前フランス代表監督のレイモン・ドメネク氏(57)が、パリ15区の雇用センター(職業安定所と失業手当給付を一括して担当する機関)を訪れたという。フランスのラジオ局「ユーロップ1」が24日、目撃者の証言をレポートした。

 ドメネク前監督を目撃したという男性は、「きのう(23日)の午後、職安の面談に行ったら、ドメネクが入って来たんだ。失業手当のことで担当者に面談を申し込みに来たんだろうね。彼はまったく飾り気がなかったよ。すぐに職員が何人か飛んで来て、目立たないよう奥の個室に案内していたね」と証言した。

 ドメネク氏は7月31日をもって代表監督としての契約が切れた後、通常なら籍を置くフランスサッカー連盟(FFF)の技術強化本部(DTN)に戻り、監督などの指導を行なう職務に就くことになっていたが、FFFは今月初めまでに「重大な過失」を理由にドメネク氏に解雇を通告した。

 フランスの労働法では、被用者を解雇する場合、雇用者は相応の補償金を払う義務があるが、被用者の職務に「重大な過失」があった場合はその義務が免除される。FFFはドメネク氏を解雇した際、W杯南アフリカ戦の試合終了後、相手チームのペレイラ監督の握手を拒否したことが「重大な過失」にあたると主張した。

 ドメネク氏には解雇理由を不当として労働裁判所に提訴し、補償金を請求する権利もあるが、現時点でそのような手段はとられていない。一時は、その他の理由も含めて、200万ユーロ(当時のレートで約2億2500万円)にのぼる賠償金を求める可能性があるとも報じられたが、実際には世論の厳しい目を考慮して、解雇を受け入れた模様だ。

 その代わり国からは、通常の失業者と同様、失業手当の給付を受けることができる。ル・パリジャン紙が24日に報じたところでは、ドメネク氏には50歳以上の労働者に支払われる上限額の5600ユーロ(約64万円)程度を3年間にわたり毎月受給する権利が生じる。ちなみに監督時代の月給は4万5000ユーロ(当時のレートで約500万円)、DTNの給与は月1万2000ユーロ(同約135万円)だった。