福島県、家畜殺処分へ立ち入り 警戒区域の南相馬市
福島第1原子力発電所から半径20キロの警戒区域内で、餌や水を与えられずに死にそうになっている牛や豚、ニワトリなどの殺処分を始めるため、福島県は25日、区域内への立ち入りを始めた。
原発事故で立ち入りが規制された地域内での殺処分は法律で規定されていないが、県は衛生上の観点から独自に処分を始める。
県によると、殺処分のために入るのは南相馬市の小高地区。昨年10月時点で牛887頭、馬80頭、豚約6200頭、ニワトリ約26万羽が飼育されている。県は所有者の同意を得て、死にそうな家畜に限り殺処分する。
小高地区は津波の被害も受け、91戸ある畜舎のうち損壊、流失したところもある。住民も避難していることから、家畜の所有者と連絡を取るのは困難も予想される。
県家畜保健衛生所の職員6人が2班に分かれ、放射線量を測りながら作業。警戒区域内は防護服とマスクを着用し、1日の被ばく放射線量の上限を50マイクロシーベルトに定めている。〔共同〕