捜査当局を挑発する2ちゃんねる「元管理人」ひろゆきは警察権力による「思惑捜査」の餌食となるのか!?

 「ひろゆきが帰国したらしい。警視庁の刑事が、また居場所を突き止めようと、歩き回っている」

 こんな情報が、マスコミの社会部やネット関係者の間に出回っている。

 「ひろゆき」とは、ネット掲示板「2ちゃんねる」の元管理人・西村博之氏のこと。警視庁生活安全部サイバー犯罪対策課は、「2ちゃんねる」に掲載された覚醒剤の購入をあおる書き込みを放置した「麻薬特例法違反(あおり)の幇助」で捜査。既に、昨年から今年3月にかけて、西村氏の自宅やサーバー管理者、書き込みの削除担当者など10数ヵ所の家宅捜索を行っている。

 捜査は急ピッチで進み、警視庁はもちろん警察庁も意欲的だったことから、5月頃には「ひろゆき逮捕もある」という情報も流れた。だが、その後、沈静化、捜査が話題になることもなかった。

 なぜか---。

「2ちゃんねる」を狙う警察総体の思惑

 「検察がゴーサインを出さない。警視庁の狙いはひろゆき。でも、彼は、元管理人であって書き込みの削除要請に応じる立場にはない。『放置の罪』を問うのはただでさえ難しいのに、『ひろゆきが放置を指示した』という結論に辿り着くのは不可能だろう。検察は、『起訴できる材料を持ってこい!』と、ハードルを上げており、それを警視庁は、なかなかクリアできない」(ネット犯罪に詳しい弁護士)

 捜査するのは警視庁だが、起訴するのは検察である。今回、担当するのは東京地検公安部だが、「起訴しても公判維持ができない」と、判断している。

 無理もない。順序が逆なのである。

 事件の発端は、昨年5月に摘発された覚醒剤事件で、「2ちゃんねる」を通じて売買を持ちかけた54歳の無職の男と、それを見て購入した男女2人が逮捕された。

 「2ちゃんねる」は、単に利用されただけだ。公序良俗に反する違法書き込みを放置したのは確かだが、そんなサイトや書き込みはヤマのようにある。

 「2ちゃんねる」が警視庁に狙われたのは、「ネット掲示板の摘発」を新たなテーマにしようという警察総体の思惑によるもの。なかでも「2ちゃんねる」はその象徴だ。創始者で「ネットの有名人」である「ひろゆき逮捕」によって、一罰百戒の効果を期待した。

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