図書館問題研究会鹿児島大会その5:武雄市図書館をのぞく
19日は嬉野の友達のところへ行く途中、武雄市図書館を覗いてきました。
武雄温泉駅から歩いて15分ほどの場所で、近くにはYUMEタウンもあります。
中に入って......
なるほど、これは「つたやライブラリー」というのが私の第一印象でした。
外観の左側の丸い塔の部分は、ツタヤのCD/DVDコーナーになります。
右側はスターバックスコーナーで、真ん中が入り口になります。
建物の図面引きのときから、ツタヤを意識しての設計を感じました。
入ってすぐの面積の大半は、ツタヤの出版物販売になります。
市立図書館の本は、販売物コーナーの奥と2階にありました。
1階、2階とも手の届かない箇所に本がずらりと並んでいるのも印象的でした。
まるで飾りです。
私が伺った時もスーツ姿の方が2,3人で二組ほど、他に5,6人の団体が正式に見学申し込みをされていて、係の方が案内していました。
スタバの飲み物が館内のどこでも飲めるようになっていて、あちこちにゴミ箱が設置されています。また、撮影禁止のプレートもあちこちに掲げられていました。
店員は、販売物と本の貸出を同時に対応しています。
それは、自動貸出機も館内の検索機も同じで、市立図書館の本の貸出/検索と、販売物の販売/検索をメニューで分けていました。
市立図書館の本につては一般のNDC分類は使わないといわれていましたが、本を手に取ってみる限り、特殊分類は使っていないようでした。
なるほどツタヤから見ると「ツタヤは本の販売を目的に、店員は指定管理者の人件費で賄う」で、自治体から見ると「新しい本を求めて、おいしいコーヒーが飲みたくて人が集まり、ついでに公共図書館の本も手に取ってもらえる」という、Win-Winの関係ということでしょうか。
レファレンスなどがどんな風にされているのかは?
私以外にも鹿児島大会の後に伺った人は結構いるようで、専門的な話はそちらに聞いてみてください。
武雄温泉街は静かでしたが、図書館は駐車場を見ただけでも賑わっているのがわかります。
図書館関係者から見ると、指定管理者の選別方法や貸出履歴の問題など思うことは色々あるのですが、一般利用者からみると総じて好評のようです。
武雄に仕事で訪れた知人も図書館に足を運び、今までの公共図書館と違うゆったりした空間でリラックスできたと話していました。
他の友達にも幾つか問題点を話しましたが、「人が賑わう場所が田舎にできただけでも活性化に繋がるのよ」と、言われてしまいました。
なうほどねー、こうしてひとつづつ将棋倒しが崩れていくのねえ!
カードを持っていない利用者に「Tポイントカードはお持ちですか?」と店員が訪ねていました。
今の世の中、プライバシーなんて、所詮まぼろしなんでしょうかね~
武雄温泉には入らず、そのまま嬉野へ行き、美人の湯にゆったりと浸って旅の最後の夜を楽しみました。
ちょうど友達の宿が久光のバレー部の合宿場所になっていて、中田久美監督ともちょっとだけ話が出来ました。
バレーが唯一のストレス解消だった彼女にも、35年も苦行を積めば、ご褒美がもらえるのです。
個人的にも嬉しい出来事があり、本当に久しぶりに彼女の満面の笑顔を見ることができ、こちらも最後は幸せな気分で数日間の旅を終えることができました。