UN_joint_statement_on_wikileaks

http://www.cidh.oas.org/relatoria/showarticle.asp?artID=829&lID=1

言論表現自由の権利の促進・保護に関する国連特別報告官

米州人権委員会 表現自由のための特別報告官

ウィキリークスに関する共同声明

言論表現自由の権利の促進保護に関する国連特別報告官(UN)と、米州人権委員会 表現自由のための特別報告官(IACHR)は、進展中の話題である、ウィキリークス及び主流ニュース媒体による外交文書の公開に関して、これをうけて多くの国際的な法原則の多くの国際的な法原則を思い返してもよいのではないかと見ている。報告官らは、前述した話題の進展に応じて、米国としかるべき関係者にこれらの原則を念頭に置くよう要請する。

1.公的機関の保有する情報にアクセスする権利(※訳注・以下「情報にアクセスする権利」→「情報アクセス権」)は、規制するための例外がほぼ許されない基本的人権とされる。情報アクセス権は、すべての人々が公共情報へアクセスすることに対して、また政府が彼らの代表として行っていることを知ることに対しての権利を守るものである。これは、民主主義体制の統制・機能・維持に重要な役割を与えることから、国際社会から特に注目を集めている権利である。この権利の保護がなければ、市民は、知ることも、「説明責任」を要求することも、政治参加の権利を行使することが不可能となる。国家当局らは、最大透明性の原則を確実なものとするために積極的な歩みを行い、多くの国でいまだに広がっている機密慣習に対策を講じ、定期的な開示情報の対象量を増やしていくべきである。

2.同時に、もっとも重要な公共及び民間の利益 - たとえば「国家安全保障」や「個人の権利と安全」 - を保護するため、情報アクセス権は、例外が厳格に定義・適用されるものである。秘密保持法は、まず厳密に国家安全保障というものを定義し、どの情報がどの基準にて秘密と決定されたのかが明示されるようになるべきである。情報アクセス権において、国家安全保障やその他の事由に関する例外は、保護された国益に深刻な実害の危険性があり、かつその害が、情報アクセスがもたらす公共利益よりも大きい場合のみに限るべきである。国際的な基準では、人権侵害に関わる情報は、秘密や機密としてみなされるべきではない。

3.公共機関とその職員は、自らの統制の元に合法性のある守秘義務の遵守に全ての責任を持つ唯一の機関である。自身で公共の利益を信じる判断の元に機密情報を受け取り、それを広めたメディア関係者・市民社会の代表者・ジャーナリストを含む個人は、彼ら自身が情報の取得に際して詐欺や犯罪が行った場合を除いて、責任を問われる対象となるべきではない。人権侵害、人道法違反、そして健康や安全・環境への深刻な脅威に関して、政府の"内部告発者"が良心の元で行動しているならば、その告発者は、法的・行政的制裁また、雇用的制裁から保護されるべきである。機密情報を広めた者への責任追及は、公平かつ独立した法的システムによって既に確立された、上訴する権利を含めた完全なる手続きの保証のある法律によって行われるべきである。

4.書面・芸術・声・視覚または電子的な情報伝達を通じた表現のコンテンツに影響を与える目的で、直接または間接的な政府の干渉や圧力の使用が行われることは法によって禁じられなければならない。これらの違法な干渉には、ジャーナリスト・独立したメディアに対して政治的な動機で起こされる訴訟や、WebサイトやWebドメインのブロックが含まれる。公職者による違法的な報復行動の呼びかけは許容されない。

5.エンドユーザーによってコントロールを確保されていないシステムに対しフィルタリングを行うこと、 - 政府・商業サービスプロバイダにかかわらず - これは事前検閲の一形態であり、正当化することはできないものである。 インターネットサービスを提供する企業は、恣意的な干渉をせずに、顧客の権利を尊重していることを確実なものとするよう努力を行うべきである。

6.難しく論議を呼ぶ議題に対し指摘を行い、それを報道する方法についての重大性は、ジャーナリストらの自制機能によって広く認知されてきた。特別な報道責任は、機密の情報源からの情報を報道する際に、基本的権利または人的安全が侵されるであろうケースで必要とされる。ある種の情報を公開することが公共の利益に適うかどうかの評価には、ジャーナリストは倫理コードを適用すべきである。このような倫理コードは新たなコミュニケーション形態や新たなメディア組織にとって有用な手引きともなる。こういった新たな組織は、利用可能な情報が正確で、公平に提供されたものであり、人権などの法的に守られるべき利益に実質的な害をもたらさないことを保証する倫理的に最良な方法を採用するだろう。


カタリナ・ボテロ・サンマリノ (Catalina Botero Marino)

米州人権委員会 表現自由のための特別報告官


フランク・ラルー (Frank LaRue)

言論表現自由の権利の促進・保護に関する国連特別報告官


この文章の翻訳にあたった方

higon@transleaks, Tassa Leaks

タグ:

Wikileaks UN
最終更新:2010年12月24日 10:43
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