小橋「あと1試合」 2・26引退試合で完全燃焼へ
ノア両国大会
(12月9日 両国国技館)
鉄人がついに引退を決断した。小橋建太(45)が両国大会のリングに上がり、自らのプロレスができないという理由で「あと1試合で引退」と表明した。7月下旬に首の手術を行ったことを明かし、完全復活を目指しリハビリやトレーニングを続けてきたものの、現役続行は不可能と判断した。引退試合は、デビュー25周年となる来年2月が有力だ。
悔しそうに「引退」の2文字を口にした。第5試合終了後の午後4時31分。入場曲の「GRAND SWORD」とともに黄色いネクタイをしたスーツ姿の小橋がリングに足を踏み入れた。マイクを握ると「復帰を目指して頑張ってきましたが、依然状態が悪く、完全復活は無理と判断し引退することを決意しました」と絞り出した。その瞬間、7500人のファンから「辞めるな!」の大声援。小橋は思い出が詰まった赤コーナーに足を運び、コーナー上部を軽く3回叩くと、自身の背中をコーナーに傾け、別れを告げた。
数々の大ケガやがんを克服した鉄人の肉体は限界に達していた。最近は、首の古傷の影響で両手や足に力が入らずに満足なトレーニングができなかった。医師からは「引退するか、手術するか決めてほしい」と最後通告を突きつけられ、悩んでいたという。7月22日の盟友、力皇猛の引退試合での復帰を目指したがかなわず、骨盤から骨を取って首に埋め込む手術に踏み切った。だが、除去した骨盤の代わりにセラミックを埋め込んだものの、その周辺の部分が骨折。上半身しか練習ができない状態に追い込まれた。11月にはノアサイドと話し合い、引退を決断した。
引退試合について明言を避けたが、デビュー25周年となる来年2月26日が有力。「(術後)6カ月すぎれば、骨もついて練習もできる。最高のコンディションと体をつくってもう一度みんなの前で試合をしたい。もう一度リングに上がって完全燃焼して自分のプロレス人生に区切りを付けたい」と言葉に力をこめた。人並み外れた不屈のファイト、超人的な技のオンパレード。小橋の試合で大声で笑い、泣いたファンよ。史上最強レスラーを最高の形で送り出そうではないか。
◆小橋 建太(こばし・けんた)本名・小橋健太。1967年(昭42)3月27日、京都府福知山市生まれの45歳。京セラを退職し、全日本に入団。88年2月26日の大熊元司戦でデビューし、00年からノア。06年6月29日、精密検査で腎臓がんが見つかり、手術・治療のため長期欠場。奇跡の復帰を果たしたが、その後も肘や膝のケガで欠場と出場を繰り返した。10年に演歌歌手のみずき舞と結婚。必殺技は剛腕ラリアットにマシンガンチョップ、月面水爆。1メートル86、115キロ。血液型B。
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