AKB48をめぐる妄想

AKB48にハマった私「カギ」が、好き勝手なことを述べるブログです。

伝える技術と伝えたい気持ち

2010-11-17 14:06:44 | Weblog
 昨日のチームB公演について、夜中に書きかけたまま寝ちゃったので、昼休みに加筆してあげておく。早い方が良いかなということで。

 予めお断りしておくが、このブログではいつも「私には」どう見えたか、「私が」どう感じたか、ということを述べている。同じステージを見ていたとしても、人によって見え方や感じ方は違っていて当然だし、私の見方や感じ方が真実だとか正しいとか主張するつもりは毛頭ないので、私の感想と違う感想を持ったからといって、怒ったり絡んだりすることのないようお願いしたい。と、いつものように前置きをしたところで本題に移る。

 7人休演のチームB公演を見て来た。つまり、メンバーのうち9人が出演し、アンダーの、日頃同じセットリストをやっている研究生7人と、ほぼ半々でステージを作り上げることになる。私としては、少々公演間隔が空いたとは言え、これだけ「メンバー」と「研究生」の待遇に差があるのだから、それに見合うくらいの、さすがメンバーだという貫禄を見せてくれることに期待していた。しかし正直なところ、「私には」そのようには思えなかった。出演していたメンバー9人のうち、私の目から見て、良かったと思うのは平嶋さん、近野さんだけ。少し大目に見て渡辺さん、かなり大目に見て小林香菜さんくらいまでだった。

 なるほどダンスを含めたステージングは、みんな上手になった。同じフリをやっているように見えて、動きに抑揚があるというのか、動きを止めるべきところでピシッと止め、動かすところでは緩急を調節することで美しく見せる技術については、やはり研究生に比べて一日の長があると思う。加えて、メロディーや歌詞の内容に応じた「決めどころ」での表情や、客席とのアイコンタクトなどなど、さすがに手馴れている。その辺は素直に、さすがはメンバーだ、と言っておきたい。

 だけど、その小器用なステージングから、気持ちが伝わって来ない。あなたは、あなたたちは、一体このステージで、誰に、何を見せたいのか、自分の何を見てもらいたいのかが、まるで分からない。フリの一つ一つを頭でなぞらなくて良くなった分、その余裕をどこに振り向けるのか。AKB48自体がなかなか人気の出ないことを心配したり、研究生の不安定な身分に悩んだりしなくて良くなった分、人気グループの正規メンバーとして何が出来るのか。歌詞の世界をより深く表現しようと思うのか、ダンスをより大きく踊って、空間を大きく切り取って見せようとするのか。何を課題として、何に挑戦しているのかが、メンバーの多くからは感じられなかった。

 極端な話、どんなに上手でも型通りに淡々とこなしているだけのステージよりは、少々下手でも、がむしゃらに腕を、身体を振り回すことで、本人の真剣さが伝わって来るステージの方に、人の心は動かされるものなのだ。というよりも、あなたたちはそもそも、1期生から7期生まで例外なく、そのような真剣さ、必死さを強みとして、今の位置に這い上がって来たのではなかったか。伝える技術だけ上手くなっても、伝えたい気持ちがどこかに行ってしまったのであれば、それは外箱の飾りだけ豪華で中身のない贈り物になってしまう。あなたたちはそんなものになりたかったのか。

 その中でも、特に心配になった人が何人かいた。誰と誰…といった名指しはしないでおくが、その中にはじゃんけん選抜に入った人もいて、既に心ここにあらずという感じすら受けた。その状態でAKB48を代表するCD選抜メンバーとして出て行くつもりなのだとしたら、惨憺たる結果を持ち帰ることになるだろう。加えて、外で浮かれている間に、劇場に戻って来る場所すらなくなる、という危機感を持つべきだ。

 劇場の250人の目を惹きつけられなかったら、どうして外で何千、何万という人の注目を集められるのか。劇場の近距離で、肉眼で見ている人たちの心を動かせなかったら、どうして大ホールの遠距離や、メディアを介して見る人たちを感動させられるのか。AKB48で「劇場が基本」というのは、そういうことだ。改めて心に刻んでもらいたい。

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13 コメント

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Unknown (daigen)
2010-11-17 14:39:58
是非ともその言葉を、運営に伝えて頂きたいものだ。
毎回公演を観ている劇場運営スタッフ達もその公演内容でも良しとしているから現在のような劇場運営がなされているのでしょう。
Unknown (JKL)
2010-11-17 15:23:51
同感!!!
さすがです! (ねるねるねるね)
2010-11-17 16:02:11
人によって賛否両論あるでしょうが、こういう事をはっきり書いてる意見が私は好きです。特に最後にまとめた文章はいいですね!
他のファンブログもそうですが、例えばみすとさんとかも「悪いのは悪い!」とはっきり伝える内容の方が、読んでいて胸を打ちます。
さすが古参さま、よく見てらっしゃる。そこらのライトなファンみたく、その場でただギャーギャー騒いで楽しいだけのファンしかいないような現場では、この先のAKB48の未来はありませんよね。
Unknown (遠方枠)
2010-11-17 22:36:23
先日、SDN(2期生)とTeamB(選抜組は全員不在)を連続で見る機会がありました。
両方とも初見だったのですが、SDNはとても楽しめたのに比べ、TeamBはなんかプロ野球の消化試合のように、淡々と終わってしまったという印象を持ちました。
公演後のハイタッチにしても、SDNは全メンバーが笑顔で元気良く応対してくれたのに比べ、TeamBは流れ作業みたいな感じ…。
ホームグラウンドであるAKB劇場の公演が消化試合じゃ困りますよね。
心が伴ってこそ (GG)
2010-11-18 00:09:45
「伝える技術があってもと伝えたい気持ちがなければ・・」深く納得させられつつ、拝読させていただきました。該当メンバーが誰であるのかは、定点観測のままならない、オンデマ映像上ではわかりかねますが、なんとなく、目星はついています(笑)。

今回のエントリーで、「心如工画師」(しんにょくえし)という華厳経の言葉を思い出しました。 「心は巧みなる画師のごとし」。絵画でも音楽でも心磨かざれば良い音楽は奏でられず、たとえ、技術があろうとも聴衆に感動は及ぼせません。心技体とはいいますが、やはり心こそ一番であり。その上に、技も体もあるというものです。

今や、「国民的アイドル」の称号をいただくに至った超人気グループが、雑居ビルの1フロアを根城にしているという事実は、一般の人々にとって俄かには信じがたきものであり、ある種の奇跡すら感じさせられます。その、落差のある意外性を覚えさせる事実こそが、秋元Pを所得顔にさせるAKBの真骨頂なのかもしれません。

しかしながら、「がむしゃらさ」、「ひたむきさ」、「真剣さ」という、AKBの根底のマインドに同化しない姿勢の公演が行われるのであるならば、潔く、「会いに行ける劇場アイドル」のメインコンセプトは撤回するか、さもなくば真摯な姿勢の研究生限定のものにすべきではないでしょうか。昨今の劇場公演の在り方の諸問題を鑑みるならなおさらです。
 
>劇場の250人の目を惹きつけられなかったら、どうして外で何千、何万という人の注目を集められるのか。

すべてのメンバーが滋味掬すべき素晴らしい至言だと思います。
誰かはさて置き (夜勤中の合間に)
2010-11-18 02:26:00
読んでいて、ちょっと感動すら感じました。
何故なら、個人的に自分も似たような気持ちになったことが過去にありましたので。
(この公演ではありませんが)
やはり同じ意見をお持ちの方がいましたか!
オンデマンドですらモノ足りなく映って「このコはこんなもんじゃなかったハズ?」と薄々思ったことがありましたが。
生の現場で観察すれば一目瞭然かもしれませんね。
人気絶頂の今だからこそ、劇場を1番に大切に取り組んでほしいです。
Unknown (マサ)
2010-11-18 03:38:06
自分を彼女たちと同世代に置き換えて考えると、求めてることが大き過ぎるように思えます。彼女らの年代のときに、自分のやっていることで、まわりにどう影響を与えるかなんて考えもしなかったですし。カギさんの人生の経験値とメンバーの経験値のギャップがあると思います。
とはいえ良い悪いを決めるのはお客さんなわけだから、その感想を伝えるシステムがあれば、メンバーには刺激になっていいと思うんですけどね。
舞台監督さんは、修正しなければならないことを伝えてないんですかね?お客がわかることだったら、気がつくと思うんですけど。
日々の成長には、大人たちの力が必要だと思います。

長々とすいません。     
Unknown (JJ)
2010-11-18 20:07:51
現状、ある程度は仕方ないことかもしれません。
選抜メンバーが忙しくなればなるほど、たまにしか公演のない非選抜メンバー。
公演をいくら頑張ってもセレクションで落とされる研究生。
モチベーションを保つのも難しいでしょう。
だからといってそれに甘えていては成長も止まってしまいますが。
年末に向けて、さらに忙しくなっていくと思うけど、売れまくっている今こそメンバーも運営もファンも原点を見直す時なのでしょう。
ありがとう (sucker)
2010-11-18 23:56:02
いつも意味の深い文章を拝読させていただいて、この新参AKBファンにとってはとてもありがたいことです。
Unknown (utauinu)
2010-11-19 03:11:58
原点回帰とみなさん口を揃えていいますけど、果たしてそれは可能なことなのでしょうか?
少なくとも現在メディアに引っ張りだこであるような人気メンバーには難しいような気がします。
昔が劇場第一というスタンスを実現できていたことは事実でしょうが、それはほとんど世間からの知名度がなかったメンバーにとって頼れるところ、唯一の拠り所が劇場しかなかったからうまくいってたのではないでしょうか?
超人気アイドルグループとなった現在、取材やグラビア、収録、各種イベントが毎日詰まっていて、劇場公演に出演できない、というような状態は、むしろ彼女たちにとっては自分の夢の実現に一歩近づいているという喜ばしい事態なのかもしれません。そりゃあのちっぽけな劇場で認められるよりも、メディアを通してもっと大きな世間に認められたいと思う方が普通でしょう。そして実際彼女たちはもう認められているのですから。
原点回帰をするには、メディアへの出演を制限してチーム公演を維持できる状態に戻すか(果たして彼女たちはこれを望むのか?そりゃ一部のわかってるメンバーは納得するかもしれないが)、人気メンバーを卒業させて世間からの人気のないグループに戻すか、干され面やいまの研究生を集めて新たな一つのチームなり劇場を作る、とかかなぁと妄想してみました。あっあとチームをメディアを対応する超選抜メンバーと劇場を担当する干されメンバーの二つにわけるのもありかも。
まぁどういう手段を講じるにせよ、akbの組織体系は大きく変わってしまうでしょうね。多くのメンバーにとっては今のakbの状態が満足であり幸せなんだろうなと思います。
長々と失礼しました。思うところがあったので書いてしまいました。

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