日本IBMは2012年4月25日、Linux専用サーバーの新製品「PowerLinux 7R2」を発売すると発表した。5月4日から出荷を始める。POWER7を搭載したLinux専用機とし、x86サーバーより安い価格にした一方で、高い信頼性と高速処理を実現した点が特徴だ。IBMの検証によると、オープンソースソフトウエア(OSS)の分散処理ソフト「Hadoop」を動かした場合、同じコア数のx86サーバーに比べ1秒当たりの処理件数が4割向上したという。

 多くの企業でLinuxなどのOSSの利用が増えていることに対応する。戦略的な価格帯のLinux専用機を市場投入し、x86サーバーからの移行を狙う。高速処理が可能な同サーバーの導入により、「x86サーバーを多数並べて構成していたシステムでは、同じ処理能力を維持しながら、5分の1~8分の1程度にサーバー数を減らせる」(日本IBMの高橋信 システム製品事業パワーシステム事業部長)。

 高速な処理が必要になるビッグデータの分析や、高い信頼性が求められる業務システムなどでの利用を想定している。価格は最小構成で135万5700円(税別)。IBMの直販に加え、同社の販売パートナーを通じて、大手企業やITサービス事業者などに売り込む。