氷室京介(50)が12日、東日本大震災復興支援チャリティーライブを東京ドームで行った。「元気を与えられて、みんなが知っているヒット曲を」として、初めて全曲BOφWYの楽曲で構成。スタートからファンが声を合わせて歌い出し、会場は巨大カラオケボックス状態となった。

 BOφWYは88年に電撃解散したが、いまだに根強い人気を誇る。客層は30~50代が中心で男女比率は半々。前日11日と2日間連続開催で、計11万人を動員。チケットはネットオークションで10万円以上に高騰した。客席には嵐の櫻井翔ら著名芸能人の姿もあった。

 これまでの氷室はソロ活動にこだわり、BOφWYの楽曲全曲歌唱を封印してきた。しかし、テレビで東日本大震災被災地の惨状を見て、「一番元気づけられるのは、BOφWYの楽曲」の思いを強くし、「50歳記念公演」を「チャリティー公演」に変更した。

 急な発表に、元メンバーのギタリスト布袋寅泰はブログで「自分の持つ力を最大限に発揮し、貢献できるとしたら、それはBOφWYの再結成しかない、と考えましたが、残念ながらそれはかないませんでした」と、逆に再結成のタイミングを逸した無念さを告白した。氷室もテレビのインタビューで「メンバーの気持ちまで考えてなかったのはいけなかったですね」と振り返ったほどだ。

 それだけ熱い気持ちの入った今回のライブだったが、MCは2回だけでラストには「元気をあげようと思っていたら、オレが元気をもらっちゃったよな」とポツリ。クールな氷室が一瞬見せた笑顔だった。【近藤由美子】