タイミング的に、「もうウンザリだよ」というタイミングだと思いますが、大阪中一男女惨殺事件についてです。連日連夜のように報道が繰り返されている上に、基本的には気分の悪くなる報道ばかりなのでウンザリ感が強烈ですが、どうも「異常っぷり」と突き抜けているような印象が強い。

先ずは週刊文春9月3日号の記事を参照にしながら、犯人の「ぶっ飛び」な人物像について。犯人は渡利浩二から山田浩二に改名しており、少年期は渡利浩二。それを踏まえて以下へ。

小、中学校の同級生は、こう証言する。

「渡利はおとなしくて目立たへんけど、コソ泥みたいな悪いことするやつで、駄菓子屋で万引きした商品見せびらかしたり、自分の家から一万円札くすねてきて自慢するようなアホやった。〜略〜駄菓子屋でインベーダーゲームばかりやって女子には『キモ』と敬遠されてました。同級生以上には相手にされず、パシらされる存在やったけど、年下や弱い者にはカツアゲしたり。中学校の卒業アルバムの集合写真でも一緒に写ってないのは、窃盗で鑑別所に放り込まれていたからです。部活もやってないし、友達も少ない。高校にも行ってへんからその後の消息もようわからんままでした」


2002年に男子中学生に「寝屋川駅はどこ?」と声をかけて車に連れ込み、「オレは警察や。持ち物を調べる」と脅迫して手錠をかけ、現金や携帯電話などを奪い、このときに寝屋川署に強盗と逮捕監禁の容疑で逮捕されているという。

その後に17歳の少年二人を車内に監禁し、顔に液体をかけて火をつけて火傷を負わせていた事も判明して、傷害などの容疑で再逮捕。

警察が発表して報じられたのは、そこまでであるが山田の知人は強制ワイセツでも逮捕されているという。

彼は女も好きだが若い男の子も好き。監禁した少年のズボンをおろして性器をいじっていた。少なくとも三人に同じようなことをやっている

と証言している。その証言のウラを取るべく文春が被害者少年の任意の一名の父親にあたっているが、その父親は「息子は、もう関わりたくない、と言っていますから」と漏らした――という。

なるほどねぇ。異常な事件だと思ったら、犯人も相当なレベルっぽい。先ず、真正面から、その特異であろう性癖に触れるべきですよね。平たく言えば、少年マニアのヘンタイってワケだ。「ヘンなオジサン」というレベルじゃありませんよ、逮捕監禁したり、液体をかけて火をつけて火傷を負わせるなどの狂暴なヘンタイですからねぇ。個性とか変わり者では済まず、ストレートな感慨を述べれば、「重度のクズ」でしょうか。いやいや、少年期の語られ方にしても文春に限らず、他のメディアでも絶望的にクズとして語れており、なんだか凄い人物像です。駄菓子屋で万引きをして、それを見せびらかし、そういう子は居たけれど、更に年下や弱い者からはカツアゲをしていたという証言も分かり易いんですよねぇ。こういうのって80年代にありがちなクズのパターンでもあり、周囲から相手にされない典型例だし、その上に強制ワイセツ少年マニアだもんなぁ。

さて、ネット上でも前科については色々と情報が出回っていたようですが、週刊文春にも再犯者ばかりが収容される徳島刑務所に山田容疑者は収監されていたという。その徳島刑務所内で元ヤクザと知り合いになり、養子縁組をして苗字が山田に変わったという。

また、刑務所内では自らの犯歴として「クスリをやった」と言っていたらしく、性犯罪者である事は隠していたという。では、ホントにクスリ、つまり麻薬をやっていたのかという部分は判然としない。判然としないが、山田容疑者は知人に大阪・新今宮橋周辺の写真をフェイスブックにアップし、「久しぶりに昔稼がせて貰った思い出の場所に行きました」というコメントをつけていたという。どういう意味かと知人に問われてた山田容疑者は「クスリを売って稼いでいたんですよ」と説明したという。となると、犯歴が明かされていないだけで、ホントにクスリの売人稼業をしていた可能性があるのかも。

で、今夏の行動ですが、8月8日にはフェイスブックにアップされているらしく花火大会に出掛けているという。目的はナンパで、なんと福島市と郡山市のお祭りをハシゴしている。郡山で家出少女っぽい子に声をかけるも相手にされず、そのまま元同僚の家へ。

明くる9日と10日は、その同僚の家に泊まりながら東京都内で開催されていた乱交パーティーに参加したという。

おいおい、なんだよ、これ。そういう。こいつ、どういう。ま、いいか。

9日は品川、10日は池袋の乱交パーティーに参加したという。なんでも料金7〜8千円の「輪姦コース」なるものに参加したらしく、女性1人に対して男性5〜7人が相手になるものだという。同僚の証言に拠れば山田容疑者は自ら「イチモツにシリコンボールを25個入れている」と言っていたらしく実際、勃起したイチモツにはコロコロしたものが見えたという。

で、この乱交パーティーの後に、テレビで報じられたように秋葉原で職務質問を受けた。その後、山田容疑者は実家のある大阪・寝屋川市に帰って、その大阪で、中1男女の惨殺事件を起こすに到ったという。


うーむ。今年のお盆休みは、地味にこの不可解な事件に印象づけられてしまったという感慨があります。お盆休み中のことで、旅館で、14日だったのかな、安倍談話がどうのこうのというニュースを視聴していながら、奇妙なニュースの第一報を知った。「高槻市の駐車場で若い女性の遺体が発見された。顔をガムテープでぐるぐる巻きにされており、左半身に三十ヶ所以上の切り傷があり、女性の年齢は8〜15歳ぐらいと見られ…」という感じ。また、「駐車場には二台の車が重なるように駐車して…」と初期の段階では報じられていた。被害者の年齢のあたりからして既に謎だらけだったし、単純に傷ましい事件にして、なんだか猟奇的な匂いもあり、川崎で起こった少年リンチ死事件のそれもあり、謎だらけでしたよね…。

高槻で発見された被害者が寝屋川市内の中学校に通う中学一年生の女子生徒と判明。その頃になると監視カメラの映像やらが出て来ていて、テレビでも深夜徘徊というか、屋外で夜明かしをすること、被害者の近辺では《野宿》という言葉が使用されていたようですが、庭先にテントを張ってそこで過ごしたり、そういう外泊行為が恒常化していたこと、更には男子生徒も一緒だったことが報じられたんですよね。順番を追ってゆくと「何故?」が実は非常に多かったですよね。或る意味で、我々の先入観であるとか、常識は通じないところがあったと言いますか。中学一年生ってそんなに深夜に出歩くものだろうか? 野宿? 男の子も一緒? とかね。どこの家庭にも家庭の事情というのがあるので、常識が裏切られることも珍しくはないのが真理ではありますが、なかなか一般レベルの常識では捉えきれない込み入った事情が、被害者らの言うところの「野宿」、「泊めてー」というあたりに隠されていた気がします。まぁ、事情というのは、各々が抱えているものなのだろうけれども。

で、男の子も誘拐されているのであれば一刻も早く犯人を捕まえるべきだという空気が醸造されたものの、21日ですね、容疑者逮捕というニュース速報に続けて、男子生徒の遺体が発見されたというニュースが報じられた。このとき、男子生徒の自宅マンションからは母親のものと思われる「うわあ」「嫌や、嫌やー」という絶叫と慟哭がしばらくやまなかったという。

この絶叫と慟哭がしばらくやまなかったという部分、フジテレビの某番組も触れた箇所らしく、それが行き過ぎ報道ではないのかという批判もあったようですが、週刊文春も記していました。色々と事件の成り行きをテレビを通じて目撃者となり、テレビを通してですがそれなりの感情を持って見つめていたひと夏の出来事でもあり、この結末のその描写というのは、心痛が伝わる描写でした。。。

被害者も人なら加害者も人か。いやいや、山田容疑者の、この感じというのは…。山田容疑者の行動を追うと、夏休みになってからというもの、まるでロードムービーかのように各地を積極的に飛び回って事件を起こしており、なんだか狩猟者のような猟奇性が不気味と感じました。ナンパに出掛けたり、乱交パーティーへ出掛けただけでは飽き足らず、深夜や早朝にも「獲物」を物色してクルマを走らせている。性欲ギンギンの行動的な狩猟者という感じの一連の行動というのは、捕食者そのもので、「ホントに同じニンゲンなのか?」という疑念を抱かせてくれる。