最近の自分の食生活を顧みてみると、それはもう粗末なもので。カップラーメンだわ、コンビニ弁当だわ、ポテトチップだわ……。

しっかり栄養が付くものを摂取するのがいいとはわかってるのだが、好きな食べ物がジャンクフードやスイーツに集中してたりするから、我ながら心配な体である。

そんな時、要チェックな情報を入手! 原宿に居を構える「パフェスタジオ」では、11月よりミドリムシが入ったソフトクリームを販売しているという。その名も『ミドリムシソフトクリーム M-59』(400円)。

それにしても、何が目的でソフトクリームにそんなものを……。実際にお店に伺って、話を聞いてみた。
「ミドリムシにはビタミンやアミノ酸、ミネラル、不飽和脂肪酸など59種類の栄養素が含まれており、これを摂取すれば人間に必要なものは全部摂れるんです」(同店・佐々木さん)

ミドリムシを食べると満遍なく栄養が摂れ、体が健康になるらしい。

「そこが、当店のコンセプトにピッタリでした」(佐々木さん)
“コンセプト”とは? 実は、ココはスタッフとして読者モデルの女の子たちが常駐しているお店なのだ。彼女らが美容やダイエットに敏感なのは言わずもがな。

以前より同店のソフトクリームは、小樽から取り寄せた素材の味そのものを活かして製造されていた。だからこそ、すべてのソフトクリームには砂糖がほとんど使われておらず、しかも甘くて美味しい。要するに、食べても太らないソフトクリーム。
その上、ミドリムシを混ぜたとしたら……。

「ダイエットでご飯を食べない子や、偏食している子にいいんじゃないかと思っております。甘い物が食べれて、しかも人間に必要な栄養素が摂れるんです」(佐々木さん)

じゃあ、どうやってミドリムシを入れているのか? これは、さすがに専門家の協力を仰いでいる。東京大学内にて活動しているベンチャー企業「ユーグレナ」がミドリムシを乾燥させて培養して粉末状にしており、それをソフトクリームに混ぜているのだ。

この“ミドリムシ粉末”を実際に見せていただいた。見た目は、なめらかな抹茶色。手触りは、どことなくきな粉みたいな。
臭いを嗅いでみると、なんだか川っぽい。ついでに舐めてみると……。う~ん、海草みたいな、少ししょっぱいような。
「これを大量に混ぜると万人ウケもせず、食べた方が『もう、いいや!』となってしまいます。甘くて、美味しくて、健康にもいい分量で配合するのが大変でした」(佐々木さん)

そんな苦心作の『ミドリムシソフトクリーム M‐59』、食べてみました。本当に美味しいのだろうか? ……美味しい。
小樽の素材が活かされているというのが非常に頷けるまろやかさ。ちょっと、チーズっぽさもあるのかなぁ? 色味に、ミドリムシの面影は残っておらず、純粋ホワイト。
「始めは先入観もあり躊躇されることもありますが、食べれば皆さん『美味しい!』と言ってくれています」(佐々木さん)

またこのお店、普段は女子小中高生の来店が多いとのことだが、
「ミドリムシソフトの販売を開始して以来、男性のサラリーマンの方もお見えになります」(佐々木さん)
偏食気味なサラリーマンからの注文も多く寄せられる。実は、彼らにこそ有効なソフトクリームでもあったりする。

ただ、魅力的なだけに問題点が1つだけ。この『ミドリムシソフトクリーム M-59』が食べられるのは「パフェスタジオ」のみなのだ。
他地域の子たちが、このソフトクリームを食べる手段はないのだろうか?
「現在は店舗でソフトクリームを作っているのですが、今後は小樽にレシピを渡して、そこから全国に卸すという方法も考えております。たとえば、ホテルとかスーパー銭湯などで気軽に食べていただけるように展開していきたいです」(佐々木さん)

最終的には、ソフトクリームだけでなく『ミドリムシアイス』も開発し、コンビニ等で1年を通し購入できる形にしたい。
「皆さんが手軽に手に取っていただけるようにしていきたいですね」(佐々木さん)
日本中が気軽にミドリムシを食す。そんな時代が、もうすぐ訪れるのだろうか? 事実、“ミドリムシのカステラ”を販売しているお菓子屋さんもあるそうだし……。

ちなみに、ミドリムシとは“昆虫”ではなく“微生物”のことなので、妙に心配する必要はないです。いわゆる“ゲテモノ食い”とは、まったくの別物! 誤解なきように(笑)。

(寺西ジャジューカ)