秋田県仙北市の玉川温泉の温泉水からレアアース(希土類)の採取に成功したと秋田大学工学資源学部の研究グループが発表したそうです。
温泉水からレアアースを採取する方法は、以下の通りになるようです。
1. 強酸性の温泉水を採取する。
2. 温泉水に水酸化ナトリウムを加えて中和状態にする。
3. 温泉水に含まれている鉄やアルミニウムにレアアースを付着、沈殿させて固形物として取り出す。
上記の方法で、1リットルあたり0.15ミリグラムのレアアースを採取したそうです。取得できたレアアースは14種類で、ジスプロシウム、ユーロピウムなどが確認できたそうです。この方法を使えば、玉川温泉で湧出している温泉水から、年間約520キロのレアアースが採取可能になるそうですよ。
研究グループを率いる秋田大学工学資源学部の柴山教授によると、「他の温泉(強酸性)でも同様に採取できる可能性が高く、海底などにあるレアアースの分離にも転用できる。しかし、玉川温泉については採取できる量が少ないため、商業ベースに乗せるのは難しい。」とのことです。
最もpH値が低い強酸性の温泉が玉川温泉だったので、現在の技術をそのまま使って商業ベースに乗せるには、更にpH値が低い強酸性の温泉を海外などで探すしかないようですね。
とは言っても、レアアースも含め資源の少ない日本においては、研究開発を進めて玉川温泉で採算に見合う成果を出して、pHが少し高めの強酸性の温泉である草津温泉辺りでもレアアースが採取できるようになるのが理想になるのでしょうかね。今後の研究に期待したいです!
温泉からレアアース採取、秋田大グループが成功[読売新聞]
Photo by zach.hodgson
(KENTA)