企業のつぶやきは、見ていて楽しいですよね。

単に商品・サービスの説明にとどまらず、ユルいtweetなどをしていて、見る人を楽しませてくれます。また一般ユーザーにも気軽にリプライしてくれるので、企業に対して親近感を覚えますね。

これら企業アカウントは「軟式」と呼ばれます。有名なところでは、NHK広報局(@NHK_PR)や東急ハンズ(@TokyuHands)などがあります。最近では神奈川県庁広報課(@KanagawaPref_PR)といった行政アカウントも登場しています。

さて、この軟式アカウントのつぶやき方を見ていて、もしかすると私たち一般ユーザーも参考になるような、「作法」のようなものがあるかもしれないということに気づきました

そこで実際に、東急ハンズのTwitter担当者(通称・中の人)に、日頃tweetする上で心がけていることについて聞いてみました。そして、そのインタビューを「つぶやきの作法」として10ヶ条にまとめましたのでご覧ください。

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 東急ハンズの「中の人」に聞いた!twitterをする時の作法10

1. できるかぎり毎日、決まった時間にお決まりのツイートをする

朝、出勤時に「ご挨拶ツイート」と「お返事」でコミュニケーションをするのが良いらしいです。決まった時間にTL(Time Line)に現れることでコンタクトをとりやすくしているとのこと。例えば、10時過ぎにオフィスに到着したら「オフィスについったー。」とつぶやくといった具合です。

確かに、利用者がTLを見る時間は決まっていますし、これは効果的かもしれません。


2. できるだけリプライには返信する

リプライは「話しかけられた」に等しいため、必ず返事をします。挨拶などは、まとめリプライになってもできるだけします。それでも返信できないくらいリプライがきたら「返信できていないが拝見しています」とツイートします。

ハンズさんのように多くのフォロワーを抱える方は返信も大変かとは思いますが、可能な限り返信しているのはすごいですね。


3. 「ハンズ」というキーワードを含むツイートを常時検索(エゴサーチ)する

エゴサーチして、面白いモノには積極的に返信するといいます。相手がフォロワーでなくても突然こちらから話しかけることも。

例えば、あるユーザーが「手羽(ハンズの手のマークが羽に見えることから)」とつぶやいているのを見つけて「手羽ヤメレwww」とリプライしたり、「東急ハンズに行くと、つい財布のひもが緩んでしまいます」といった内容に対して「フフフ、魔窟へようこそ」と絡んだりしています。

このハンズからの突然のリプライに対して、一般ユーザーからは「ハンズきた!」と喜んでもらえることが多いとのことです。


4. ツイートの内容が偏らないように心がける

企業の情報発信だけでもだめ。個人のおしゃべりツイートだけでもだめ。バランスが重要とのことです。感覚的にはリプライ5、おしゃべり3、発信2が良いとのこと。

企業の情報発信に偏らず、かつ個人的なことにも偏らず。その絶妙なバランスが、人気アカウントのキャラをつくっているのですね。


5. 相手の方に合わせ、会話の流れを壊さないようにする

相手の過去の発言やプロフィール、言葉遣いを考慮に入れて、会話します。

くだけた表現のツイートには親しさを持って、苦言を呈している方には誠意を持って。雑談でも盛り上がってきたら真剣に対応する。とにかく、会話の流れを途切れさせないように意識しているとのことです。

一つ一つのつぶやきに対する配慮が行き届いているのが凄いですね。「中の人」の人となりが伝わってきます(笑)


6. 自分では解決できなかったりわからなかったりする質問は、必ず該当の窓口なり最寄りの店舗なりをご紹介する

無理に自分で調べて全部答えようとすると時間がかかります。より迅速な解決が求められている場合が多いので、店舗をご案内した方が喜ばれるそうです。

その誘導も強制的ではない印象を受けます。そのあたり、ハンズさんの絶妙なコミュニケーション力があってこそ。


7. リアル店舗に足を運び、写真付きでツイートするなど、臨場感のあるツイートをする

やはり臨場感のあるツイートのほうが、TLの盛り上がり方が大きいとのこと。言葉で伝えるのには限界があります。写真つきだと見る人も楽しいですね。

TLが盛り上がるというのも、twitterならでは。周りが盛り上がると、「自分も行きたい」と思ってしまいますよね。そこを上手く利用するのがコツなのでしょうか。


8. 自分のキャラを無理に隠したりせず、自然体でツイートする

毎日のことなので、自分を押し殺していては長続きしないとのこと。

私の印象として、「本当にハンズさんは楽しんでtweetしているなあ」と感じます。やはり自然体が良いのでしょうね


9. ツイッターでのコミュニケーションのルールは店頭での接客と同じ

ツイッターの運用に関するガイドライン的なものは特にはないらしく、「小売業である我々にとっては、店頭でお客様に接するときと同じ基準で対応させていただいてます」とのこと。

確かに、Twitter上での距離は店頭と同じくらい近いので、店頭での接客と変わりはないように思います。

ただ、実際に目の前にお客様がいないという点で、接客の難しさがあるかもしれません。そのあたりの絶妙さを、ハンズさんは上手くクリアされておられますね。ただただ尊敬です。。


10. 企業アカウントは凹んではいけない

企業アカウントにとって、後ろ向きな発言をすることは何一ついいことなし。自分の機嫌や体調が悪くても、前向きな発言に徹する。どうしても前向きな発言ができない状況なら、むしろつぶやかないほうがまし、ということでした。

確かに、企業さんが凹んでしまっては消費者も戸惑ってしまいますね。消費者にとって、企業アカウントは常に明るい存在でいてほしいと思うのが本音だと思います。とはいえ、普段の仕事をやりながらの「つぶやき」は大変なことだろうと想像できます。


いかがでしたでしょうか? 個人というより企業アカウント向けの内容が多いですが、個人の方も「tweetの内容が偏らないようにする」、「凹んだtweetは控える」などは参考になるのではないでしょうか?

今回は作法と銘打っていますが、Twitterの醍醐味は「ユルさ」にあると思います。あまり堅くならずにtweetするのが良いと思います。ただし、リプライする際には他人への配慮をお忘れなく

東急ハンズの「中の人」に聞いた!twitterをする時の作法ブレスト | 安齋の「No brain,no life」

(安齋慎平)