ステーショナリー・文房具/長く使いたい万年筆

210円で買える本格万年筆登場!

万年筆と言うと、少なくとも数万円から、というイメージがあります。このほどプラチナ萬年筆から発売されたプレピーはなんと210円。しかしながら、実に万年筆らしい万年筆に仕上がっています。その魅力に迫ります。

土橋 正

執筆者:土橋 正

ステーショナリーガイド

万年筆の価格は、上は希少性の高い素材を使うなど、高いものをつくることはある意味いくらでもできそうだ。一方、低価格でとなると、これはなかなか一筋縄ではいかない。安くするにはやはり限界というものがあると思う。

そうした中、プラチナ萬年筆が今年の初めに「プレピー」という万年筆を発売した。その価格はなんと210円。これはもう、ボールペンと同じくらいだ。

プラチナ万年筆 プレピー
プラチナ萬年筆 プレピー・万年筆〈03〉

低価格でありながら、そこはさすが老舗万年筆メーカーだけあって、万年筆らしさをしっかりと盛り込んだものになっている。

今回はプラチナ萬年筆社にお邪魔して、そのこだわりをたっぷりとうかがってきた。


プラチナ萬年筆とカートリッジの深いかかわり

プレピーというシリーズは、もともとサインペン、蛍光マーカーが先に発売されていた。そのいずもれも使い捨てではなく、カートリッジインク式になっているという特徴をもっている。

環境問題が叫ばれているという世の中の流れも、もちろんあるが、実は、プラチナ萬年筆とカートリッジインクとの間には深いかかわりがある。なにを隠そう、カートリッジ式の万年筆を初めて発売したのは、プラチナ萬年筆なのである。

カートリッジインクという得意分野を活かしたプレピーに、同社の十八番である万年筆を満を持して送り出してきたのである。

プラチナ万年筆 プレピー
万年筆のインクのカラーバリエーションは全6色


細部にわたってしっかりと作りこまれている

プラチナ万年筆 プレピー
カートリッジインクは、
プラチナ萬年筆の定番のものが使われている。

プレピーを店頭で買って、まず行わなければならないのが、カートリッジインクをセットするということだ。ある程度の価格の万年筆であれば、なにも珍しいことではない。しかし、こうした低価格帯ではあまり見かけないように思う。

とりわけプラチナ社のカートリッジのセットは気持ちいいものがある。どういうことかと言うと、同社のカートリッジインクの先端にはボールベアリングがついているという特徴がある。

プラチナ万年筆 プレピープラチナ万年筆 プレピー
カートリッジは半透明になっているので、インクの色、残量が一目瞭然
先端には
ボールベアリングが見える

そのボールがある側をペン先ユニットにグイと差し込むと、カチッと玉が外れてカートリッジの中に入っていく。この独特な感触とボールがカートリッジにの中にコロンと転がっていくのが何とも楽しい。この様に、このボールはカートリッジのフタとして機能していることもあるが、もうひとつ全く別な役割もある。それはインクを最後まできれいに使い切るということだ。同社のカートリッジは比較的長いため、どうしてもカートリッジの中にインクが残ってしまうことがある。そこで中に入ったボールがカートリッジの中で、コロコロと転がることで、内壁についたインクをペン先に呼び込むことができるのだ。これはプラチナ萬年筆が世界に先駆けて開発した特許技術である。

プラチナ万年筆 プレピープラチナ万年筆 プレピー
カートリッジをグッと差し込むと、
ボールベアリングが
カートリッジの中に入り込む

プラチナ万年筆 プレピー
透明感あふれるスケルトンボディ全身総スケルトンボディになっているので、ボディ越しからでもカートリッジのインクの残量を確認することができる。同じくスケルトンになっているキャップに目を移してみると、面白いものがついているのに気づく。それは、キャップの中にも小さなキャップがあることだ。

プラチナ万年筆 プレピー
キャップの気密性を高めるため
インナーキャップを備える

これは同社の高級万年筆にも採用されているインナーキャップと呼ばれるもの。ご存知のように、万年筆はペン先が空気に触れたままだと、乾燥してしまい書きづらくなってしまうことがある。万年筆にとっては、キャップの気密性はとても重要な問題だ。関心してしまったのは、インナーキャップの付け根にはバネがあり、ペン先をしっかりと密閉できるようになっている。こうしたことにより、書き出しから快適な筆記を楽しむことができる。

プラチナ万年筆 プレピー
おそらくこの手の価格帯のでは、
こうしたインナーキャップがあるのは珍しいと思う。


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