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「パチンコのような単純さ」で1000万ユーザー獲得 グリー田中社長が語るヒットの極意CEDEC 2010(1/2 ページ)

» 2010年09月02日 14時37分 公開
[宮本真希,ITmedia]
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 携帯電話向けソーシャルゲームが盛り上がっており、GREEの「釣り★スタ」のように1000万ユーザーにプレイされるゲームもある。1000万規模のヒットを狙うにはどうすればいいのか。ゲーム開発者向けイベント「CEDEC 2010」のパネルディスカッションで、グリーの田中良和社長は、パチンコやテレビのような“単純さ”が必要と説いた。

 田中社長は、GREEにゲームを提供するスクウェア・エニックス・ホールディングスの原口洋一専務、芸者東京エンターテインメント(GTE)の田中泰生社長ととともに、ソーシャルゲームとパッケージゲームの違いなどを語った。モデレーターはエンターブレインの浜村弘一社長が務めた。

「1000万ユーザーいかないとヒットじゃない」

 GREEは2125万会員。携帯版とソーシャルゲームに力を入れ始めた2007年後半から会員数が急激に伸びた。若い世代が多いかと思われがちだが、30代が26%、40代以上が18%を占め、さらに増加傾向という。


画像画像 登録会員数の推移と会員属性

画像 グリー田中社長

 ソーシャルゲームは順調で、「釣り★スタ」など1000万ユーザーを突破するタイトルも。「1000万ユーザーいかないとヒットじゃないなという感覚」(グリー田中社長)だ。シミュレーションや対戦ゲームのほか、最近は恋愛ゲームの利用が伸びているという。

 GREEのゲームが人気を集めている要因についてグリー田中社長は、(1)携帯でいつでもどこでもできる、(2)ソーシャルだから大人数で楽しめる、(3)アイテム課金制によって無料で遊ぶことも可能――という3点を挙げる。

 GREEで1000万ユーザー規模のヒットを狙うには、「相当単純じゃないと」とグリー田中社長。「パチンコなんて(ハンドルを)回すだけ。テレビもボタンを押すだけで面白い。(ソーシャルゲームも)ああいうものでなければ」。実際、GREEのヒットゲームには、決定ボタンを押すだけでプレイできる簡単なゲームが多い。

 仮想店舗を開き、ユーザー同士で商品を売買して“おみせやさんごっこ”を楽しめるGTEのゲーム「おみせやさん」は、GREEで提供を始めてから約1カ月で100万ユーザーを突破。多い日には1億ページビューを稼ぐ。「1億ってヤフーや楽天といったでっかいところの話かと思ったら、僕らのゲーム“ごとき”でもいける」と、GTE田中社長は驚く。

 スク・エニは、GREEで育成RPGの「チョコボとクリスタルの塔」や「ナイツオブクリスタル」を提供している。同社は以前から、ソーシャルな要素やアイテム課金を盛り込んだオンラインゲームを開発・運営しているが、2000万というGREEの会員ベースは「魅力で、参入する意義になりうる」と原口専務は話す。

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