図●軽量Rubyフォーラムの組織構成
図●軽量Rubyフォーラムの組織構成
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 軽量版のRubyである「mruby」について、推進役となるNPO法人が正式に発足した()。名称は「軽量Rubyフォーラム」。理事長はRubyおよびmrubyの生みの親である、まつもとゆきひろ氏が就任した。

 mrubyのコアのソースコード自体は、2012年4月にgithubで既に公開されているが(関連記事)、軽量Rubyフォーラムでは、コア以外の周辺ライブラリやツールなどを集約し、配布するなどメンテナンスを担う(軽量Rubyフォーラムの説明資料)。

 mrubyはさまざまな機器への組み込みや、スマホアプリおよびゲームソフトへの組み込みを想定しているため、C99の範囲のみで実装するなど移植性を重視している(関連記事)。OSがない環境も想定しているため、コア自体にはファイル関連やネットワーク関連の機能も備えていない。

 ただし、実際にはsocketなどネットワーク関連の機能やファイル関連の機能などが必要なケースは多い。例えば、インターネットイニシアティブ(IIJ)は既にmruby向けにsocket関連やファイル関連機能を独自に実装している。こうした機能は将来的に軽量Rubyフォーラムが集約し、再配布するなどの管理を行っていくとみられる(関連記事)。

 軽量Rubyは、まつもとゆきひろ氏が、組み込み分野に強みを持つ福岡県の企業や大学などと共同で経済産業省の「地域イノベーション創出研究開発事業」として開発したものである(関連記事)。iPhoneアプリをRubyで開発できるようにするためのソフト「MobiRuby」など(関連記事)、mrubyを基にして作られたソフトウエアが既にいくつか登場している。