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リコーは10月をメドに、HOYAが「ペンタックス」ブランドで展開するデジタルカメラ事業を買収する。ペンタックスの一眼レフ技術などを取り込み、成長市場の新興国を中心に事業を拡大する。デジカメ市場ではリコーが得意とするコンパクト型の価格競争が激化しており、中堅の業績が悪化している。主要メーカーだけで国内に9社がひしめくデジカメ業界は集約が不可欠で、本格的な再編が始まりそうだ。(略)

リコーは5月末に今後3年間でグループ全体の1割にあたる1万人の削減を決めた。主力の事務機事業の勢いが鈍化しており、消費者向け製品を強化して収益源の多角化を急ぐ。デジカメ事業は赤字だが、HOYAが築いてきた欧米での販路を取り込み、新興国にも拡販すれば十分に成長が見込めると判断した。

HOYAは07年に内視鏡など医療機器事業の拡大を狙いペンタックスを買収。08年に合併したがデジカメ部門は赤字が続いていた。生産拠点の海外移管や機種数削減などの合理化で前期に黒字転換したが、好採算の医療機器などに経営資源を集中する。

カメラ映像機器工業会(CIPA)の予測によると、11年の世界のデジカメ市場は前年比7%増の1億3100万台と過去最高を更新する見通し。ただコンパクト型は6%増にとどまるうえ、価格競争は年々激化している。

このためデジタル一眼を手がけるキヤノンやニコン、ソニーなど上位企業が業績を伸ばす一方で、カシオ計算機やリコーなどコンパクト型しか手がけていないメーカーは苦戦が続いている。

— 「リコー、『ペンタックス』を買収 HOYAから、デジカメを強化」, 日本経済新聞(夕刊), 2011年7月1日.