************************************************* このCIA★こちら映画中央情報局ですは、2017年4月1日に、コチラの CIA Movie News に移転しました!! *************************************************


この映画の原作は、ウォーレン・エリスがストーリーを執筆し、カリー・ハムナーが作画を担当した同名のコミックです。その最初に2003年に出版された原作コミックの版元はDCコミックスなので、同コミック出版社を傘下におさめ、「バットマン」シリーズの映画などを大ヒットさせているワーナー・ブラザースが当然、この映画も製作・配給しているんですよね!!と、まっとうな映画ファンのCIAリーダーの方は思うはずです。
ところが、この映画を作ったのはサミットワイライト・エンタテインメントで、ワーナー・ブラザースは、引退した元CIAの年寄りばっか出てくるような熟年アクション映画なんてヒットするわけがない!!とタカをくくり、この映画のプロジェクトをパスしてしまいました…!!、そして、ワーナー・ブラザースは、同じDCコミックス原作による、もっと若い世代のアンサンブル・キャストのアクション映画として、ゾーイ・ネイティリ・サルダナや、クリス・キャップ・アメリカ・エヴァンス、ジェフリー・ディーン・ウォッチメン・モーガンらを起用した「ルーザーズ」を今春、公開した次第ですが、同映画のオープニング成績は、たったの約940万ドル(2,936館)で、年寄りどもの半分も稼げていません!!、それどころか、「ルーザーズ」の最終的な国内での興行成績はハナクソみたいな約2,359万ドルでしたから、熟年アクション映画の「レッド」は、すでにその数字に迫っています!!、つまり、年寄りを舐めたワーナー・ブラザースは大失敗をしたわけで、お年寄りの年輩の人は、やっぱり敬わなければならない!!という教訓の銃弾を、世間は叩き込まれてしまいました…!!





パラマウント映画が見送った「トワイライト」の映画化で、大成功をおさめたサミット・エンタテインメントが、前述のように他社が敬遠した企画に挑戦した熟年アクション映画の「レッド」を、全米3,255館の約4,100スクリーンで封切ったオープニング成績は約2,250万ドルで、先にお伝えしたように観客の7割近くが若者だった「ジャッカス 3D」と同日公開し、異なる世代の観客を分けあって共存するというタイミングを狙った戦略が功を奏して、まずまずの成果を手中におさめました。

「トランスフォーマー」シリーズのロレンツォ・ディボナヴェンチュラがプロデューサーをつとめ、ジョディ・フォスター主演のミステリー・スリラー「フライトプラン」(2005年)や、SFラブストーリーの「タイム・トラベラーズ・ワイフ(きみがぼくを見つけた日)」(2009年)で知られる、ドイツ出身のロベルト・シュヴェンケ監督がメガホンをとった本作の題名の「RED」は“ Retired Extremely Dangerous ”の頭文字をとったもので、その意味は“ リタイアした極めて危険な連中 ”といったことになりますね。


レッド予告編




ケイト・ベッキンセイルが主演し、題名どおりにシラケて消えていったオクラ入り映画のスリラー作品「ホワイトアウト」(2009年)では、グラフィック・ノベルを映画にアダプテーションするのに大失敗していたジョン・ホーバー と、エリック・ホーバーが脚本を執筆した、この「レッド」のプロットは、ブルース・ウィリス演じるCIAを引退した主人公のフランク・モーゼスが、あろうことか、古巣のCIAから命を狙われたことで、自分と同じように現在はご隠居さんで、ヒマを持て余している昔かたぎの元工作員仲間を集め、自分を亡き者にしようとする政府の陰謀を暴くべく、戦いを挑むことになる…!!といったもので、フランクが過去に関わったグアテマラでの大量虐殺隠蔽のミッションが、実は政界の中枢の不都合に通じ、口封じのために殺されようとしている真実にたどり着くことになります。




ヘレン・ミレンとジョン・マルコヴィッチが、今時の若い者は…といった感じに、昔のシークレットサービスは
もっとタフだったはずだけどなぁ…と、年寄りらしい嫌味?!を最後に言うのがおかしい銃撃シーン!!




そのようにストーリーとしては、さして目新しくもない本作が、集客を募ることができた成功の要因は、何と言っても、キャストの魅力で、ブルース・ウィリスのお仲間となる高齢なのに血気盛んな面々は…、「ウォンテッド」(2008年)で、秘密結社のフラタニティを率いていたモーガン・フリーマン、コーエン兄弟監督のブラック・コメディ「バーン・アフター・リーディング」(2008年)では、お酒が原因で、CIAをクビになっていたジョン・マルコヴィッチ、キューバ・グッディング・ジュニアと義理の母子を演じた「シャドーボクサー」(2006年)でも殺し屋だったヘレン・ミレンといった顔ぶれで、ネルソン・マンデラ大統領とエリザベス女王が共演していることになりますね…!!



それに加えて、女性同士の親密な間柄をテーマにした名作映画「フライド・グリーン・トマト」(1991年)で注目を集め、最近では「ジェシー・ジェームズの暗殺」(2007年)でブラッド・ピットの妻を演じていたほか、テレビシリーズ「Weeds/ママの秘密」で活躍しているメアリー=ルイーズ・パーカーが、ブルース・ウィリスが想いをよせる年金事務所の職員サラの役柄で登場しています。また、「マーティ」(1955年)や、「ポセイドン・アドベンチャー」(1972年)などの往年の名優アーネスト・ボーグナイン93歳に、「X-MEN2」(2003年)のストライカーことブライアン・コックスも顔を出していますし、スタローンの後を継いで、二代目の法の番人ジャッジ・ドレッドを演じるリメイク映画「ドレッド」が2012年に公開予定のカール・アーバンが、上司の命ずるままにブルース・ウィリスを追うCIAのエージェントを演じています。


ブルース・ウィリスがカール・アーバンをバックドロップ!!




しかしながら、そのように豪華なキャストを集めた本作の製作費は少し高めで、約6,000万ドル前後のトワイライト・マネーをサミットワイライトは費やしていますから、オープニング成績が約2,250万ドルというのは少し控えめで、本当は3,000万ドル前後が欲しかったのでは…?!とも思われそうですが、ブルース・ウィリスが主演した、やはり、コミックが原作の前作の失敗作のSFアクション「サロゲート」(2009年9月25日公開/製作費8,000万ドル)は、アメリカ国内での売り上げこそ、約3,857万ドルとヘボい結果に終わり、コケていますが、海外ではその倍以上の約8,386万ドルを稼ぎ、トータルでは約1億2,244万ドルを集めています。
よって、「ダイ・ハード」シリーズのスターの知名度は世界で立派に通用するわけで、その他の前述の名優らも出演している「レッド」は、今後の海外セールスの展開に期待が持てるため、国内での売り上げは、ま、ヒットするにこしたことはないものの、まずまずの平均点ならかまわない…と、サミットは考えているはずです。なので、「レッド」のオープニング興行は、これでひとまず成功と解釈しておいてあげてよさそうです。



この「レッド」の映画の格付けサイト RottenTomatoes での支持率は70%で、レビューでは B- から C といった評価です。が、まぁ、ドラマ映画ではなく、あくまでも娯楽のポップコーン・フリックなので、そうした採点はあまり気にしないでよいのかもしれません。
それにしても、ブルース・ウィリスは、スタローンが音頭をとった「エクスペンダブルズ」(日本公開中)では、チョイ役のカメオだったわけですが、それとは別に、この「レッド」で熟年層の「エクスペンダブルズ」?!を実現していたことになるのがおかしいですね。で、サミット・エンタテインメントの調べによれば、この「レッド」のオープニング興行の観客の約53%が男性で、全体の約6割が35歳以上の中高年だったとのことですから、冒頭で述べたように、若者ウケの「ジャッカス 3D」と観客を分けあい、こちらはそれなりにご年輩の方が大勢、ご覧になっていたことになります…!!


        ↑↓ こんなのがもし祖父や祖母だったら、どうしたらいいんでしょう…??








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