2011年12月18日

【レイアウェイ・アンジェル】、1万ドルの肩代わりも!経済大国に9.730万人の貧困層?

111218レイアウェイ・エンジェル
■ウォルマートは今年から復活させた「レイアウェイ」の最終支払日となる16日、お取り置きサービスの取り扱いを終えた。レイアウェイとは、サービス手数料と頭金を支払い、60日〜90日かけて残金を支払った上で商品を受け取る「お取り置き」サービス。ウォルマートのサービス手数料は5ドルで、頭金は取り置きする商品合計額の10%となっている。対象商品は玩具と家電で、クレジットカードも所有できない貧しい家庭がこのサービスを利用する。最終支払日となる12月16日までに残金を支払えなければ、オモチャなどの商品を手に入れられないどころか、ペナルティとして頭金(10%)を失うことになる。
 この最終支払日を前に、アメリカ版「伊達直人」が各地に出現している。日本では昨年末から年始にかけ、タイガーマスクの主人公「伊達直人」を名乗って児童養護施設等への寄付行為が全国で相次いだ。アメリカ版「伊達直人」は、ウォルマートやKマートで他人のレイアウェイ残金を支払うのだ。
 ミシガン州グランドラピッズ地区のKマートでは6日、一人の女性が見知らぬ人のレイアウェイ残金を支払った。その匿名の女性は、オモチャをお取り置きにしている人を3人選び、10ドル分だけ残し、500ドル分支払ったのだ。そしてレシートに「一人の友人からメリークリスマス(Happy Holiday from a friend)」と残して店を去った(トップ画像)。この話がニュースで報じられた直後、同じKマートで、匿名の男性が13人分のレイアウェイ・アカウントの残金2,000ドル分を支払ったのだ。さらに、このシークレットサンタの話題が全米に広まるや、各地のKマートやウォルマートで見知らぬ人のレイアウェイ残金を支払う「レイアウェイ・エンジェル」「レイアウェイ・サンタ」が現れている。そして、カリフォルニア州ヘイワード地区では、最終支払日にも支払えなかったレイアウェイ残金に1万ドルを肩代わりする人も現れた。
11年12月9日 - 【BF&CM反動】、今は安売りよりレイアウェイ!チェーンストアに伊達直人が現れた?

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。当ブログでも以前、紹介したアメリカ版「伊達直人」が全米各地に広がっています。といっても無論、伊達直人ではなく「シークレット・サンタ」「レイアウェイ・サンタ」「レイアウェイ・エンジェル」と呼ばれています。アメリカは経済大国ですが、超格差社会でもあります。最近発表された国勢調査局のデータによると9,730万人が低所得層もしくは貧困層としています。調査法を変えたら以前の6人に一人ではなく、2人に一人の割合であったそうです。で、貧しさのしわ寄せは、子供にきます。公立学校に通う5歳〜17歳までの児童・生徒5,400万人のうち、45%が深刻な貧困状態にあるとされています。そういった場合、親はたいてい失業中で、住宅ローンが支払えなくなり、スラム街での生活を余儀なくされているのです。貧しい家庭の子供たちは毎日の食べ物にも困っていると聞きます。
 したがって、子供のプレゼントをレイアウェイできる親は、まだよいほうかもしれません...

11年9月15日 - 【貧困】、貧困が6人に1人に迫る!カネはなくともモノはあるアメリカのラブユー貧乏?
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