スマラン事件を個人の犯罪と言うためには

従軍慰安婦問題否認論は、たいてい「軍や官憲による暴力的な強制連行はなかった」と問題を矮小化させつつ、正しくないことを主張するわけですが、これに対し、例えばスマラン事件のことを指摘しても、「いや、あれは個人的な犯罪であって、軍組織の犯罪ではない」という、テンプレート的な反論が返ってきます。それでは、この事件が個人的犯罪だ、と主張できるようにするためには、実行犯はどうすればよかったのか、考えてみました。

上官だからといって俺に指図するなよ。
事件を起こしたのは南方軍の幹部候補生隊ですが、その組織や命令系統を維持して、犯行を行ってはいけません。共犯者を集めるのは仕方ないにしても、「上官に命令されたから、犯行に加わりました」というのはなしです。あくまで個人的な意思で犯行グループに入りましょう。
犯行は軍の権限、資源を使わず、個人的に。
収容所から女性を連れ出す時も、日本軍人と名乗ってはなりません。私服で収容所に行って、「名乗るほどの者ではありません。そちらに収容されている女性を慰み者にしたいので、何人か引き渡してください」と交渉しましょう。もちろん、女性を連行するための車両、監禁する建物も、日本軍のものを使ってはいけません。監禁している女性を監視するのも非番の時にしましょう。
犯行の利益は犯行グループで独占します。
女性を監禁したのは、あくまで、個人的な欲望を満たすためなので、軍慰安所の設置運営のためではない。従って、犯行グループ以外の人間に女性を監禁した場所に近寄らせてはいけません。