レトリックとは→良い意味と悪い意味があります。良いほうの意味は、言葉を美しく巧みに用いて効果的に表現すること。悪いほうの意味は、相手を暗示にかける表現を用いて印象を操作する方法です。今日は悪いほうの意味で使います。

相手の誤謬を指摘する行為は、結論が立証されていない事を指摘する行為であり、結論を反証(矛盾点を指摘)する行為ではありません。

なぜなら、推論形式や前提が誤謬であっても結論がたまたま正しい場合があるためです。


推論形式の誤謬の例

「ポチは犬かつ哺乳類だ。だから犬はみな哺乳類だ」

これは2章で出た不当小名辞ですが結論はたまたま正解です。


前提の誤謬の例

前提1.すべての鳥は空を飛べない。
前提2.ペンギンは鳥である。
1と2より.ペンギンは空を飛べない。...(結論)

これは前提1が誤っていますが結論はたまたま正解です。

ゆえに誤謬を指摘するだけならば、「その結論は正しいとは言えない」とまでしか言えず、「その結論は必ず誤りである」とまでは言えません。


反証(矛盾点の指摘)の例

A氏 「犯罪が増加している。だから警官を増やす必要がある」
B氏 「政府の統計によると犯罪は減少しています」

A氏の結論とB氏の証拠は同時に存在できない(矛盾する)ので、A氏は証拠を否定するか結論を撤回するしかありません。そしてA氏が証拠を否定できなかったときに初めてA氏の結論が反証されます。


・詭弁・レトリックの知識は悪用されるかもしれませんが、ニセ科学の詐欺を見抜けるのが科学者、超能力者のトリックを見破れるのが手品師であるように、詭弁・レトリックのタネを公開することには意味があると思います。

つまり常識化してしまえば使えなくなるわけです。幼稚園児が「バカ」「アホ」という言葉をよく使うのに大人が使わない理由は、使う人のほうがレベルが低いと認識されて不利になるからです。

かつ自己流で議論をすると自力で詭弁をひらめくこともあり、さらに間違いに気付くまでに長い時間がかかります。それなら最初にまとめて覚えたほうが効率が良いはずです。

でもだからと言って、相手が誤謬を言ったときに「お前が言ってるのはナントカの誤謬という詭弁だー!」と攻撃的に断定してしまうのは良くありません。悪意があるとは限りませんし、そこで揉めて議論が終わってしまいます。

他者をすぐに敵とは見なさずに解釈をすり合わせましょう。議論の参加者と見学者が「この人がいたおかげで考えを整理できた、新しい考え方に気づいた」と思って終わるのが最高の終わり方だからです。

いま俺がいいこと言った!


※例題の答えは背景と同じ色なのでマウスでドラッグしてください。

※このサイトの例文は私が本気で主張しているわけではありません。気に入らない場合は別の例に置き換えて検証してみてください。

みんな!オラにちっとつ元気を分けてくれ!Tweet



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