男一匹ガキ大将

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男一匹ガキ大将
ジャンル 少年漫画ストーリー漫画
漫画
作者 本宮ひろ志
出版社 集英社
掲載誌 週刊少年ジャンプ
レーベル ジャンプ・コミックス
発表号 1968年11号 - 1973年13号
巻数 全20巻
アニメ
監督 若林忠雄、富野喜幸
脚本 吉田進、山崎忠昭雪室俊一
音楽 小山恭弘
アニメーション制作 東京テレビ動画
放送局 日本テレビ放送網
放送期間 1969年9月29日 - 1970年3月28日
話数 全26話(※全156回放送)
映画
監督 村野鉄太郎
制作 勝プロダクション
封切日 日本の旗 1971年3月6日
上映時間 80分
テンプレート - ノート

男一匹ガキ大将』(おとこいっぴきガキだいしょう)は、本宮ひろ志による日本漫画作品。また、それを原作としたテレビアニメ作品、実写映画作品。

概要[編集]

集英社の漫画雑誌『少年ジャンプ』(1969年より『週刊少年ジャンプ』に改名)にて1968年11号から1973年13号まで連載。単行本はジャンプ・コミックス全20巻、集英社漫画文庫版全20巻、JCDX全12巻、集英社文庫コミック版全7巻(後半部未収録、後述)。

父の魂』の休載に伴う穴埋めとして連載を開始し、永井豪の『ハレンチ学園』とともに、少年誌としては後発の『週刊少年ジャンプ』を一躍人気少年誌に押し上げた立役者である。また、人気は作品だけに留まらず、作者である本宮のグラビア特集なども『週刊少年ジャンプ』誌上に掲載され人気を博し、若い女性ファンが本宮の仕事場にまで押しかける事態にまで発展した。

本作に影響を受けた漫画家は多く、車田正美は本作を読み漫画家を志しオマージュ作の『男坂』を執筆。原哲夫は『猛き龍星』が本作のリメイクであると単行本で語っている。

ストーリー[編集]

男気のあるガキ大将・戸川万吉とがわ まんきち)がケンカを通じて次々に子分を増やしていき、ついには日本中の不良を従える総番にまで登りつめ日本を動かす男となる物語。

本宮自身は「富士裾野での決戦において、万吉がヤリに突き刺され完結」という原稿を残して逃亡したが、編集側の説得により「万吉が日本一のガキ大将」になった時点まで続け、連載を終了しようとした。当時人気絶頂だった本作をジャンプ編集部は終わらせることを許さず、無理矢理続きを描かされていたという。当時の担当編集者だった西村繁男は、原稿の最後に書かれていた「完」の文字とヤリに突き刺された体を独断で修正液をかけて消したと自著で語っている[1][2]。その後、万吉と銀次が船出するシーン(ジャンプコミック版16巻)で一度連載を終了させたものの、次回作として連載された『武蔵』が不振に終わったため、連載を再開させられている[3]。そのため、1995年に出た文庫版では本宮の「読み返す気になれない」という意向で後半は収録されることはなく、最終巻後書きで、未収録分を見たいなら古本屋を当たってほしい、と述べている。そのため、電子書籍でもジャンプコミックス版の11巻分までしか復刻されていない状況が長く続いていたが、2018年3月に連載開始50周年記念として12巻以降の電子書籍化が実現した[4]

後半では原油価格の急騰に抗するため、全国の不良らを率いて中東まで直接原油の買い付けに向かっている。また、万吉と友子が結婚して、子供の億吉が誕生するエピソードもある。

番外編[編集]

番外編の読切作品が数作存在する。連載が一度終了した際の船出のシーンの後の船中での出来事(ニセ万吉の登場)のエピソード(ジャンプコミックス版16巻収録)、万吉の父親が若き日の頃のエピソード(ジャンプコミックス20巻収録)、そして愛読者大賞で描き下ろされた新作エピソード(JCDX版に収録)などがあるが、いずれも現行で出版されているバージョンでは読む事が不可能になっている。なお、愛読者大賞で描かれた新作エピソードは「富士の裾野での決戦」でストーリーが終了している事を前提にした続編で、本編から完全に枝分かれした内容となっている。また1976年頃の月刊少年ジャンプでも「永遠の名作シリーズ」という企画で「万吉一家の休日」という番外編が掲載されており、本編では既に死亡したはずのキャラクターも生存していたりと完全に繋がりのない作品となっている。こちらは同1977年5月大増刊号に再録もされているが、単行本には一度も収録されないまま今に至っている。

登場人物[編集]

「声」はアニメ版の、「演」は映画版の配役

テレビアニメ[編集]

解説[編集]

1969年9月29日 - 1970年3月28日まで日本テレビ系で放送。全156回(全26話)。『週刊少年ジャンプ』原作漫画としては初のアニメ作品となる。

2018年10月26日にベストフィールドから初ソフト化となるDVDBOXが発売される。

2011年、AT-Xで全話が放送された[5]。2015年現在、@nifty:ShowTimeで全話がネット配信されている[6]

スタッフ[編集]

  • 企画 - 藤井賢祐
  • プロデューサー - 三島宏夫、高橋修之、岩田弘(第1 - 30回)
  • 美術 - 椋尾篁
  • 撮影 - 若林敬
  • 編集 - 鶴渕友彰
  • オーディオ演出 - 梓欣造
  • 音響 - 小川正城
  • 音楽 - 小山恭弘
  • 効果 - 大平隆義
  • 現像 - 東京現像所
  • 録音 - 番町スタジオ
  • 制作 - 日本テレビ、東京テレビ動画

主題歌[編集]

男一匹ガキ大将/仲間達の歌
宍倉正信/ザ・トラベラーズシングル
A面 男一匹ガキ大将
(歌:宍倉正信)
B面 仲間達の歌
(歌:ザ・トラベラーズ)
リリース
録音 1969年
ジャンル アニメソング
レーベル
作詞・作曲
  • 作詞:森本浩史
  • 作曲:広瀬健次郎
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いずれも発売元は東芝音楽工業(現:ユニバーサル ミュージック ジャパン)。

オープニングテーマ「男一匹ガキ大将」
作詞 - 森本浩史 / 作曲・編曲 - 広瀬健次郎 / 歌 - 宍倉正信
イメージソング「仲間達の歌」
作詞 - 森本浩史 / 作曲・編曲 - 広瀬健次郎 / 歌 - ザ・トラベラーズ

各話リスト[編集]

各週、月曜日から土曜日の10分枠で各話の第1回から第6回を放映。

放映フォーマットは毎週スタッフ名表記更新のオープニングと本編のみ。各回の個別スタッフ名は発表されていない。

回数 話数 サブタイトル 脚本 演出 作画監督
1 - 6 1 村一番のハッタリ野郎 山崎忠昭 若林忠雄 金沢比呂司
山崎隆生
坂本次男
7 - 12 2 傷だらけの英雄 雪室俊一
山崎忠昭
13 - 18 3 大将ツルツルテン 辻真先
19 - 24 4 決闘!180対1 布勢博一
25 - 30 5 水戸のババアがやってきた 山崎忠昭
31 - 36 6 万吉泣きべそ勝負 雪室俊一
37 - 42 7 命をかけた大勝負 山崎忠昭
43 - 48 8 万吉のぼり双六 雪室俊一
49 - 54 9 乞食の中の男一匹 山崎忠昭
55 - 60 10 万吉東京へゆく 辻真先
61 - 66 11 万吉一家東京集合 雪室俊一
67 - 72 12 走れ!イダテンキッド 山崎忠昭
73 - 78 13 おれは挑戦する
79 - 84 14 銀次出番 布勢博一
85 - 90 15 死ぬか生きるか百万円
91 - 96 16 万吉荒野の決闘 辻真先
97 - 102 17 危うし!一千万円 山崎忠昭
103 - 108 18 集まれ!ぼんくらども 辻真先
109 - 114 19 夢にまで見た億万長者 布勢博一
115 - 120 20 万吉、故郷を救え! 山崎忠昭
121 - 126 21 復讐の炎
127 - 132 22 決戦赤姫山
133 - 138 23 続・決戦赤姫山
139 - 144 24 万吉やぶれる
145 - 150 25 対決
151 - 156 26 最後の対決

放送局[編集]

映画版[編集]

スタッフ[編集]

配役[編集]

メインキャラ以外の出演[編集]

データ[編集]

  • 映倫番号 : 16518
  • 公開当時の指定 : 一般映画

イメージソング[編集]

  • 「男一匹ガキ大将」
    • 作詞:本宮ひろ志、作曲:森晃三、編曲:葵まさひこ、歌:ブレーバー(森晃三、西尾哲)
    • シングル「男一匹ガキ大将/時間を下さい」CBS・ソニー、規格品番:EPDG-81005に収録

脚注[編集]

  1. ^ 「さらばわが青春の『少年ジャンプ』」(飛鳥新社)p.201。
  2. ^ 「天然まんが家」(集英社)p.110
  3. ^ ジャンプスーパーコミックス「武蔵」1~3巻のカバー折の著者欄に記述有
  4. ^ 本宮ひろ志『男一匹ガキ大将』50周年記念!!12巻~22巻を初電子化&『こううんりゅうすい<徐福>』独占先行配信!大日本プロレスとのイベントマッチにeBookJapanが協賛(株式会社イーブック イニシアティブ ジャパン、2018年3月1日 18時22分)
  5. ^ 男一匹ガキ大将  番組  AT-X ワンランク上のアニメ専門チャンネル http://www.at-x.com/program/detail/3064
  6. ^ 男一匹ガキ大将 アニメ 動画は@nifty:ShowTime(ショウタイム) http://www.showtime.jp/app/series/page/ser150000001223/
  7. ^ 河北新報』1971年9月18日付朝刊、テレビ欄。
  8. ^ 『河北新報』1970年10月5日 - 10月30日付朝刊、テレビ欄。
  9. ^ 福島民報』1971年7月4日 - 1971年12月26日付朝刊、テレビ欄。
  10. ^ 静岡新聞』1978年3月14日、4月24日付朝刊、テレビ欄。
  11. ^ 『静岡新聞』1979年3月30日付朝刊、テレビ欄
  12. ^ 北國新聞』1970年2月2日 - 2月6日付朝刊テレビ欄より。
  13. ^ 北日本新聞 1980年2月18日付朝刊テレビ欄より
  14. ^ 北國新聞 1972年11月1日付朝刊テレビ欄より。
  15. ^ 知久秀男東宝、2015年3月3日閲覧。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]

日本テレビ 月 - 土帯18:35 - 18:45枠
前番組 番組名 次番組
夕やけ番長

上記の再放送
男一匹ガキ大将

本作の再放送